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2012.01.17

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理工学研究科の田崎ちひろさんと吉川透さんが「第32回日本熱物性シンポジウム学生ベストプレゼンテーション賞」を受賞

理工学研究科機能物質創成コース博士前期課程2年の田崎ちひろさんと理工学研究科機能物質創成コース博士前期課程1年の吉川透さん(ともに重里有三教授研究室所属)が2011年11月21日(月) ~ 23日(祝・水)、慶應義塾大学日吉キャンパスで開催された「第32回日本熱物性シンポジウム」で、「学生ベストプレゼンテーション賞」を受賞しました。
この賞は、日本熱物性学会が年1回開催する同シンポジウムにおいて、特に優秀な研究発表を行った学生発表者におくられるものです。今回のシンポジウムでは、推薦された大学院生39名が研究発表を行い、審査のうえ計7名に、「学生ベストプレゼンテーション賞」がおくられました。

田崎さんと吉川さんの研究発表題目は以下のとおりです。

田崎ちひろ:「TiO2およびNb:TiO2薄膜の熱拡散率測定(2)」
吉川 透:「アモルファスIGZO薄膜の熱拡散率測定」

田崎さんは、希少元素(レアメタルやレアアース)を用いない新規の透明導電膜である「高性能酸化チタン系薄膜」を精密に合成し、その薄膜内部の熱伝導機構を電気伝導度との相関関係において解析を行い、自由電子と格子振動の熱キャリアとしてのふるまいを定量的に明らかにしました。
一方、吉川さんの研究は、次世代の半導体として期待されている「透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)」薄膜中での熱拡散のメカニズムを解明したものです。これらの研究はピコ秒チタンサファイヤレーザー(固体レーザーの一種)を用いた「パルス光加熱サーモリフレクタンス法(世界で最も高い精度で熱物性値の測定を行う方法)」を使ったことによって成し遂げられたものです。

2人の研究成果は、次世代の大型ディスプレイ、太陽電池、エネルギー高効率化のための機能性デバイス等の研究開発において、それらの設計指針となる「基礎データ」として注目されています。また、「結晶やアモルファス(非晶質)の無機物質内部での熱拡散に関して本質的な知見を与えるもの」と評価されました。
なお、田崎さんは、昨年開催された第31回大会でも、「ニオブドープ酸化チタン薄膜の合成」について発表し同賞を受賞。吉川さんは、昨年、「第7回オプティクスおよびエレクトロニクスのための透明酸化物薄膜に関する国際シンポジウム」において、「Best Poster Silver Award」を受賞しています。

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