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EVENT(学外講座)

SCHEDULED

2024.10.19 - 2024.11.16

TITLE

【相模原キャンパス公開講座】マイノリティの視点から考える生活と社会

講座概要

対面形式
2024/10/19 ~ 11/16 毎土曜日 13:00~14:30(初回のみ14:40)

マイノリティの視点を知ることは一人ひとりの生き方や考え方を豊かにしていきます。この講座では福祉、経済、ジェンダー、教育という切り口でそれぞれの視点から見た生活と社会について考えていきます。

講座申し込み

第1回 2024/10/19(土)軽度知的障害のある人の語りからみた生活と社会

コミュニティ人間科学部 教授
杉田 穏子[SUGITA Yasuko]

今回のシリーズでは「マイノリティの視点」から考えていきます。マイノリティとは少数派と訳されますが、そうではありません。荒井は「マジョリティ」は「なぜ自分がここにいるのか」を説明する必要がないが、「マイノリティ」は「そうした語り方ができない(許されない)人たち」だと述べています。2016年に起きた相模原障害者施設殺傷事件の犯行動機が「重複障害者は生きる意味がない」だったことは記憶に新しいところです。生きる意味があるか/ないかを他者から問われることは、誰にとっても必要がないと私は思います。
第1回では知的障害のある本人たちに生い立ちを聞かせていただいたインタビューからいくつかを取り上げ、彼・彼女らが日本の教育・福祉制度の中で、どのような喜び、悲しみ、怒り、疑問を感じながら生きてこられたのかを紹介したいと思います。
引用文献 荒井裕樹『障害者差別を問いなおす』2020年 筑摩書房 pp.92-3

<プロフィール>
青山学院大学 コミュニティ人間科学部 教授
杉田 穏子[SUGITA Yasuko]
大阪市立大学(現 大阪公立大学)大学院生活科学研究科後期博士課程修了、博士(学術)。現在、青山学院大学コミュニティ人間科学部教員。
主な著書に、「知的障害のある人のライフストーリーの語りからみた障害の自己認識」(単著)、「ノーマライゼーションの原理―普遍化と社会改革を求めて」「スウェーデンにおける施設解体―地域で自分らしく」(共訳)、「ヨーロッパにおける施設解体―スウェーデン・英・独と日本の現状」「福祉先進国における脱施設化と地域生活支援」(共著)(以上、現代書館)。
最近の論文に、「知的障害のある人のライフストーリーの語りからみた障害の自己認識ーなぜ「障害がない」と語るのかー」総合リハビリテーション51(1)、33-39、2023、「出生前にダウン症の確定診断を受けた後に『妊娠継続』の選択をもたらす要因―大きな迷いなく継続を選択した2組のカップルの語りー」青山学院大学コミュニティ人間科学部紀要5、57-74、2024

第2回 2024/10/26(土)社会的弱者とはどのような人びとか~経済学で「視える人びと」と「視えない人びと」~

コミュニティ人間科学部 准教授
秋富 創[AKITOMI Hajime]

近年,いわゆる「社会的弱者」と呼ばれる人びとに対する社会の関心が高まっています。たとえば2010年代以降では,「障害者差別解消法」(2013),「部落差別解消推進法」(2016),「ヘイトスピーチ解消法」(2016),「アイヌ民族支援法」(2019),「LGBT理解増進法」(2023)といった様々な法律が制定されており,その実効性はともかく,このような人びとに対する個人の意識の変革,社会の理解の増進がますます求められるようになってきています。
ところで「社会的弱者」にまつわる問題とはその名の通り,我々が生活する「社会」で発生する事象であるため,従来その研究の多くは,社会学の視点から行われてきたように思われます。本講義では,経済学特有の思考方法に注意を払いながら,経済学の視点からはどのような社会的弱者が可視化されるのか,あるいはされないのか,ということについて考えてみたいと思います。

<プロフィール>
青山学院大学 コミュニティ人間科学部 准教授
秋富 創[AKITOMI Hajime]
東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(経済学)。青山学院女子短期大学専任講師,准教授を経て現職。専門分野は経済の歴史と思想。本講義に関連する研究業績として,「社会的弱者・マイノリティ研究についての一視角(1) : グローバリゼーション・国民統合・中間団体」『青山學院女子短期大學紀要』 第72巻,2018年。「社会的弱者・マイノリティ研究についての一視角(2・完) : グローバリゼーション・国民統合・中間団体」『青山學院女子短期大學紀要』第73巻,2019年。

第3回 2024/11/09(土)ジェンダー論の照らし出す社会と弱者

コミュニティ人間科学部 准教授
小林 瑞乃 [KOBAYASHI Mizuno]

この講座では、ジェンダー学の問題提起を整理しながら社会と弱者をめぐる現状について考えます。ジェンダーとは、生物学的な性差とは異なる社会的・文化的・心理的に作られた男女の性差に根差した概念であり、例えば「男らしさ」「女らしさ」の規範によって個性や生き方の自由が奪われたり、性的マイノリティに対する偏見や差別等が指摘されています。
 現在生じている様々な社会問題を本質的に捉えるために、フェミニズムの歴史的意義や女性学・ジェンダー学が発生発展した理由、その問題提起を受け止めた男性学が何を訴えているのかなどを中心に解説しながら、男女の賃金格差や女性に多い非正規雇用、ケア労働の負担、男性の生きづらさなど現在進行形の問題を見ていきます。
ジェンダー学の成果について、多くの課題が山積する現代日本にあって自分らしく生き抜くための一つの提言として受けとめることで何が見えてくるのか、考察していきます。

