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FACULTY MEMBERS AND SEMINARS 教員・ゼミナール紹介
教育人間科学部 心理学科ではどのような学びが待っているのでしょう。心理学科の教員の紹介と、その授業内容をお伝えします。
心理学科所属
入不二 基義 (イリフジ モトヨシ)
担当科目:
心をめぐる諸問題、哲学的認識論I・II、哲学文献購読演習I・II、卒業論文I・II
専門分野および関連分野:
哲学(特に英米系の現代哲学)、倫理学、論理学
ゼミナール紹介:
哲学的認識論や哲学文献講読演習の中で学んでもらった「哲学する」態度を、自分の問題へと適用してもらうのが、ゼミになります。哲学的(だと思われる)問題は、ひとから与えられるものではありません。あらかじめ自分の中に問題を持っている者だけが、それに形を与えることができます。
どのような形式になるかは、やってみないと分かりませんが、哲学の文献をいっしょに読み、いっしょに考え、議論するという点は、不変だと思います。
Message:
哲学では、「ある」と認識することと「ある」こと自体の違いを考えたり、「現実に」あることと「可能性として」あることの関係について考えたりします。ふだんは使わない頭脳の「深層筋」を鍛えることになって、当たり前の裏側にまで回り込んで考える練習をするので、頭が強くなります。
上田 琢哉 (ウエダ タクヤ)
担当科目:
心をめぐる諸問題、臨床心理学概論I・II、公認心理師の職責、心理実習事前指導、心理実習、特別研究演習I・II、卒業論文I・II、心理演習D
専門分野および関連分野:
臨床心理学、心理療法、教育相談
ゼミナール紹介:
当ゼミでは、各自が心理学的な関心から研究テーマを設定し、それについて調査や実験を行い、その結果に基づいて研究論文を執筆するまでを行います。ゼミに所属する全員で議論し、協力しながら、研究を進めていくことを大事にしています。私自身は教育領域における臨床心理学的諸問題に関心がありますが、皆さんの研究については、自ら関心のある事象について心理学的観点から研究できるテーマであれば、できるだけ幅広く受け入れ、サポートしたいと考えています。
研究とは、与えられた問いに答えていくような学びではありません。皆さん自身が問いを立て、自らそれを解いていくのです。自ら問いを立て、調べ、得られた発見を他者に説得的に提示することは、その後の皆さんの人生にとってかけがえのない財産になると思っています。
Message:
臨床心理学は、人と人が関わるときにどのようなことが起こるかということを研究している学問です。ただし、「私」や「あなた」という個別を大事にするので、一般化が難しいところがあります。それでも、臨床心理学的な世界のとらえ方は、ときに私たちが「生きる」ということを助けてくれる力をもつものです。是非一緒に学問をしましょう。
沖潮 満里子(オキシオ マリコ)
担当科目:
心をめぐる諸問題、心理学的支援法A、心理面接法A・B、心理演習B、心理実習事前指導、心理実習、特別研究演習I・II、卒業論文I・II
専門分野および関連分野:
臨床心理学、ナラティブ心理学、質的研究法
ゼミナール紹介:
各自が心理学的な観点からテーマを決め、実証研究を行い、研究論文を執筆します。本ゼミでは、①臨床、②発達、③障害、④家族、⑤自己、の5つの領域に関連のある研究テーマを設定します。量的研究の方法(質問紙調査など)のみならず、質的研究の方法(インタビュー、観察など)も実施が可能です。量的であれ、質的であれ、心理学的な調査(実証研究)を実施します。研究は産みの苦しみを伴うものですが、自分の関心のあるテーマにじっくりと向き合う、楽しくも貴重な機会となります。ゼミ内での対話やディスカッションを大切にしながら、それぞれの研究を深めていきます。
Message:
心理臨床の場では、よく自己の経験や感情が語られます。その語りを援助者と共に見つめ直し、対話を重ねることが、生きづらさや悩みを解消する手立てになっていきます。普段何気なくしている、語るという行為にもさまざまな意味が含まれています。そうした語りあるいは対話について、検討していきましょう。
荻原 祐二(オギハラ ユウジ)
担当科目:
心理統計基礎、心をめぐる諸問題、心理学統計法Ⅱ、社会心理学A(社会・集団・家族心理学A)、社会心理学特講A、特別研究演習I・II、卒業論文I・II
専門分野および関連分野:
社会心理学、文化心理学、社会・文化変容
ゼミナール紹介:
ゼミ生は、1年間を通して、先行研究について調査・整理し、研究計画を立て、データを収集・分析し、得られた結果について考察し、論文としてまとめる、といった一連の研究過程を自ら行います。教員は、ゼミ生が自分自身の研究を進めていくことをサポートします。
研究テーマは、1. 社会・文化の変容、2. 変容する社会・文化における心理・行動、3. 精神的健康、4. 名前、を中心に幅広いトピックから、ゼミ生の興味・関心に応じて決定してもらいます。
