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2011.10.03

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浅岡龍徳助教(理工学部機械創造工学科)が、「IIR(国際冷凍学会)Young Researchers Award」を受賞

浅岡龍徳助教(理工学部機械創造工学科)が、「IIR (International Institute of Refrigeration) Young Researchers Award(熱力学分野)」を受賞しました。
この賞は、4年に1回、IIR(1908年設立)が8つの分野(低温物理、熱力学、低温生物学、冷凍貯蔵、低温工学、冷凍システム、食品科学、空気調和)の研究において、特に優秀と認めた若手研究者(35歳未満)に贈るものです。受賞に至るまでには、まず国内審査を経て、その後、IIRが加盟61ケ国から推薦された各国代表の研究者を審査。各分野ごとに受賞者1人を決定します。

受賞した研究は「Ice slurries and systems used to produce ice slurries(アイススラリー*とアイススラリーをつくるシステム)」つまり、アイススラリーを利用した、省エネルギーで環境に優しい冷凍・空調機器の開発を目指すものです。
現在、多くの冷凍庫や冷房には、冷媒**として代替フロンが用いられていますが、この物質は地球温暖化の原因になると考えられているため、代用冷媒の開発が叫ばれています。
浅岡助教は、代替フロンの代わりにお酒の主成分で人体に害の少ないエタノール水溶液を用いることを考案。さらにエタノール水溶液を用いた冷凍機を氷蓄熱システム(夜間に電力を使って氷を作り、昼間その氷を溶かして冷房に利用するもの)に利用することで、昼間の消費電力を削減することを提案しました。
浅岡助教の研究は、環境や人体に優しく、今後の技術発展への貢献が高く期待されること等から「IIR Young Researchers Award」に値すると認められました。また浅岡助教の日ごろの積極的な研究活動も評価されました。

なお、日本でこの賞を受賞した研究者は、これまで浅岡助教を含め4名のみとのことです。この受賞をきっかけに、今後、浅岡助教の更なる活躍が期待されます。

*アイススラリー微細な氷粒子と、アルコール水や塩水等の液体が混ざり合ったシャーベット状の氷。

 

**冷媒

冷凍機の中で蒸発・凝縮を繰り返す液体もしくは気体のこと。冷凍機は、液体の冷媒が蒸発して気体に変わることによって冷たくなります。