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性的マイノリティ(LGBT)と人権 ―誰ひとり取り残さない人権保障のあり方を考える

性的マイノリティ(LGBT)と人権 ―誰ひとり取り残さない人権保障のあり方を考える

第2回 2021/11/13(土)
法学部法学科 教授
谷口 洋幸 [TANIGUCHI Hiroyuki]
2015年に渋谷区と世田谷区が同性カップルを結婚相当の関係とみとめるパートナーシップ認証制度を導入して以来、性的マイノリティ(LGBT)の人権保障のための取り組みが活発しています。企業には性的指向や性自認を理由とするハラスメントへの対策が義務づけられ、教育現場では多様な性のあり方に配慮した取り組みも進められてきました。性的マイノリティへの差別的な処遇を争う裁判も増えてきます。一方、法律上の性別記載を変更するためには厳しい条件が課せられ、国レベルでの同性カップルへの法的保障や性的指向・性自認にもとづく差別の撤廃にむけた法整備は十分とはいえません。性的マイノリティを揶揄する言動は、公的な立場にある人々からソーシャルメディアにいたるまであとをたたず、すべての人が性的指向や性自認にかかわらず平穏に暮らせてはいない状況です。
 2015年から2030年までの国際社会の目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」。このSDGsの根本理念は「誰ひとり取り残さない」であり、これには当然のことながら、性的マイノリティ(LGBT)にカテゴイズされる人々も含まれます。特に2011年以降に活発化してきた国連における性的指向や性自認に関する暴力や差別の撤廃に向けた取り組みは、SDGsとの関わりでも重要です。性的マイノリティ(LGBT)の人権保障への取り組みはどのような変遷をたどって今日の状況へと至ったのか、現在どのような課題に取り組み、どのような問題をかかえているのか、これからどこへ向かうのか。この講義では、日本の現状と課題も踏まえながら、性的マイノリティ(LGBT)を含むすべての人の人権保障のあり方について考えます。

プロフィール

青山学院大学法学部法学科 教授
谷口 洋幸 [TANIGUCHI Hiroyuki]

■プロフィール:青山学院大学法学部教授、博士(法学)。中央大学大学院博士課程修了後、日本学術振興会特別研究員PD(学習院大学)、早稲田大学比較法研究所助手、高岡法科大学法学部准教授、金沢大学国際基幹教育院准教授を経て、2021年4月より現職。日本学術会議連携会員。専門は国際人権法・ジェンダー法。ジェンダー/セクシュアリティにかかわる人権保障について国際法・比較法の視点から研究。国際人権法学会、ジェンダー法学会、GID(性同一性障害)学会などで理事を務める。主著に『LGBTをめぐる法と社会』(日本加除出版・2019、編著)、『セクシュアリティと法』(法律文化社・2017、編著)、『性的マイノリティ判例解説』(信山社・2011、編著)、『性同一性障害:ジェンダー・医療・特例法』(御茶の水書房・2008、共著)など。