TOP

EVENT(学外講座)

SCHEDULED

2023.07.01 - 2023.07.22

TITLE

【相模原キャンパス公開講座】現実社会の問題解決に向けて~現象へのデータ分析の目~

講座概要

対面またはオンライン配信
2023/7/1 ~ 7/22 毎土曜日 10:30~12:00(初回のみ12:10)

これからの現実社会の問題は、データに基づき、様々なデータ分析技術や数理科学を利用して解決されていきます。天気予報を例に問題解決をしてみましょう。あなたは天気予報をどこまで信じますか。気象のような自然現象は数式で表せます。それでも外れるのはカオス現象だからです。このように本講座では、様々な現象にデータ分析を利用し問題解決していく世界を紹介していきます。

講座申し込み

第1回 2023/7/1(土)機械学習って何?ー設備診断における機械学習の目ー

理工学部経営システム工学科 教授
小野田 崇[ONODA Takashi]

TwitterなどのSNSの普及により、様々な言語による文書情報がリアルタイムで取得できるようになり、大規模データとして蓄積されました。これらの大規模文書情報から、日常的な文書を生成するChatGPTのような生成系AIが生み出されました。一方、IoT時代の到来により、インターネット上の文書情報とは異なる現実世界のセンサ情報などの大規模データをリアルタイムで取得できるようになってきました。これらの大規模データは、自然環境や人工物である設備などの異常の予測・検知に役立てられる可能性を秘めており、この異常の予測・検知の実現によって、大規模システムの安定運用や最適制御、経済的な保守計画を立案することができるようになります。従来、異常検知の技術は信頼性工学や統計分野で扱われてきましたが、近年の機械学習の発展を背景に、設備診断においても機械学習が浸透し始めています。このように実社会の様々な分野で機械学習が利用され始めています。
そこで本講義では、基本に立ち返り1956年に人工知能(Artificial Intelligence:AI )という言葉が産声をあげてからのAI研究の歴史(第1次人工知能ブーム,第2次人工知能ブーム,第3次人工知能ブーム)から機械学習研究の立ち位置を解説し、クイズを通して機械学習(教師あり学習,教師なし学習)とは何かを感じてもらいます。また、機械学習の適用事例の一つとして設備診断における適用事例(電力用変圧器の内部不具合判定)を紹介して、実社会における機械学習の現状を感じてもらいます。最後に、「敵」、「味方」の心理学について紹介して、機械学習またはAIは「敵か?味方か?」について考えられるようになることを本講義の目的とします。

講師プロフィール

理工学部経営システム工学科 教授
小野田 崇[ONODA Takashi]

東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。GMD FIRST(ドイツ情報数理研究所)客員研究員、(一財)電力中央研究所副研究参事、東京工業大学大学院総合理工学研究科知能システム科学専攻連携教授を経て、現在青山学院大学理工学部経営システム工学科教授。
専門分野は機械学習の理論と応用。
主な著書『知の科学シリーズ サポートベクターマシン』(単著)、『パターン認識と機械学習』(訳)。
現在、JSAIシニア編集委員、経産省スマート保安プロモーション委員会常任委委員。

第2回 2023/7/8(土)カオスー将来を予測しにくい現象が起こるのはなぜかー

理工学部物理・数理学科 教授
中山 裕道 [NAKAYAMA Hiromichi]

