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熱物性データに基づいた熱エネルギーの貯蔵・輸送・伝熱

青山学院大学<br>理工学部機械創造工学科教授 <br> 熊野 寛之 [Hiroyuki Kumano]

青山学院大学
理工学部機械創造工学科教授
熊野 寛之 [Hiroyuki Kumano]

熱物性データに基づいた熱エネルギーの貯蔵・輸送・伝熱

第4回 2018/7/21(土)

青山学院大学 理工学部機械創造工学科教授    熊野 寛之

現在、先進国を中心に、多量のエネルギー消費がなされています。その中でも、夏の冷房や冬の暖房などの熱エネルギーとして消費する割合が、増加傾向にあります。その一方、工場などでは多量の廃熱が大気中に放出されています。これらのエネルギーを有効かつ効率的に利用するための手段として、蓄熱技術があります。蓄熱技術とは、蓄熱材料に熱エネルギーを貯蔵し、時間的、空間的な熱エネルギーの供給と需要のアンバランスを解消する技術です。その一例が、蓄熱式空調システムで、夜間に熱エネルギーを貯蔵し、それを昼間に消費するものです。これにより、昼夜間の電力需要の格差を縮めることができ、高効率な発電が可能となるだけでなく、発電所の削減も期待できます。また、工場から放出される廃熱を使って熱エネルギーを貯蔵し、それを家庭での給湯などに利用することも可能となります。

 これらのシステムを構築するためには、熱エネルギーを貯蔵するための蓄熱材料の熱物性値データの蓄積が必要となります。また、この熱物性値を使って、どのようなシステムにすることが最適なのか、その設計指針を提案することも必要となります。

 本講演では、単位体積あたりに多くの熱量の貯蔵が可能となる潜熱蓄熱材料を対象に、空調用途に適した蓄熱材料である、水/氷、水和物などの熱物性値の特性について述べるとともに、これらの材料に流動性などの機能性を持たせることにより、効果的な熱エネルギーの貯蔵、輸送、伝熱の最前線の研究について概説します。

プロフィール

青山学院大学 理工学部機械創造工学科教授
熊野 寛之 [Hiroyuki Kumano]


1994年 東京工業大学工学部機械工学科卒業、2003年 博士(工学)。
東京工業大学工学部機械科学科 助手、信州大学工学部機械システム工学科 准教授、青山学院大学理工学部 准教授を経て、現職。
専門は、熱工学、伝熱工学。特に、エネルギー貯蔵を対象とした固液相変化現象に関する基礎的な検討を行っている。
著書に「例題でわかる工業熱力学」「図解 エネルギー工学」などがある。