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2017.07.27

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德永彩子さんが、「BEST POSTER」賞を受賞

德永彩子さん(理工学研究科化学コース博士前期課程1年・阿部二朗教授研究室)が、2017年7月16日(日)~ 21日(金)、フランスのストラスブール(Strasbourg Convention + Exhibition Centre)で開催された「28th International Conference on Photochemistry」におけるポスター発表で、「BEST POSTER」賞を受賞しました。

同会議は、光化学にかかわる研究者が最新の研究成果を発表し、情報交換をする目的で、二年に一度開催される著名な国際会議です。今回の会議では、8のテーマによる研究発表が行われ、德永さんはMolecular and Inorganic Materials部門でポスター掲示による発表を行いました。二日間に分かれて開催されたポスター発表では、一般の研究者および学生計242名が発表を行い、そのうちの学生14名に同賞がおくられました。

德永さんの研究発表題目は、「Photochromic Molecules Composed of Two Negative Photochromic Units(二つの逆フォトクロミック部位を持つフォトクロミック分子*)」で、段階的二光子吸収を示す分子骨格に逆フォトクロミズムを示す部位を導入した新規化合物を合成し、そのフォトクロミック挙動について論じたものです。逆フォトクロミズムとは、光照射により着色状態から無色状態へと変化し、照射を止めると熱的に(または光により)元の着色状態へと戻る現象のことを言います。段階的二光子吸収とは、光を吸収して生成した不安定な分子種がさらに光を吸収して高エネルギー状態になる過程のことであり、今までは紫外光照射によってその現象を見せる化合物が開発されていました。德永さんは段階的二光子吸収の骨格に、可視光照射によって着色状態から無色に色が変化する逆フォトクロミズムを取り入れた化合物を開発し、その光応答性を明らかにしました。
德永さんの発表は、秀逸な研究成果に加え、英語によるプレゼンテーション等が優秀であると評価され、同賞に相応しいと認められました。

  • フォトクロミック分子とは・・・

    光によって可逆的に分子構造が変化し、色や分子の性質を変える分子のことをいいます。阿部研究室で開発された高速フォトクロミック分子は、色や分子の性質が高速に変化するといった従来のフォトクロミック分子にはない性質を持っており、外に出た時のみ着色するサングラスやリアルタイムホログラムなどへの応用が期待されています。