<プロフィール>
青山学院大学 コミュニティ人間科学部 准教授
小林 瑞乃 [KOBAYASHI Mizuno]
史学科博士課程在学中、歴史雑誌の編集や社会教育主事として保谷市(現西東京市)生涯学習推進計画を策定するほか多種多様な業務を経験し、2005年博士号取得(専門:日本近現代史)。2008年4月青山学院女子短期大学教養学科着任、2021年4月より本学コミュニティ人間科学部。明治から現代まで様々な人物の言説を追究している。2023年3月オックスフォード大学戦後日本研究カンファレンスに招待され、作家森崎和江(『からゆきさん』『闘いとエロス』ほか)の研究成果を発表。今年、その報告書が刊行される予定である。

第4回 2024/11/16(土)マイノリティという視点からの学校の境界を探るー学校化社会の形成過程の周辺/周縁ー

コミュニティ人間科学部 特任教授 
木村 元[KIMURA Hajime]

本講では、戦後日本の学校化社会の形成過程を支えた学校制度の周辺と周縁に位置した学校を対象にします。中核の学校との間の境界線に注目し、マイノリティへの視点でその歴史を辿ります。ここでのマイノリティは社会的少数派を指しますが、数のみならず不均衡な力関係で従属的立場にあり不利益を被ってきた集団をさします。それらを見据えて周辺・周縁の学校の性格を考えたいと思います。学校化社会は、小学校や中学校という中核の学校を中心に作り上げられましたが、義務教育の対象をどう定めるか、日本の社会に暮らす国籍を異にする人びとの教育をどうするかなど、難題に正面から対処したのは、むしろ学校制度の周辺や周縁に存在した学校や学校の諸領域でした。中核の学校は、これらがあることで機能していたともいえます。こうした学校がどのように成り立ってきたかをみることで、マジョリティである中核の学校の課題もより鮮明に浮かび上がると考えます。

<プロフィール>
青山学院大学 コミュニティ人間科学部 特任教授
木村 元[KIMURA Hajime]
東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。一橋大学社会学研究科教授などを経て現職。一橋大学名誉教授。
・専門は教育学・教育史。「教える」ことで次世代を形成する行為は、人類の長い歴史の中で見ると極めて特殊なものです。この行為が、近代においてどのように社会の中で浸透してきたかを示してきました。その中心となった学校は「教える―学ぶ」という特殊なコミュニケーションを組織化した機関ですが、簡単に社会のなかで成立し続けることはできず、日本の学校は様々な工夫をすることで社会と折り合いをつけて定着してきたといえます。それはどのようになされ、また何を課題としながら今日に至っているのか。そのメカニズムについて考えてきました。
•著書として『境界線の学校史』(編著 東京大学出版会)、『学校の戦後史』(岩波書店)、『日本の学校受容』(編著 勁草書房)、『人間形成と社会』(資料集成[全3期21巻] 監修 クレス出版)ほか。

講座申し込み

申込期間 2024年9月1日(日)~14日(土)
受講料 1,300円
申込方法 相模原キャンパスの公開講座は、相模原市・座間市と共催で、市民大学青山学院大学コースとして実施しています。以下の市民大学ウェブサイトで申込方法をご確認の上、お申し込みください。なお、 受講者多数の場合は抽選を行う場合がありますのであらかじめご了承ください。
注意事項 (1)諸事情により講義題目・内容・講師・実施教室等に変更が生じる場合があります。
(2)講座は4回の講義で構成されております。1回だけの参加等はご遠慮ください。
(3)本学では駐車場・駐輪場のご用意がありません。車輛でのご来校はご遠慮願います。
(4)校舎内での喫煙、および教室内の飲食は禁止しております。ご理解のほどお願いします。
(5)講義途中の伝言・電話等による呼び出しは一切受け付けておりません。教室内での携帯電話等のご使用もお控えください。
(6)諸事情によりやむを得ず休講する場合がありますのでご了解ください。休講に関するお知らせはウェブサイトあるいは下記お問い合わせ先にてご確認ください。
(7)講師や他の受講生等に迷惑をかける行為や係員の指示に従わない場合は受講をお断りすることがあります。
(8)受講生の個人情報は本学の「学校法人青山学院個人情報保護に関する規則」に基づき、適切な対応に努めます。
(9)オンライン配信を選択した場合、安定した通信環境のご用意をお願いします。
申込期間 2024年9月1日(日)~14日(土)
受講料 1,300円
申込方法 相模原キャンパスの公開講座は、相模原市・座間市と共催で、市民大学青山学院大学コースとして実施しています。以下の市民大学ウェブサイトで申込方法をご確認の上、お申し込みください。なお、 受講者多数の場合は抽選を行う場合がありますのであらかじめご了承ください。
注意事項 (1)諸事情により講義題目・内容・講師・実施教室等に変更が生じる場合があります。
(2)講座は4回の講義で構成されております。1回だけの参加等はご遠慮ください。
(3)本学では駐車場・駐輪場のご用意がありません。車輛でのご来校はご遠慮願います。
(4)校舎内での喫煙、および教室内の飲食は禁止しております。ご理解のほどお願いします。
(5)講義途中の伝言・電話等による呼び出しは一切受け付けておりません。教室内での携帯電話等のご使用もお控えください。
(6)諸事情によりやむを得ず休講する場合がありますのでご了解ください。休講に関するお知らせはウェブサイトあるいは下記お問い合わせ先にてご確認ください。
(7)講師や他の受講生等に迷惑をかける行為や係員の指示に従わない場合は受講をお断りすることがあります。
(8)受講生の個人情報は本学の「学校法人青山学院個人情報保護に関する規則」に基づき、適切な対応に努めます。
(9)オンライン配信を選択した場合、安定した通信環境のご用意をお願いします。

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