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NEWS(社会情報学部)

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2023.07.05

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比留間圭輔さん(社会情報学研究科)が「2022年度 日本社会心理学会若手研究者奨励賞」を受賞

比留間圭輔さん

比留間圭輔さん(社会情報学研究科 社会情報学専攻 社会情報学コース 博士前期課程2年)が「2022年度 日本社会心理学会若手研究者奨励賞」を受賞しました。比留間さんは、清成透子教授(専門分野:社会心理学、進化心理学、実験社会科学)のゼミナールで、心の文化差を主に研究しています。

「日本社会心理学会若手研究者奨励賞」は、30歳以下、あるいは大学院の課程に在籍している、日本社会心理学会会員を対象に、若手研究者の研究活動を支援するために授与されるものです。

■研究タイトル
日本人が相互独立的な人を選好するとき

■研究概要
文化心理学によると、欧米文化圏では、自己を独自の存在と捉える相互独立的自己観を共有しており、東アジア文化圏では、自己を他者と重なり合った存在と捉える相互協調的自己観を共有しているとされる(Markus & Kitayama, 1991)。これに対して、Hashimoto & Yamagishi(2015)は、適応的視点から自己観を再考し、日本人が示す相互協調性は必ずしも個人の選好ではなく、周囲から排除されることを回避するための適応的な行動戦略だと論じている。橋本(2011)は、日本人は本心では相互独立的な人を好意的に評価するが、他者は相互協調的な人を好意的に評価すると予測するため、自身も相互協調的に振る舞うことを示している。ただし、上述の研究では、回答者は相互独立的な人と相互協調的な人の特徴が記された文章を読んで両者について印象評価を行っただけであり、評価対象者との間に相互作用がある場合に同様の評価を行うかは定かではない。そこで本研究では、Steiner(1972)の課題分類を基に評価対象者との間の相互依存関係を操作した上で、両者に対する選好がどのように異なるのかを検討する。

比留間圭輔さん

受賞者(比留間圭輔さん)からのコメント

社会心理学を専門分野とする先生方に、私自身の研究を高く評価していただき、受賞したことを大変嬉しく思います。ご指導してくださった先生方、選考委員の先生方に感謝いたします。

指導教員(清成透子教授)からのコメント

比留間さんの研究への献身とたゆまぬ努力の成果が、このような形で実を結び、指導教員として大変嬉しく思っています。比留間さんは、日本人がしばしば示す、人の目を気にしながら、他者から嫌われないように集団の中でうまくやっていく傾向について、相互依存関係の性質に着目し、その理解を深めることを目指した研究を行っています。今回の受賞を励みに、さらなる進展に繋がることを期待いたします。

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