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NEWS(国際センター)

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2022.09.23

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【国際センター所長からのメッセージ】2022年度後期受入れ交換留学生の皆さんへ

青山学院大学にようこそ。2年半ぶりに受入れ交換留学が再開しました。こうして皆さんにお会いできることを、本当に嬉しく思っています。
私は青山学院大学国際センター所長の小松靖彦です。私は文学部日本文学科の教授で、日本文学、特に日本の詩を専門にしています。

ところで、皆さんは日本にやってきて、どのような印象を持ちましたか。湿度の高さに驚いたことと思います。そのことによって、皆さんは早くも日本文化の本質に触れていると言えます。というのは、この湿度の高さとの付き合いによって、日本文化が生み出されました。日本の詩では、好んで霧と霧が詠まれます。また、14世紀の随筆家の兼好は、「家の作りやうは、夏を旨とすべし」(家の作り方は、夏の住みやすさを優先すべきだ)と言っています。これも夏の湿度の高さを考えてのことです。ですから、日本の家は、冬向きにできていません。冬には風邪をひかないようになさってください。

さて、皆さんにアドバイスしたいことが3つあります。

第1に、青山学院大学で、さまざまな種類の授業を履修してください。交換留学生が受講できる科目が多い、ということが、青山学院大学の特徴です。少しでも関心があれば、思い切って受講してみてください。どの先生方も皆さんを温かく受け入れてくれるはずです。もちろん私の授業も大歓迎です。

第2に、東京という都市を楽しんでください。青山学院大学青山キャンパスは、時代の先端を走る渋谷という場所にあります。渋谷、そして東京を知ることで、日本近代の歴史や、現代の文化を深く知ることができます。自分の目と足で、この東京を味わってほしいと思います。

第3に、旅行するチャンスがあれば、京都、そして、奈良、飛鳥を訪ねてください。京都は有名ですが、実は日本文化は京都の南方の奈良、そしてさらにその南の飛鳥から始まります。日本で最初に本格的な都市が作られたのは、飛鳥でした。飛鳥は、山に囲まれた盆地で、朝には、その山々が水蒸気に覆われ、青く見えます。その青さを、私はいつまでも忘れられずにいます。そのような気持ちを古代日本人も感じていました。次のような古い日本の歌があります。

 やまとは 国(くに)のまほろば たたなづく 青垣(あをかき) 山ごもれる
 やまとし うるはし
(やまと(もともと奈良の南方を「やまと」と言う)は、国の中でもっとすぐれた場所だ。折り重なった青い垣根のような山に囲まれたやまとは、なんと美しいことだ)

もし、京都、奈良、飛鳥を訪ねたいというときには、私にご相談ください。私は日本文学の専門家ですので、日本文学と関わる多くの美しい場所を知っています。

それから、皆さんに注意してもらいたいことがあります。日本では、マリファナの所持は法律で禁止されています。逮捕されて有罪となったときには、日本で勉学を続けられなくなることもあります。十分に注意してください。

最後に、メンタルヘルスのことについて。外国で学ぶことは、心に大変負担がかかります。私も半年間、家族から離れて、ロンドンで研究をしたことがあります。日曜日に話し相手がいなくて、とても寂しい思いをしました。近所の犬にずいぶん癒されたことです。テッドという名前のポメラニアンです。心の状態が、いつもと少しでも違うと感じたときには、遠慮することなく、国際センターにご相談ください。国際センターは、いつも皆さんのそばにいます。

皆さんの留学が実りあるものとなることを、心よりお祈りしております。

2022年9月8日
国際センター所長 小松靖彦