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2017.07.20

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理工学部情報テクノロジー学科他の学生8名が「学生奨励賞」を受賞

理工学部情報テクノロジー学科他の学生8名の研究発表が、2017年3月16日(木)~18日(土)、名古屋大学東山キャンパスで開催された「情報処理学会 第79回全国大会」において、「学生奨励賞」を受賞しました。

同賞は、情報処理学会が年1回開催する全国大会の学生発表(対象:学部・博士前期課程所属学生)で、当該研究分野を専門とする審査員による評価の結果、優秀と認められる研究発表をおこなった学生に贈られるものです。

受賞者、論文タイトル、研究概要は以下のとおりです。

  • 小林 祐斗さん(理工学研究科理工学専攻知能情報コース2年(受賞時は1年)、戸辺義人教授研究室)

    発表論文タイトル:「トラヒックの種類を考慮した移動式アクセスポイントの提案」

    研究概要:
    無線LANアクセスポイントの通信環境を改善するために様々な手法が提案されているが、本研究では、アクセスポイント自体を動かすことにより最適化を行うシステムを提案した。このシステムでは、接続しているクライアントの合計スループットを最大化させる位置にアクセスポイントが移動する。このとき、クライアントごとにトラヒックの種類を分類し、それに応じた重みを設定することで、トラヒックの種類ごとに優先度をつける。

  • 長瀬 綾佑さん(理工学部情報テクノロジー学科4年(学年は当時)・戸辺 義人教授研究室)

    発表論文タイトル:「脳波を利用した遠隔通信相手集中度計測システムの設計と実装」

    研究概要:
    遠隔講義は、時間や場所の制約を緩和するという長所を有する反面、講師にとっては、受講者である通信相手の集中状態を知ることができないと問題を抱える。そこで本研究では、通信相手が装着する脳波計から抽出されるα波を基に集中状態を算出し、一定間隔で連続的に講師に算出された集中状態を送るシステムを提案した。

  • 星野 直紀さん(理工学研究科理工学専攻知能情報コース2年(学年は当時)・小宮山摂教授研究室)

    発表論文タイトル:「射形のモーションデータを用いた弓道訓練システムの実装と評価」

    研究概要:
    モーションキャプチャを用いて弓道の射形を計測し、射形の乱れをリアルタイムで判定、フィードバックする弓道練習システムを提案した。このシステムを用いると初心者でも一人で練習することが可能になる。本システムでは、弓道有段者による「正しい射形」と「間違った射形」の測定データから求めた射形の許容範囲が設定されており、胴の傾きや肩の乱れなど6種類の乱れの自動判定が可能である。実際にこのシステムで初心者の射型を判定したところ、6種類すべての射形乱れに対して人間の指導者による判定と高い一致率を示した。

  • 小林 亮太さん(理工学研究科理工学専攻知能情報コース2年(受賞時は1年)、大原剛三教授研究室(受賞時は准教授))

    発表論文タイトル:「ECサイトの閲覧履歴に基づく商品購入断念要因の推定」

    研究概要:
    一般的な推薦システムなどでは、ユーザーの購入履歴などからそのユーザーの嗜好を推定する。これに対して本研究では、ECサイトにおいてユーザーが商品購入を断念した事例に着目した。具体的には、一定時間検討した結果、購入を断念した商品には、購入を見送らせた要因があり、それはユーザーにとって譲れないこだわり、すなわちユーザーの嗜好に結び付くと考え、本研究ではユーザーの嗜好を間接的に推定する手段として、商品購入時に比較検討した複数商品の閲覧時間と閲覧頻度に基づいて購入断念要因となる商品仕様を推定する方法を提案した。

  • 青島 宇佳さん(理工学部情報テクノロジー学科4年(学年は当時)・大原剛三教授研究室)

    発表論文タイトル:「家庭内余剰食材推定システムの推定」

    研究概要:
    日常生活において家庭内の余剰食材を無駄なく利用することが望ましいが、常に余剰食材を把握することは難しく、必要な食材の余分な購入、買い忘れが生じ得る。このような問題に対して本研究では、購入食材の登録と料理画像から利用食材の推定を組み合わせ、購入食材から利用食材を差し引いた余剰食材を推定するシステムを提案した。購入食材の登録ではタブレット端末のカメラにかざすだけで食材の種類を推定し、利用食材の推定に関しては、調理後の料理画像と保有食材、および候補料理のレシピから料理を推定し、レシピ情報に基づき利用食材を推定する。

  • 川崎 景人さん(理工学部情報テクノロジー学科4年(学年は当時)・大原剛三教授研究室)

    発表論文タイトル:「ツイートに基づく国政選挙候補者の政策変化の可視化」

    研究概要:
    インターネット選挙運動が解禁され、候補者が選挙期間中にTwitterなどSNSを利用し公約などを主張することが可能となったが、SNSへの情報発信は有権者への影響力が高い反面、短い選挙期間中に大量の情報が投稿されるため、それらの投稿での主張が、各候補者のそれ以前の主張と整合が取れているかは有権者には見えにくい。そこで本研究では、Twitterを対象に、選挙期間のツイートだけでなく、期間外のツイートも収集し、各候補者の政策に対するスタンスの時間変化を可視化し、それによりその候補者の主張が一貫しているかどうかを視覚的に判断できるインターフェースを提案した。

  • 西開地 晃司さん(理工学部情報テクノロジー学科4年(学年は当時)・大原剛三教授研究室(受賞時は准教授))

    発表論文タイトル:「複数のメディアのセンチメントの推移と株価変動の関係性の分析」

    研究概要:
    近年、過去の株価の推移や各種経済指標に加え、SNSへの投稿内容やニュース記事などのテキスト情報を分析して得られる感情スコア(センチメント)を用いて株価変動を予測する研究が行われている。それらの研究では、1つのメディアを対象に分析を行っているのに対し、本研究では、複数のメディアから収集したテキストを使用して個別銘柄の株価と各メディアのセンチメントの関係性を分析した。対象メディアとしてTwitter、株式掲示板、ニュース記事を用い、対象銘柄として日経平均に含まれる24企業を用いた分析結果では、複数の銘柄について、株価変動と特定のメディアのセンチメントの変動に強い相関があることを明らかにした。

  • 小山 拓美さん(理工学部情報テクノロジー学科4年(学年は当時)・DURST, Martin J.教授研究室)

    発表論文タイトル:「RubyにおけるUnicodeプロパティ処理の拡張と効率化」

    研究概要:
    本研究では、日本発のプログラミング言語Rubyのテキスト処理で使用可能なUnicode文字プロパティの範囲を拡大し、同時に処理を高速化する手法を提案した。その結果、対応するプロパティを14個増やし、プロパティ値をほぼ二倍にしたにも関わらず、使用メモリ量の削減に成功した。さらに、評価実験を通して、処理速度がプロパティ値の有無の判定の場合、最大9倍、プロパティ値の問い合わせの場合、約65倍速くなったことを確認した。