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人工知能は、人類駆逐の夢を見るか?

青山学院大学<br>理工学部機械創造工学科 教授<br>  横田 和彦[YOKOTA Kazuhiko]

青山学院大学
理工学部機械創造工学科 教授
 横田 和彦[YOKOTA Kazuhiko]

人工知能は、人類駆逐の夢を見るか?

第3回 2022/7/16(土)

青山学院大学 理工学部機械創造工学科 教授
横田 和彦[YOKOTA Kazuhiko]

 現在「人工知能(以下、AI)」と言う時には、「知能(知識・思考・認識・判断・理性など)」のみをイメージしていることが多いと思います。しかし、人類は元々、「人工知能」を「自動人形」と一体のものとして扱って来ました。換言すれば、「人間そのものを作り出すこと」を考えて来たと言っても良いでしょう。その結果として誕生したのが,いわゆる「ロボット」です。
 よって、A Iは、知能的側面だけでなく、(感情・個性などの)心理的・精神的視点や、更には、哲学的・倫理的にも論じられて来ました。また「脳」を考えた場合、「脳髄」と言うハードウェア視点や、「知性」を作り出すソフトウェアと言う視点もあります。さらには、応用についての知識も、A I理解の助けになります。
 そこで、本講義では、以下の様に、自動人形、心理・精神、哲学・倫理、ハード・ソフト、応用など、A Iが関連する事柄について多角的にお話しします。
①自動人形:いわゆる「ロボット」のお話です。シュメール神話のエンキドゥから、メアリー・シェリーのフランケンシュタイン、チャペックのロボット,スターウォーズのドロイドまで、自動人形の歴史を紹介します。ヒューマノイド、バイオノイドなどの類義語についても言及します。
②ハード:A Iを動かすハードウェアのお話しです。シュメール文明のアバカスから、最新のコンピューターのCPUなどについて紹介します。
③ソフト:コンピューター言語である二進論理の元となった二進法から、不完全性定理、ニューラルネットワークなどについて紹介します。
④哲学・倫理:「ロボット三原則」「フレーム問題(我々はどの様に世界を捉えているか?)」「トロッコ問題(命の価値は?)」などについて紹介します。
⑤応用的側面:「トイ・プロブレム(ゲームなどの規則を持った問題)」「自動運転車」などについて紹介します。
⑥現在から将来:「シンギュラリティー(技術的特異点)」、「ムーアの法則(電子デバイス発展の法則)」「消費エネルギー(電源)」などについて紹介します。また「(映画ターミネーターの)スカイネット」と「核戦争」にも言及します。
 これらを通じて、「人工知能が人類を滅ぼすこと」、あるいは換言すれば、「人工知能は、人類駆逐の夢を見るか?」について、自ら思考して回答する知識力・思考力の養成を目指します。

プロフィール

青山学院大学 理工学部機械創造工学科 教授
横田 和彦[YOKOTA Kazuhiko]


東京大学大学院博士課程修了。大阪大学助手。名古屋工業大学工学部助教授,教授を経て、現在青山学院大学理工学部教授。 専門分野は航空宇宙工学。