自分の研究を進めることは、時につらく苦しいこともありますが、とても楽しくやりがいのあるものです。そのことを実感してもらいながら、その経験をもとに得られた知識や技術、考え方などを、今後の生活や人生に活かしてもらいたいと考えています。
Message:
私たちは、社会や文化から影響を受け、同時に社会や文化を構成しながら生きています。社会心理学は、こうした現象を客観的に記述して可視化し、その相互構成過程のメカニズムを実証的に解明します。社会心理学を学び、研究を進めることで、人間や社会・文化に対する深い理解を獲得しながら、論理的・科学的に物事を考えることを可能にし、日々の生活に役立てることができます。
小俣 和義 (オマタ カズヨシ)
担当科目:
心をめぐる諸問題、臨床心理学特講B、家族心理学(社会・集団・家族心理学B)、心理実習、特別研究演習I・II、卒業論文I・II、心理的アセスメントA、心理学的支援法B
専門分野および関連分野:
臨床心理学、心理査定学
ゼミナール紹介:
本ゼミでは臨床心理学をはじめとする心理学関連のテーマを受講自身が設定し、1年をかけて研究論文を仕上げます。ゼミの中では、研究内容について各自がプレゼンテーションをし、それをもとに受講生同士が討論し、アイデアを膨らませ、知見を深めてくというスタイルをとっています。教員は、研究方法やすすめ方などについて必要に応じて助言、指導を行って、研究活動をサポートしていきます。また、参考文献や臨床実践にまつわる話などもゼミの中で適宜紹介していきます。
ゼミの中で研究に主体的に取り組みながら仲間とのつながりを深めることは、心理学の知識や素養が深められると同時に、視野がひろがり柔軟なものの考え方が身に付くので、今後の人生にとても役立ちます。
Message:
臨床心理学では、こころの問題を抱えている人、悩んでいる人に寄り添い、援助をしていくための専門技法を学びます。心理面接や心理検査を通して、目の前の人をより良い方向に導いていきます。また、被災された方たちの支援活動にも携わります。授業を通して、視野をひろげ、仲間とのつながりの大切さを感じていきましょう。
坂上 裕子 (サカガミ ヒロコ)
担当科目:
心理学基礎演習、心をめぐる諸問題、発達心理学I・II、心理実習、特別研究演習I・II、卒業論文I・II
専門分野および関連分野:
生涯発達心理学、臨床発達心理学
ゼミナール紹介:
生涯発達心理学の立場から、個人や関係性(親子、仲間、恋人、夫婦、家族等)の発達に関する問題を中心に、1年をかけて研究を進めていきます。「育つ」「育てられる」「育てる」「育ち合う」等々、各自が自身の「育ち」の中で経験してきたことをもとに研究テーマを設定し、先行研究の整理、研究計画の作成、データの収集と分析、考察に至る一連のプロセスを学んでいきます。卒業研究に取り組むにあたっては、子育てや保育、他世代交流などの現場に積極的に足を運んでみてほしいと思います。
教員の役割は、各自が知りたいと思ったことをどうすれば形にすることができるのかをサポートすることだと心得ています。ゼミでは、各学生の積極的な参加と活発な議論による、学生同士の「育ち合い」を期待しています。
Message:
私たちの物事の感じ方、考え方、振る舞い方は、誕生から死に至るまで、生涯を通じて変化、発達していきます。そのプロセスは、ひとりひとりユニークなものですが、そこには多くの人に共通してみられる変化もあります。このような発達のプロセスを学ぶことは、あなたがこれまでの歩みを振り返り、これから先の歩みを考えていく上で、きっと役に立つはずです。
繁桝 江里 (シゲマス エリ)
担当科目:
心をめぐる諸問題、心理学研究法、社会心理学概論、社会心理学B(応用社会心理学)、心理実習、心理学応用演習、特別研究演習I・II、卒業論文I・II
専門分野および関連分野:
社会心理学、対人コミュニケーション、産業組織心理学、比較文化心理学
ゼミナール紹介:
どのような対人コミュニケーションがどのような効果をもたらすのかを社会心理学的に研究します。 周りの人とのコミュニケーションの効果について、①対人関係、②職場・組織行動、③広告心理・消費者行動、④比較文化・異文化適応という4つの領域から、各ゼミ生の興味に従いテーマを選択します。 ゼミは自分なりの問を持つことから始まり、その答えを探すため、先行研究の理解→予備研究による問題把握→本研究による実証 、という流れで研究を行います。
グループディスカッションを重ね、協力して研究を実施することによって、ゼミ自体が対人コミュニケーションによる相乗効果を狙っています。
Message:
社会心理学は、人の態度や行動が周りの人や社会にどのように影響されるかを解明します。コミュニケーションについて学ぶと、その複雑さの仕組みが見えてきます。なぜあの人はあんな行動をするのか、なぜこのグループはうまく行かないのか、という疑問に答えられるようになるはずです。
松田 いづみ (マツダ イズミ)
