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20世紀日本におけるゲーム言説の変遷

第1回 2021/9/25(土)
総合文化政策学部総合文化政策学科 教授
竹内 孝宏[TAKEUCHI Takahiro]

社会にゲームが満ち溢れているというとき、なにもそれは、実際にプレーされるゲームの物量とか、あるいはゲームをするプレーヤーの人数だけが問題なのではありません。ゲームというものをめぐって生み出される言葉の増殖もまた、重要な要因のひとつです。そうした言葉の総体を、ここでは「ゲーム言説」とよんでおくことにします。
 「ゲーム言説」分析は、あらゆる時代のあらゆる文化においてなされる価値のある作業ですが、ここでは導入として20世紀の日本を対象にしてみましょう。また、「ゲームとはなにか」といった定義についてはいったん脇に置いておき、ゲームという言葉が具体的に使用される歴史的社会的文脈に注意したいと思います。それは、「ゲーム」という外国語をつうじて国内の文化的実践を語るときに否応なく生じる「ゆらぎ」――講座の説明文にある「善悪の彼岸」という言葉はことあたりとも関連しています――を観察することにもつながるはずです。
 ひとつ前の歴史を俯瞰するそうした作業をつうじて、しかし目標は、われわれがいま生きている21世紀の現状をより精緻に把握することに設定したいと思います。たとえばスポーツ誌である『Number』が将棋というゲームを2度にわたって特集するという事態をどう理解するべきか、といったようなことです。

プロフィール

青山学院大学総合文化政策学部総合文化政策学科
竹内 孝宏 [TAKEUCHI Takahiro]

青山学院大学総合文化政策学部教授。青山学院大学総合プロジェクト研究所「知財と社会問題研究所」所長。東京大学大学院総合文化研究科表象文化論専攻博士課程単位取得退学。東京大学教養学部教養教育開発機構特任講師等を経て、2008年に准教授として本学に着任。専門分野は表象文化論。共著に『表象のディスクール』、訳書に『パニック都市』など。