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プログラムされた体作りと再生

青山学院大学<br>理工学部化学・生命科学科 助教<br>鹿島 誠 [KASHIMA Makoto]

青山学院大学
理工学部化学・生命科学科 助教
鹿島 誠 [KASHIMA Makoto]

プログラムされた体作りと再生

第2回 2022/7/9(土)

青山学院大学 理工学部化学・生命科学科 助教
鹿島 誠  [KASHIMA Makoto]

 ヒトをはじめとする動物の体は、様々な種類の多数の細胞が協調することで、維持されている。例えば、ヒトの体は数百種類の計数十兆個もの細胞から構成されているが、その始まりはわずか一個の受精卵である。多くの多細胞生物では、受精卵を起点として細胞が適切なタイミング・場所で分裂と分化を行うことで体が作られていく。本講義では、第一部「発生現象を支えるメカニズム」、第二部「発生プログラムの再活性化(再生)」、第三部「発生生物学と再生医療」を紹介する。
【第一部】個体を形成するすべての細胞は同じゲノム(遺伝子)を持っているにもかかわらず、体を構成する細胞は多種多様である。緻密かつダイナミックな体作りはどのようにして制御されているのであろうか?第一部では、どのようなメカニズムによって、受精卵という一種類の細胞から様々な種類の細胞が生じるのかを、遺伝子発現制御と細胞間コミュニケーションの仕組みから解説していく。その後、単一細胞から個体が形成されていく過程を、神経系を中心に解説し、体を作る細胞の社会のダイナミクスを解説していく。
【第二部】再生とは、欠損あるいは損傷した組織を回復するために発生プログラムを再活性化される現象である。イモリは腕や脳の一部を欠損しても再生することができる。プラナリアに至っては、小さな体の断片からでも目や脳といった器官を再生することができる。第二部では、再生能力が高い生物の研究から見えてきた発生と再生の関係性について解説していく。
【第三部】ヒトは失った器官を再生することはできるのか?一昔前までは、この超人的な能力はフィクサーの中だけで実現されるものだと考えられていた。しかし、iPS細胞の開発を始めとする生物学の劇的な進歩によって、機能不全に陥った臓器の再生や失った器官の再生への道筋が見えてきつつある。第三部では、再生医療の現状と課題について紹介する。

プロフィール

青山学院大学 理工学部化学・生命科学科 助教  鹿島 誠 [KASHIMA Makoto]

京都大学修士課程修了。京都大学博士課程修了。日本学術振興会特別研究員(DC1)。龍谷大学食と農の総合研究所研究員を経て、現在、青山学院大学理工学部助教。専門分野は発生生物学とバイオインフォマティクス。所属学会は日本発生生物学会、日本分子生物学会。