担当科目:
心をめぐる諸問題、心理学統計法I、認知心理学特講A、心理学実験、心理実習、特別研究演習I・II、卒業論文I・II
専門分野および関連分野:
心理生理学、認知神経科学、犯罪心理学、統計学
ゼミナール紹介:
認知・感情・動機づけについて、実験心理学的な研究を行います。生体信号の計測を中心に、反応時間などの行動指標や質問紙も駆使して、人の心にせまります。
研究テーマは、各自の関心にもとづいて決めてもらいます。自分がなにを知りたいのかを明確にしたうえで、研究計画を立て、データを収集し、統計処理を行い、結果を考察します。教員はそれぞれのプロセスにおいて、自らの研究経験をふまえて助言・指導します。
「今までだれも知らなかったことを科学的に明らかにして人に伝える」という研究の営みは、非常に楽しく魅惑的です。この楽しさを、ゼミをとおして共有していければと思います。
Message:
人の心を知りたいときは、ふつう、言葉や行動に注目します。でも、脳や身体の変化を測ることではじめて見えてくる心の側面もあります。心拍や呼吸、脳波を測定することは、基礎的な研究だけでなく、犯罪捜査や感性評価にも応用されています。脳や身体を含めて、総合的に人間の心を理解していきましょう。
森脇 愛子 (モリワキ アイコ)
担当科目:
心をめぐる諸問題、心理学研究法、障害者・障害児心理学、心理実習事前指導、心理実習、特別研究演習I・II、卒業論文I・II
専門分野および関連分野:
臨床発達心理学、障害児・障害者の心理学、多職種連携
ゼミナール紹介:
臨床発達心理学の視点をもって、さまざまな障害のある子ども・学生・成人やその周囲の人たちの発達や支援について研究しています。「臨床」「発達」あるいは「多様性」という観点が大切にされていれば、皆さんの関心をもとに研究テーマを設定することができます。1年間じっくりと研究テーマに向き合うことができるようサポートします。
ゼミの中でも、各々のバックグラウンド、学び方やペース、参加のしかたは多様ですし、尊重されます。そうして、その多様な私たちがどう相互作用し、どのように共に関わりあってゆくのかを体感し、試行錯誤しながら、臨床的な態度を学ぶ機会になればと思っています。
Message:
多様な学び方・働き方ができ、そして大切な人と関わりながら生きていくことは、子どもと大人、障害の有無にかかわらず実現されるべきことです。その人らしいスタイルが尊重され、活かされ、認められる環境や社会にしていくためには何が必要なのでしょう。心理学的な視点や手法を用いて解明します。
薬師神 玲子 (ヤクシジン レイコ)
担当科目:
心をめぐる諸問題、心理学実験、心理学実験プログラミング、認知心理学A(知覚・認知心理学)、認知心理学B(学習・言語心理学)、特別研究演習I・II、卒業論文I・II
専門分野および関連分野:
実験心理学、認知心理学、認知科学
ゼミナール紹介:
知覚、認知に関連する領域の基本的な研究手法を学びながら、各自の興味に従って設定した研究テーマについて、研究の計画立案と実施、報告書の作成を行います。原則として、卒業研究I の前半は、過去の研究論文やテキストを用いた研究手法の学習に重点を置き、輪読や発表、討論形式で授業を進めます。卒業研究I の後半および卒業研究II は、個別のテーマに沿った研究の計画・実施が中心となり、個別指導と全員参加の討論を平行して行います。
Message:
認知心理学は、人間の知覚や認識の仕組みを明らかにしようとする心理学の一分野です。普段、私たちが何気なく「見たり」「考えたり」しているとき、実は、脳ではとても複雑な作業が行われています。その仕組みを知ると、例えば自分と他の人の考え方の共通点や相違点について、これまでと違う見方ができるかもしれません。
長 大介(チヨウ ダイスケ)
担当科目:
心をめぐる諸問題、心理学研究法、心理学実験、
専門分野および関連分野:
認知心理学、認知科学、老年学
Message:
認知心理学では、人が「考える」ときに頭の中でいったい何が起きているかを明らかにしてきました。たとえ、「考える」は見えなくても科学的な方法や論理的な説明によって、「考える」が明らかにされてきました。「考える」時に頭の中で起こっていることやその仕組みを知ることで、もっと上手に「考える」ことができるようになります。
横山 舜(ヨコヤマ シユン)
担当科目:
心をめぐる諸問題、心理学基礎演習、心理実習事前指導、
専門分野および関連分野:
臨床心理学、臨床動作法、心理検査
Message:
心理学も心理臨床も、個人の主観を大切にすることが特徴の一つです。そのため、これらに取り組んでいくには、他の人の主観も自分の主観も大事にしていくことが求められます。研究や学習、演習や実習を通してこうした姿勢を獲得することは、あなたが社会の中で個人として歩んでいく上で、きっと支えてくれるものになると思います。
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