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リエゾンセンター 2023年度 活動報告

リエゾンセンター
Aoyama Gakuin University Liaison Center
【センター長】 戸辺 義人 (理工学部 情報テクノロジー学科 教授)

 リエゾンセンターは、統合研究機構の一部として、青山キャンパスと相模原キャンパスの2拠点に設置され、学内外の研究協力を促進する橋渡しの役割を担っています。このセンターの運営を円滑に進めるために、URA(University Research Administrator)が両キャンパスに駐在し、各種プロジェクトの推進に取り組んでいます。ここでは、リエゾンセンターの主な活動についてご紹介します。
 まず、地域との連携に力を入れています。地域との協働の期待は高まっており、とくに相模原キャンパスでは、地元企業のDX (デジタルトランスフォーメーション)支援に注力しています。国際的な競争の中でデジタル化の必要性が高まる中、講習会や技術アドバイスを通じて、地域企業の成長を支援しています。
 次に、教員の研究活動の支援があります。教員が持つ潜在的な能力を引き出し、具体的には、科研費の申請サポート、共同研究の可能性のある企業とのマッチング、CEATECやSEMICON Japanなどの国内外の技術展示会への出展の後押しといったことが挙げられます。
 さらに、「Meet Up」というイベントを通じて、学外の人々との対面での技術交流を行っています。2018年に相模原キャンパスで始まり、それ以来毎年開催し、最近では2023年に青山キャンパスで「Meet Up in AGU 2023 @AOYAMA」として開催いたしました。このイベントでは、研究者が直接来場者と対話し、ポスター形式で研究成果を発表する機会を設けることができました。このイベントを通じて、本学の研究成果をより広く社会に伝え、理解を深める努力を続けています。
 最後に、情報科学から生まれたAI技術は本学の理工学だけでなく、人文科学や社会科学分野にも広がりを見せています。リエゾンセンターはこれらの学問領域において、AI時代にふさわしい社会実装の形態を確立し、研究協力体制の構築に努めてまいります。

産学官連携 研究支援
シーズの用途開発 外部資金獲得支援
研究者が有する技術シーズの用途開発を研究者とともに模索し、企業へ提案する 外部資金獲得により研究の高度化、早期目標達成を支援する
●個々の研究者に対して、研究分野・フェーズに合致した適切な公募情報を提供
●公的機関・財団等の助成金探索、情報提供
●申請書作成支援・ブラッシュアップ支援
●科研費申請にかかる説明会の企画・開催
●各種助成事業に制度変更があった際のポイントを案内
企業ニーズとのマッチング 情報収集・発信支援
企業ニーズと研究者が有するシーズのマッチングの場をプロデュースする
●イノベーション・ジャパンヘの出展
●CEATECへの出展
●Bio-Japanへの出展
●新技術説明会開催
研究関連情報の集約、分析により研究を加速化、成果を発信することによって、その社会還元や共同研究を促す
●国の施策動向、分野動向等の調査分析および情報提供
●研究成果の発信・PR
地域ネットワーク活動推進
地域企業や地域行政との連携窓口として連携推進を行う
●Meet up in AGU開催
●機器分析センター
●神奈川県立産業技術総合研究所
●かながわ産業振興センター
●相模原市産業振興財団
●TAMA協会
●南西フォーラム

産学官連携 研究支援
シーズの用途開発 外部資金獲得支援
研究者が有する技術シーズの用途開発を研究者とともに模索し、企業へ提案する 外部資金獲得により研究の高度化、早期目標達成を支援する
●個々の研究者に対して、研究分野・フェーズに合致した適切な公募情報を提供
●公的機関・財団等の助成金探索、情報提供
●申請書作成支援・ブラッシュアップ支援
●科研費申請にかかる説明会の企画・開催
●各種助成事業に制度変更があった際のポイントを案内
企業ニーズとのマッチング 情報収集・発信支援
企業ニーズと研究者が有するシーズのマッチングの場をプロデュースする
●イノベーション・ジャパンヘの出展
●CEATECへの出展
●Bio-Japanへの出展
●新技術説明会開催
研究関連情報の集約、分析により研究を加速化、成果を発信することによって、その社会還元や共同研究を促す
●国の施策動向、分野動向等の調査分析および情報提供
●研究成果の発信・PR
地域ネットワーク活動推進
地域企業や地域行政との連携窓口として連携推進を行う
●Meet up in AGU開催
●機器分析センター
●神奈川県立産業技術総合研究所
●かながわ産業振興センター
●相模原市産業振興財団
●TAMA協会
●南西フォーラム
株式会社さがみはら産業創造センター(SIC)との連携協定締結

 2023年7月3日(月)に青山学院大学理工学部と株式会社さがみはら産業創造センター(SIC)との間で連携協定を締結しました。
 これまでも、青山学院大学理工学部は「地域産業の振興及び地域社会の発展」に貢献すべく、相模原市と株式会社さがみはら産業創造センター主催のDX化推進フォーラムでの講演等をはじめとした産学官金の連携活動に取り組んできました。地域企業の方々に技術的課題解決に向けた学術・技術指導や相談、共同研究や受託研究を受け入れ、新産業の創出による地域社会の発展に寄与することを目的として、今後も積極的に活動の場を広げていきます。

