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NEWS(日本文学科)

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2024.05.29

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【日本文学科】キーウ国立大学日本語専攻の学生との協働授業を開催

2024年度「日本文学演習Ⅰ[1]」(小松靖彦教授担当)にて、4月22日と5月20日に、青山学院大学文学部日本文学科の学生と、ウクライナのタラス・シェフチェンコ記念キーウ国立大学人文教育・学術院極東および東南アジア言語文学科日本語専攻の学生による協働授業をオンラインで開催しました。

青山学院大学日本文学科からは16名(交換留学生1名を含む)、キーウ国立大学日本語専攻からは18名の学生が参加しました。キーウ国立大学側には、日本語学び始めて間もない1年生もいるため、協働授業は英語で行われました。

第1回のための事前準備として、A4判1枚の英文自己紹介を作成し、Google driveでそれを共有しました。また、小松教授がウクライナの歴史と文学について簡単に紹介しました。

第1回は8グループに分かれて、自己紹介を行いました。その後、日本のアニメーションや歌、さらに日本文学やウクライナ文学に関して、互いに関心あることについての意見交換をしました。青山学院大学側から『萬葉集』や尹東柱(ウクライナでは韓国文学にも高い関心が持たれています)について紹介したり、キーウ国立大学側からリナ・コステンコなどウクライナの現代詩人を紹介したりするグループもありました。

国は違っても共通するものがあることに感銘を受けたという感想が学生から寄せられました。また、戦時下のウクライナでは、戦前よりも文学が読まれるようになった、という話を聞き、「文学の力」を改めて考えされたという感想もありました。授業後に、キーウ国立大学側から、貴重な経験ができて嬉しかったという学生たちの声が届けられました。

第2回では、互いに紹介したい日本文学・ウクライナ文学について、8グループに分かれてそれぞれプレゼンテーションを行いました。女性作家、教科書の載る作品、ウクライナにおける虐殺の歴史に取材した文学などについての紹介がありました。過去の同じ時代の社会状況が日本文学・ウクライナ文学両方に強い影響を与えていることや、ウクライナにおいて芸術家が強い影響力を持っていることなどが議論されました。戦争が文学に与える影響も、大きなトピックとなりました。

キーウ国立大学の学生たちの日本研究に対する意欲の高さに、青山学院大学の学生たちは深い感銘を受けました。

青山学院大学はキーウ国立大学と2010年に協定を結び、2018年までに7名の留学生を受入れてきました。その後、留学生の派遣が途絶え、さらに2022年2月からロシア連邦によるウクライナ侵攻が始まり、留学生の派遣が困難となりました。戦時下にあっても研究・教育の灯を絶やすことのないキーウ国立大学に対して、協定校としてできることは何かを考え、協働授業を開催しました。今後も文学による日本・ウクライナの交流を深めてゆきたいと考えています。

協働授業の企画・運営について、キーウ国立大学人文教育・学術院極東および東南アジア言語文学科日本語専攻のユリヤ・クジメンコ先生、エヴゲニー・コーズリヴ先生、江川裕之先生に格別のご助力を賜りました。また、青山学院大学側では、大学院文学研究科日本文学・日本語専攻の学生・新田杏奈さんと藤本まどかさんがサポートをしてくれました。記して感謝の意を表します。