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学部概要

MESSAGE 学部長メッセージ

在学生ならびに「コミュニティ人間科学部」に関心を寄せるみなさまへ

2021年4月より、学部長を拝命しました。在学生ならびにコミュニティ人間科学部に関心を寄せるみなさまへのメッセージとして、この学部の成り立ちに関するエピソードを記します。

ご存知の方も多いと思われますが、この学部は、2019年4月に発足いたしました。しかし、設立の検討は、それより3年遡る2016年から、本格的に始まりました。検討の過程では、様々な課題が待ち受けていましたが、その中でも印象深いのは、学部名に関する議論でした。

まず、学部設置の検討の早い時期から、「地域」という言葉が登場していました。地域社会における様々な活動に関する学習を行うための学部を構想していたからです。しかし、意見交換を重ねる中で、「地方」と置き換えられてしまうのではないかとの懸念が高まり、「コミュニティ」を用いることになりました。青山学院大学として、初めてカタカナ表記を学部名に用いたことから、けっこう大胆な決定をしたことになりましょう。

次に、この学部においては、コミュニティそのものよりも、コミュニティに暮らす人々の行動に焦点を合わせて、カリキュラムを構成しました。学部名称にある「人間」は、まさしく、そうした意味合いです。

最後に、学部名の中に「科学」を含めたことは、学部設立に携わった者の強い思いが込められています。学習あるいは研究の在り方として、科学的であることを目指しているのです。このことを知っていただきたいので、少しだけ、問いかけをすることをお許しください。

仮に、「子どものころに本をたくさん読むと、心豊かな人になれる。」という「意見」を聞いたら、どのようにお思いになるでしょうか。すぐさま肯定する方もいるでしょうし、反対に首を傾げる方もいるのではないでしょうか。簡単に結論を出せず、いろいろな疑問が湧いてくるかも知れません。

例えば、「心豊かな人とは、どのような人のことなのか?」「たくさんとは、何冊くらいを言うのか?」「どんな内容の本でも読めばよいのか?」「子どものころとは、何歳くらいまでを指すのか?」「読書以外の要因が、心豊かな人になることに働いていないのか?」など…。

コミュニティ人間科学部における学習では、こうした疑問を抱くこと、すなわち、「問い」を設定できることを重視しています。また、こうした疑問や「問い」に対する答えを、合理的かつ客観的な根拠、つまり、エビデンスに基づいて見出すことを大切にしています。それゆえ、エビデンスを探るために必要な調査手法を扱う授業科目を、必修にしています。その上で、得られた成果を的確に、効果的に他者に伝達し、新たな知見に基づく活動をさらに展開できるように、多様な講義科目と全学年にわたる演習科目からなるカリキュラムを用意しています。

こうした学習こそ、「科学」という言葉に込めて、この学部が目指していることにほかなりません。コミュニティ人間科学部のキャッチフレーズは、「地域を活かし、地域で活きる、実践知」です。しかし、これとは別に、少々固い言い回しですが、「合理的かつ客観的な根拠に基づいて、地域で行動できる人を育てる」も、この学部の目標となります。


コミュニティ人間科学部に導かれた在校生のみなさんが、そして、この後入学されるすべての方が、この目標に向けて充実した学生生活を過ごせるよう、教職員一同、力を注ぎます。また、この学部が発展し、日本あるいは世界各地のコミュニティにおいて持続的に活躍できる人材が巣立てるよう、関心を寄せるみなさまからのご支援をさらに賜りたく、心から、お願い申し上げます。

小田 光宏 学部長

ABOUT US コミュニティ人間科学部について

2019年4月、相模原キャンパスに、コミュニティ人間科学部が開設されました。青山学院大学11番目の学部です。この学部は、青山学院のスクールモットー「地の塩、世の光」を体現して、地域貢献・社会貢献を強く意識した学部です。定員は240人です。
その学生を、「地域活動を推進できる人」「地域を活性化できる人」「地域文化を継承できる人」「学び続けることができる人」になるよう支援しようとしています。地域社会を、自律的な行動ができる人びとによって構成される「コミュニティ」にしていくこと、そのために人びとを支援すること、学生自身がそのような人間になっていくことをめざしています。

コミュニティ人間科学部でめざしている人間は、行動をするだけの人間なのではなく、知識や思考に裏打ちされた行動をする人間なのです。全国的に、今、大学では、学習と地域貢献をつなげるという意味のサービスラーニングが注目されたり、主体的能動的な学びという意味でのアクティブラーニングの手法を援用した教育が強調されています。また、教員に個別に相談できるオフィスアワーの設置なども注目・推奨されています。コミュニティ人間科学部では、これらのことは、特別なものではなく、その発想が日常的にさまざまな科目の中に取り入れられています。

教育研究上の目的

青山学院大学コミュニティ人間科学部の教育研究上の目的をご紹介いたします。

コミュニティ人間科学部の教育研究上の目的は、キリスト教信仰に基づく青山学院の精神を基礎にした幅広い教養を兼ね備えた、コミュニティ形成の中核として活躍する人間を育成することである。
地域社会理解に関する方法・地域に住み活動する人間の行動についての理解に関する方法の修得を基礎にし、地域社会の諸問題解決に積極的に関わるための知識や他者との共生的感覚を養い、自律的な行動の基盤となる専門的知識や技術を持つ人間、専門的職業人としてあるいは地域社会の構成者として、スクール・モットー「地の塩、世の光」を常に意識した能動的な人間として社会に貢献する存在を目指した教育を行う。