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FEATURES 学科概要
フランスの文化は、中世以来、ヨーロッパ文明の中心を成し、とくにその文学は、優雅と機知、真摯な追究と寛容な理解がみごとに調和する人間探究の文学として、ヨーロッパ文学をつねにリードし続け、日本の近代文学にも大きな影響を及ぼしました。その文化と文学を担うフランス語は、美しくもまた理性的な、すぐれて人間的な言語として知られ、長い間、ヨーロッパ世界の共通語でした。
世界第一の国際語の地位は英語に譲りましたが、今日でも英語に次ぐ国際語としての地位を保っています。
1962 年の創設以来、フランス文学科は、文学を中心に広くフランス文化全般に触れることによって、先入観にとらわれない柔軟で人間性あふれる思考力と感性を磨く場だろうと願ってきました。価値観の多様化が進む現代において、均衡のとれた的確な判断力と行動力をそなえた人間を形成するうえで、この理念はますます価値を高めています。
とくにフランス語については、文章を読む能力はもちろんのこと、実際のコミュニケーションに必要な、聞き、話し、読み、書く能力の発達を重視すると共に、国際化の進む日本の社会において、ひいては国際社会の中で存分に能力を発揮して活躍できる人材の育成を目ざしており、現に多くの有能な人材を送り出しています。
五感で学ぶフランス文化の奥深い世界。
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フランス語マスターへの第一歩は徹底的な語学訓練から
音楽やファッション、料理など、私たちの生活のいたるところにフランス文化は浸透しています。しかし、実際に語学として学んだ人は意外と少ないのではないでしょうか。実はフランス文学科に入学する学生のほとんども、フランス語の初心者ばかりなのです。
哲学や思想なども文学作品として扱われるフランス文学では、とにかくフランス語の読み書きができなければ、奥深い研究へとは進めません。そこで本学科のカリキュラムでは、1・2年生のうちに徹底して語学の基礎を習得することを目標にしています。文法から始まり、精読・速読、そしてネイティブ教員による会話、エクスプレシオン・エクリット I まで、ありとあらゆる必修科目が用意されていますので、頭と体を使ってフランス語を集中的に学べます。 -
柔軟な思考力と感性を磨く
専門分野の授業では、1年次からフランスの文化と社会に関する講義が開かれており、2年次からは「基礎演習Ⅰ・Ⅱ」と「特講」を選択することができます。
文学、語学、文化の三つの分野に分かれた「基礎演習Ⅰ・Ⅱ」では、発表形式の授業を通じて自分の興味や関心を深めつつ、学術的分析の方法を学ぶことができます。
3年次からの「演習Ⅰ・Ⅱ」では、文学(思想)、語学、文化などの分野において探求する能力をさらに高め、実社会でも役立つプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を培います。また、各分野の専門家が分かりやすい言葉で研究対象について講じる「特講」では、最先端の研究成果に触れることで、専門知識をさらに深く学ぶことができます。フランス文学科ではこのような授業を通して、先入観にとらわれない柔軟で人間性あふれる思考力と感性を磨くことを目指します。 -
生きたフランス語を学べる海外留学
本学のフランス文学科は留学制度にも特色があります。青山学院大学は、語学教育に定評のあるフランシュ・コンテ大学(ブザンソン)と大学間協定を締結して、交換留学制度を行っています。毎年10名前後の選抜された学生が、フランシュ・コンテ大学の応用言語学センター(CLA)に派遣され、現地のハイレベルな語学教育を受けています。また、日常生活をサポートする学生援助組織(CROUS)や、現地で取得した単位を本学の卒業単位として認定する制度も整備されていますので、安心して留学生活を楽しめます。更に、パリ第3大学、スイス・ジュネーブ大学との間にも協定交換留学の制度があります。
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生活の中からフランス文化を味わう
勉強のことばかり紹介しましたが、フランス語を学ぶのは教室だけとは限りません。教授や学生仲間とフランス料理を味わい、フランス映画を鑑賞するなど、身近なフランス文化にじかに触れることも、大切な学びとなるのです。本学科で、五感をすべて使って、フランス文化を修得してください。
EDUCATION 専門教育
教育の特色
- 全国でも有数の充実度を誇る専任教員スタッフ
- 少人数制を採用した内容の濃い授業
- 1・2年次に徹底的にフランス語を学ぶハードなカリキュラム
- 2年次から始まる多様なメニューの演習・特講
- 緊張感と活気あふれる講義
- 語学教育で名高いフランシュ・コンテ大学応用言語学センターへの留学制度
- 実用フランス語技能検定試験の確かな実績
フランス文学
フランス文学はフランス文化の結晶であり、今日に至るフランスの社会・文化の精神的支柱をなしています。フランス文学はケルトやギリシア・ローマの文化、キリスト教中世など、過去の多様な遺産を継承しつつ、それらを独自の形に変貌させながら発展を遂げてきました。過去と現在が向き合い、伝統と前衛がせめぎあう文学、それがフランス文学と言ってよいかもしれません。
「フランス文学は人間学の教程である」とは碩学クルティウスの言葉ですが、フランス文学の根底には常に人間探求の精神があります。小説や詩、演劇など、どの分野の作品でも、一貫して人間のあり方が問われています。文学において、人間とは何かという問いは、同時に語ること、書くこととは何かという問いでもあるでしょう。フランス文学がわれわれを魅了してやまない理由は、この尽きることのない問いにあります。
フランス語学
まず「語学」という言い方について、誤解のないようにしておかなければなりません。「語学を身につけておけば将来役に立つかもしれない」とか、「語学が得意(苦手)だ」といった言い方がよくなされますが、その場合の「語学」とフランス語学の「語学」とは同じ内容を表してはいないということです。
フランス語学はフランス語を対象に専門的な研究をする学問で、語学一般を研究する言語学(一般言語学とも言う)の一部をなしており、その点をはっきりさせるために「フランス言語学」と呼ばれることもあります。一般言語学とフランス語学あるいはフランス言語学の間の関係は、互いの成果をやり取りする相互補完的なものであります。フランス語学で得られた成果は一般言語学の中にデータの一つとして取り込まれ、他の言語の研究から得られたデータと照らし合わされ、より一般的な言語記述に役立てられます。また、一般言語学で得られた成果はフランス語学で利用されることになります。
フランス文化
フランス文化は、一貫して人間の自由とその表現を重視するものであったし、現代においてもそうであります。フランスの文化は多様な姿をとって現れます。衣食住の生活文化から都市開発・文化政策に至るまでのフランス文化固有の厚みは、まさにグローバリゼーションが進む現在の世界にあって、きわめて興味深い事例となっています。
フランスの文化・社会を学び、それを日本の文化・社会と〈対話〉させることは、これからの世界を考えるためのきわめて有効な方法です。
〈異なるもの〉への好奇心から出発して人間の多様な価値を認め、相互に理解する柔軟な精神を養うことは、どのような分野に進むにせよ、必然的に国際的な舞台で活躍しなければならないこれからの若者にとって、大きな力となるはずです。