カオス現象とは、最初の状態がちょっとしか違わないのに、将来まったく別の状態になる現象です。天気予報がはずれやすい根拠になるものです。
いま、8つの籠をぶら下げた水車を考えます(図)。普通は、水を中心より左右にずれた位置から落とすため、水車がくるくる回って発電します。ここでは真上から水を落とした状況を考えましょう。籠の底に適当な大きさの穴をあけておき、少し回した状態から始めると、時計回りにまわったあと、今度は反時計回りに回り、また時計回りに回ったりを繰り返します。下部のグラフが回転の様子です。一見不規則に見えて、規則性もあります。このモデルはローレンツ水車と呼ばれていて、その動きがカオス現象になることが知られています。
水車の動きを別の視点から分析するとローレンツ・アトラクタという図形が現れてきます。ローレンツ・アトラクタは、気象現象がカオスになるための根拠として有名です。現在の気圧配置がちょっとだけ違っただけで、数日後にはまったく違う天気になってしまうことが起きます。これは気象がカオス現象だからです。地表が熱せられ、上昇気流が起き、上空で冷やされて降りてくる。この仕組みを追っていくと、ローレンツ・アトラクタという図形が現れてくるのです。
ローレンツ水車を見ていて、将来を予測しようとすると意外に当たりません。同じように、天気予報は難しいことになります。簡単な規則に従って起きるのに、不思議な挙動をするところがカオスの魅力です。

講師プロフィール

理工学部物理・数理学科 教授
中山 裕道 [NAKAYAMA Hiromichi]

東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。広島大学総合科学部助教授を経て、現在青山学院大学理工学部教授。専門分野は位相幾何学、力学系理論。

第3回 2023/7/15(土)イノベーションをどう起こす?ーデータ分析からわかることー

理工学部経営システム工学科 教授
大内 紀知 [OUCHI Noritomo]

スイスのInternational Institute for Management Development (IMD: 国際経営開発研究所) が発表した「World Competitiveness Ranking 2022 (世界競争力ランキング 2022)」で、日本は34位でした。現代の若者に、日本はかつてこのランキングで1位だった時代があるといっても、信じてもらえないかもしれません。このような状況の中で、日本の政府や企業にとっては、イノベーションの創出が長年の課題となっています。
イノベーションは、オーストリア出身の経済学者であるSchumpeter(シュンペーター)が1911年に提唱したとされています。それから現在に至るまで、「イノベーションをどう起こす?」という問いに対して世界中の研究者達が、様々な仮説を立て、その検証を行ってきました。それらの研究から、いったいどのような知見が得られているのでしょうか。
本講義では、イノベーションに関連する研究の中でも、データを用いた実証研究に焦点を当て、「幅広い知識を探索した方が、イノベーションを起こしやすいのか?」「企業の外部にある知識をどうすれば上手く活用できるのか?」「企業がリスクの高い技術開発に取り組むのは、どのような状態にあるときか?」などのテーマについて、わかりやすく紹介したいと思います。また、これらの研究の多くでは、特許データを用いた分析を行っていますので、なぜ特許データを用いるのか、特許データからは何がわかるのか、具体的な分析手法などについてもご説明いたします。

講師プロフィール

理工学部経営システム工学科 教授
大内 紀知 [OUCHI Noritomo]

2000年東京工業大学卒業。2002年東京工業大学大学院士課程修了。キヤノン株式会社を経て、2008年東京工業大学大学院博士課程修了。博士(工学)。株式会社日立製作所を経て、2010年青山学院大学理工学部准教授。2018年より同教授。
専門分野はイノベーション・マネジメント。

第4回 2023/7/22(土)解ける微分方程式とその差分化ー解ける方程式はなぜ解けるのかー

理工学部物理・数理学科 教授
増田 哲[MASUDA Tetsu]

微分方程式とは、未知関数とその導関数たちの間に成り立つ関係式のことです。また、微分方程式を満たす関数のことを微分方程式の解といいます。多くの自然現象、とくに物理学の基本法則などは、微分方程式の言葉で記述されます。
一方で、微分方程式の解のふるまいを数値計算などで調べる場合には、微分方程式を差分方程式(大雑把にいえば漸化式)で近似する必要があります。微分方程式を差分化する方法にはさまざまなものがあって、「どのような差分化が最も優れているか」という問いは、目的や動機によるとしか言えません。ここでは、「与えられた微分方程式の解の性質がよくわかっているときは、その解の性質を保つように差分化すべきである」との立場をとります。とくに、微分方程式の解をよく知っている関数で具体的に書き下せる場合には、その関数の大域的なふるまいを保つよう差分化しよう、ということです。
本講義では、このような差分化の方法について、いくつかの例を用いて解説します。具体的には、指数関数(が満たす微分方程式)、ロジスティック方程式、非線形振動子などです。時間に余裕があれば、私の研究に関連してパンルヴェ方程式と呼ばれる微分方程式についても述べるかもしれません。
この講義を聴講するにあたり、指数関数と三角関数について高等学校で学ぶ程度の知識があることは仮定します。黒板に式を書きながら、ゆっくりと、詰め込み過ぎないよう話すつもりです。

