TOP

NEWS(総合文化政策学部)

POSTED

2020.11.15

TITLE

VRC 2020のSEED Stageで総合文化政策学部の学生チームの作品が企業賞を受賞

日本バーチャルリアリティ学会が主催するIVRC 2020のSEED Stageで、総合文化政策学部の学生を中心とするチーム(MHK2020)が制作した『在学茶会』が企業賞(DMM.com賞)を受賞。11月に行われるLEAP Stageへの進出が決まりました。

IVRCは学生が中心となって企画・制作したインタラクティブな作品を競うコンテストとして1993年から毎年開催され、VR(ヴァーチャルリアリティ)分野での登竜門の役割を果たしています。

『在宅茶会』は茶道の普及活動を将来の夢に持つ学生と、VRやロボットアーム、機械学習などの利活用に取り組んでいる学生が、ラボ・アトリエ実習(デジタルストーリーテリングラボ、担当教員:宮田和樹、大島正嗣)で出会ったことから始まった、自発的なプロジェクトです。

千利休が残した茶室、国宝「待庵」を、国内外のユーザーが利用するVRプラットフォーム「VRChat」内に制作。VR茶室で使用する茶器はフォトグラメトリーで細かな質感まで再現しました。お茶会には不可欠だが、視覚や音声を中心とした既存のVR機器で再現できないお茶の香りや味わいは、ロボットアーム(デンソー COBOTTA)を使い遠隔地の客人に亭主がお茶をたてるシステムを構築して提供しています。亭主の動きはリアルタイムに撮影し、機械学習で推論。推論結果はクラウドにアップロードし、その結果を基にRPA(Robotic Process Automation)でロボットアームにお茶をたてる動作を自動で実行させました。こうしてVR空間内の亭主とロボットアームの動きを同期させることで、ロボットアームのその先にいる亭主の存在を、遠隔地の客人はよりリアルに感じられると仮定しました。

『在宅茶会』のプロジェクトチームは、6月に行われた書類審査で応募総数81件の中からSEED Stageに進出する26チームに選出。大学の施設が使用できないなか、チームメンバーはリモート会議システムを活用して在宅で作品の制作を行い、完成した作品を審査員の自宅に送付して評価を受けるという、これまでにないチャレンジに取り組みました。

9月12日(土)に開催されたオンライン審査会の結果、企業賞の受賞とともに11月に行われるLEAP Stageに進出する8チームに選出されました。茶道という日本の伝統文化を、新たな身体拡張技術のなかに位置付けようとする意欲的な試みとして、期待を込めた評価をいただいたものと受け止めています。10月から新たなメンバーも加わり、チーム一丸となって作品のブラッシュアップに取り組んでいます。LEAP Stageでも本プロジェクトを応援いただきますようお願いいたします。

『在宅茶会』プロジェクトチーム(MHK2020)メンバー

・堀江 遼大(3年)チームリーダー、ロボットアームのプログラミング、機械学習、RPA等
・神野 直樹(4年)茶道監修、3Dモデル制作(茶器)
・田宮 彩加(4年)3Dモデル制作(茶室)
・齋藤 真凜(2年)動画編集、イラスト制作
・山田 泰自(2019年度卒業生)プログラミング(Unity、VRChat)
・宮田 和樹(ラボ担当教員)企画・進行サポート