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日本とモンゴルの共生・協力はどこまで可能か?

青山学院大学<br>地球社会共生学部教授 <br> 岩田 伸人 [IWATA, Nobuto]

青山学院大学
地球社会共生学部教授
岩田 伸人 [IWATA, Nobuto]

日本とモンゴルの共生・協力はどこまで可能か?

第2回 2019/7/6(土)

青山学院大学地球社会共生学部教授   岩田 伸人
[IWATA, Nobuto]

 2011年の東日本大震災で、救援物資を満載したモンゴル航空の飛行機は、後続の各国からの救援機の邪魔にならないように、何の儀礼的儀式も行わないでサッと離陸して帰って行ったと聞きます。さらに発生後すぐにモンゴル人の全公務員が1日分の給与を全て、日本国の復興のために寄付しました。
 日本とモンゴルは、地理的な距離が遠いこともあって、互いに相手の国を実際よりも高めに評価しているのではないかと思われる点があります。日本には各県にモンゴル友好協会なるものが少なくとも一つはあると言われていますが、他の国との間でそのような事例は聞いたことがありません。逆に、モンゴル人にとって、日本は「好きな国」のナンバーワンですが、「頼りになる国」のナンバーワンは、日本ではなく別の国です。
 日本からモンゴルまでは、直航便の飛行機で約5時間です。夏の気温は30度近く、冬はマイナス30度とも言われます。モンゴルは国土面積が日本の約4倍もあるのに、全人口はわずか300万人で、その半数以上の約160万人が首都ウランバートルに住んでいます(モンゴルもまた他の国々と同様に人口が都市に集中し始めています)。ウランバートル(意味は「赤い英雄」。)は1920年代に当時の社会主義国家「ソビエト連邦」によって60万人の都市計画で建設されました。そのため、郊外の高台から市内を眺めると、都市を囲む小高い丘には無数の(市街地区域に入りきれなかった人々が住む)モンゴル伝統の丸いテント(呼称は「ゲル」)がびっしりと立ち並んでいます。
 ちなみにウランバートルは世界で最も大気汚染が深刻な都市だと言われますが、市街地の外、つまり盆地の外は真逆で、空気は澄んでいて夜は満天の星空です。
 当日は、入門編「私の目から見たモンゴル」をご紹介しながら、「日本」または「日本人」は、どこまでモンゴル国またはモンゴル人と共生・協力しあえるかについて考えたいと思います(「内モンゴル」はかつてモンゴルの領土でしたが、今は中国の領土内であり「モンゴル」国の一部ではありません)。

プロフィール

青山学院大学地球社会共生学部教授
岩田 伸人 [IWATA, Nobuto]


1954年 熊本県生まれ。早稲田大学商学研究科博士課程修了。博士(農学)。青山学院大学経営学部長・同大学院研究科長(2006-2009年)を経て、2017年4月より現職。日本貿易学会会長(2009~2010)、専門は国際貿易論。主著書『日本・モンゴルEPA研究』等。