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台湾の対外関係 - 中国と米国

東京大学東洋文化研究所教授<br>松田 康博[Yasuhiro Matsuda]

東京大学東洋文化研究所教授
松田 康博[Yasuhiro Matsuda]

台湾の対外関係 - 中国と米国

第2回 2018/12/17(土)

 台湾は、日本やアメリカを含めて、世界のほとんどの国と外交関係がありません。ところが、外交関係がなくても、主要な国とはビザ免除の協定があり、貿易や人的交流も頻繁に行われています。こうした不思議な関係は、国共内戦に端を発する中国大陸と台湾の対立関係によって規定されています。
 中国は、台湾を自国の一部分であると主張し、国家の統一を国是としています。その目標を達成するために、一方で台湾の人々を懐柔しつつ、他方で台湾の政府当局を外交的、軍事的に追い詰める圧力を掛けています。台湾は、生存のために、この中国との対立や競争に負けられない常態にあるのです。
 他方、アメリカは外交関係がないにも関わらず、「台湾関係法」に基づき、台湾に武器を売却し、その安全保障にコミットしています。また日米安保体制が、台湾の安全を守るための具体的なアレンジメントになっています。つまり、日本も日米安保の枠組みの下で、台湾海峡の現状を維持する上で、無視できない重要な役割を担っているのです。
 講義では、台湾をめぐるこうした不思議な国際関係の謎解きをします。昨今の米中対立が台湾問題にどのような影響を与えているのかについても展望する予定です。

プロフィール

慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。博士(法学)。防衛庁(省)防衛研究所主任研究官を経て、現在、東京大学東洋文化研究所教授。専門分野はアジア政治外交史。
主な著書。松田康博『台湾における一党独裁体制の成立』(慶應義塾大学出版会、2006年)、松田康博・清水麗編著『現代台湾の政治経済と中台関係』(晃洋書房、2018年)等。