イノベーションジャパン:熱流体制御研究室“超熱伝導ヒートパイプによるサーマルマネージメント”を出展

 2023年8月24日(木)から25日(金)東京ビッグサイトにて開催されたイノベーションジャパンに、熱流体制御研究室(理工学部 機械創造工学科 麓耕二研究室)が出展しました。会場で実演した『超熱伝導ヒートパイプ』は、世界初かつ世界最高性能の熱輸送デバイスです。従来の放熱部材よりも圧倒的な熱輸送性能を誇り、多岐にわたる熱問題の解決に役立ちます。これにより、従来型ヒートパイプの代替デバイスとしてだけでなく、各種熱制御分野において革新的技術のブレークスルーをもたらします。
 会期中には多数の企業の方々がブースを訪問され、続々と共同研究やコンサルテーション契約を締結し、従前に増して研究開発が加速しています。近い将来、EVバッテリーの急速充電時の発熱抑制や自動運転用ECUの熱暴走防止など、多岐にわたる分野での社会実装が期待されます。

CEATEC2023に出展

2023年10月17日から20日の4日間、幕張メッセにてCEATEC2023が開催され、本学理工学部から5研究室が出展しました。各研究室から最新の研究成果を紹介し、今後の産学官連携活動による先端テクノロジーの発展と社会実装を目指していきます。

1. 電気電子工学科 生体計測・感性工学研究室(野澤昭雄教授)
心臓活動や血行動態等の自律神経系活動を反映する生体情報を計測して、人間の「心と身体の状態」を可視化・モデル化する技術について研究しています。今回は、自律神経系指標として人間の顔面に焦点を当て、赤外光、近赤外光、可視光に亘る多波長画像計測による「顔画像バイタルセンシング」をテーマに展示を行い、顔画像から体調、血圧、ストレス等を推定する技術の社会実装を目指して独自開発した実機プロトタイプも公開しました。
2. 電気電子工学科 システム制御工学研究室(米山淳教授)
制御工学/システム工学/ロボット工学/AI(人工知能)/画像処理・画像認識などに関連する広い研究テーマを扱っています。今回の展示は、高齢者の長期的なQOL (健康の質) 向上のために、機能解剖学や人間工学の観点から日常生活で “本当に使えるモノづくり” を目的とした研究成果である“歩行支援ロボット”や“能動義手” のプロトタイプを公開しました。
3. 機械創造工学科 流体制御研究室(麓耕二教授)
各種発熱体から効果的に熱を移動させて排熱・冷却するデバイスとして自励振動型ヒートパイプ(Pulsating Heat Pipe)に着目しており、中でも作動流体の封入率を低く抑えた世界初の自励振動型ヒートパイプを開発しました。このヒートパイプは、世界最高レベルの熱輸送性能を有しており、早期の実用化が期待されています。今回は「超熱伝導ヒートパイプによるサーマルマネージメント」について展示しました。
4. 情報テクノロジー学科 ウェアラブル環境情報システム研究室(ロペズ・ギヨーム教授)
ウェアラブル技術を活用して、人間の生体情報から心身の活動状態(行動、情動など)を推定し、その活動の改善や、より快適になるためのフィードバックシステムを実現する技術について研究しています。今回は、活動状態センシングと、行動変容フィードバックをテーマに、スポーツの技能向上および、熱中症予防技術のプロトタイプを公開しました。
5. 情報テクノロジー学科 コンピュータヒューマンインタラクション研究室(伊藤雄一教授)
人に対して無意識にその状態や状況を取得し、様々なディスプレイ装置を利用して、人に対して無意識にその行動を変容することを目指す無意識コンピューティングの技術に関する研究を発表しました。具体的には、温度感覚を利用することで飲み心地が変化するタンブラー型デバイス、視・聴覚を刺激することで文字を書くことが楽しくなるシステム、デスクワークを自動的に分類するシステムなどを展示しました。

Meet-up in AGU 2023を開催

 2023年12月6日(水)に、産学連携イベント『Meet up in AGU 2023』を初めて青山キャンパスにて開催し、多くの企業関係者にご来場いただきました。初の全学的な規模での開催となった今回は「AI時代の人に寄り添う力」と題し、4つの講演からなるプレナリーセッションと、研究者が自身の研究を直接紹介するポスター発表セッションを行いました。
 プレナリーセッションでは本学のデータサイエンスの取組を紹介すると共に、昨今注目を浴びているディープフェイク画像の検出技術についての研究成果発表や、「ビジネススクールと企業」をテーマとした本学の取組に、企業側でテクノロジー分野での連携に長く関わってきた有識者の知見を交え、モノづくりとサービス(“コト”)が一体化した産業発展や社会課題解決のための複合領域研究(総合知)の重要性など、これからの産学連携の多様な視座からの内容となりました。
 ポスターセッションでは、情報テクノロジー、工学、生命科学、物理学といった理工・情報学分野から、サステナブルファイナンス、オペレーションズマネジメント、マーケティング、人口統計、認知心理学、犯罪心理学、スポーツ科学などの人文社会科学分野まで多様な分野の教員が参加し、来場者から多くの関心が寄せられ、活発な議論を交わすなど大盛況となりました。最後に場所を移して行われた交流会では、本学研究者と多くの企業関係者との間で更なる情報交換がなされ、今後の産学連携の進展を予感させました。