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グローバリゼーションとメキシコ経済

青山学院大学<br>地球社会共生学部准教授 <br> 咲川 可央子[SAKIKAWA Kaoko]

青山学院大学
地球社会共生学部准教授
咲川 可央子[SAKIKAWA Kaoko]

グローバリゼーションとメキシコ経済

第2回 2021/7/3(土)

青山学院大学地球社会共生学部准教授 咲川 可央子
[SAKIKAWA Kaoko]

 今日、スーパーに行けば、海外から輸入された様々な商品が簡単に手に入る。メキシコ産のアボガド、南米・チリ産の葡萄、アフリカ・モーリタニア産のタコ、米国産の牛肉、中国産の梅干し、フィリピン産のバナナなど、毎日私たちの食卓には世界中の食品が並んでいる。
 これらの食品は、ある1国で生産されて日本に輸入されているモノであるが、IT製品などは複数の国にまたがって生産された上で輸入されている。例えば、多くの日本人が使っているiPhoneは米国アップル社の製品であるが、デザインこそ米国で行われるものの、日本、韓国、台湾、中国、ドイツなど様々な国の企業が部品の生産に携わっている。iPhoneはそれらの部品を用いて中国やインドの工場で組み立てられて完成し、日本に輸入されているのである。
 我々がこうした商品を容易に入手できるようになったのは、グローバリゼーションが進み、国際貿易や海外直接投資(FDI)が盛んに行われるようになったからである。こうした状況下、世界経済は複雑につながるようになり、互いにより強く影響を及ぼし合うようになった。本講義では、こうした相互依存関係にある世界経済の一例として、メキシコ経済を取り上げ、グローバリゼーションと関連づけながら論じ、経済の「共生」について考察したい。
 メキシコは、世界一の大国である米国と接するがゆえに、米国の影響を良くも悪くも受けてきた。メキシコと米国の相互依存関係は、1994年の北米自由貿易協定(NAFTA)の発効以降さらに強まった。2016年に大統領に就任したトランプ氏は、NAFTAこそが米国の雇用を奪う元凶と考え、20年以上ぶりに再交渉が行われた。度重なる再交渉の末、2020年7月に米国、メキシコ、カナダ協定(USMCA)が発効されたことは、記憶に新しいのではないか。本講義では、メキシコが、①どのような特色を有した国でどのような政策をとってきたのか、②どのような経済パフォーマンスを示してきたのか、③どのような課題を有するのかについて確認し、相互依存関係にある世界経済における「共生」について考察していきたい。

プロフィール

青山学院大学地球社会共生学部准教授
咲川 可央子[SAKIKAWA Kaoko]


青山学院大学修士課程修了。メキシコ大学院大学(El Colegio de México)修士課程修了。
神戸大学博士課程修了。二松学舎大学国際政治経済学部専任講師、准教授を経て、現在青山学院大学地球社会共生学部准教授。専門分野は経済学、開発経済学。