講師プロフィール

理工学部物理・数理学科 教授
増田 哲[MASUDA Tetsu]

立命館大学理工学研究科博士課程後期課程修了。神戸大学大学院自然科学研究科助手等を経て、現在、青山学院大学理工学部教授。専門分野は数学。

講座申し込み

 

申込期間 2023年6月1日(木)~14日(水)
受講料 1,300円
申込方法 相模原キャンパスの公開講座は、相模原市・座間市と共催で、市民大学青山学院大学コースとして実施しています。以下の市民大学ウェブサイトで申込方法をご確認の上、お申し込みください。なお、 受講者多数の場合は抽選を行う場合がありますのであらかじめご了承ください。
注意事項 (1)諸事情により講義題目・内容・講師・実施教室等に変更が生じる場合があります。
(2)講座は4回の講義で構成されております。1回だけの参加等はご遠慮ください。
(3)本学では駐車場・駐輪場のご用意がありません。車輛でのご来校はご遠慮願います。
(4)校舎内での喫煙、および教室内の飲食は禁止しております。ご理解のほどお願いします。
(5)講義途中の伝言・電話等による呼び出しは一切受け付けておりません。教室内での携帯電話等のご使用もお控えください。
(6)諸事情によりやむを得ず休講する場合がありますのでご了解ください。休講に関するお知らせはウェブサイトあるいは下記お問い合わせ先にてご確認ください。
(7)講師や他の受講生等に迷惑をかける行為や係員の指示に従わない場合は受講をお断りすることがあります。
(8)受講生の個人情報は本学の「学校法人青山学院個人情報保護に関する規則」に基づき、適切な対応に努めます。
(9)オンライン配信を選択した場合、安定した通信環境のご用意をお願いします。

 

申込期間 2023年6月1日(木)~14日(水)
受講料 1,300円
申込方法 相模原キャンパスの公開講座は、相模原市・座間市と共催で、市民大学青山学院大学コースとして実施しています。以下の市民大学ウェブサイトで申込方法をご確認の上、お申し込みください。なお、 受講者多数の場合は抽選を行う場合がありますのであらかじめご了承ください。
注意事項 (1)諸事情により講義題目・内容・講師・実施教室等に変更が生じる場合があります。
(2)講座は4回の講義で構成されております。1回だけの参加等はご遠慮ください。
(3)本学では駐車場・駐輪場のご用意がありません。車輛でのご来校はご遠慮願います。
(4)校舎内での喫煙、および教室内の飲食は禁止しております。ご理解のほどお願いします。
(5)講義途中の伝言・電話等による呼び出しは一切受け付けておりません。教室内での携帯電話等のご使用もお控えください。
(6)諸事情によりやむを得ず休講する場合がありますのでご了解ください。休講に関するお知らせはウェブサイトあるいは下記お問い合わせ先にてご確認ください。
(7)講師や他の受講生等に迷惑をかける行為や係員の指示に従わない場合は受講をお断りすることがあります。
(8)受講生の個人情報は本学の「学校法人青山学院個人情報保護に関する規則」に基づき、適切な対応に努めます。
(9)オンライン配信を選択した場合、安定した通信環境のご用意をお願いします。

CONTACT

  • お問い合わせ先

    さがまちコンソーシアム事務局

    〒252-0307 相模原市南区文京2-1-1

  • TEL / MAIL

    042-703-8550

  • 受付時間

    月~金 9:00~17:00 (※祝日を除く)