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2012.01.17

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佐藤正寛助教(理工学部物理・数理学科)が、日本物理学会第6回若手奨励賞を受賞

佐藤正寛助教(理工学部物理・数理学科)が、「日本物理学会第6回若手奨励賞(領域3=磁性、磁気共鳴分野)」を受賞しました。
この賞は、日本物理学会が、将来の物理学を担う優秀な若手研究者に対して贈るものです。

佐藤正寛助教の研究分野は、「物性理論・統計物理学」で、主に磁石に関する理論研究を行っています。
今回受賞した論文は、「NMR relaxation rate and dynamical structure factors in nematic and multipolar liquids of frustrated spin chains under magnetic fields, Masahiro Sato, Tsutomu Momoi, and Akira Furusaki, Physical Review B 79, 060406(R) 4pages (2009)」(Editor’s suggestion) 他2本の論文*(後述)で、磁石の新しい配列秩序**について、見通しを立て、実証したものです。
佐藤助教の研究は、今後の磁性理解に進展につながること等が評価され「日本物理学会第6回若手奨励賞」に値すると認められました。

 *佐藤助教の受賞論文タイトル(他2本)

「Field and temperature dependence of the NMR relaxation rate in the magnetic quadrupolar liquid phase of spin-1/2 frustrated ferromagnetic chains, Masahiro Sato, Toshiya Hikihara, and Tsutomu Momoi, Physical Review B 83, 064405 10pages (2011)」 「Chiral Order and Electromagnetic Dynamics in One-Dimensional MultiferroicCuprates, Shunsuke Furukawa, Masahiro Sato, and Sigeki Onoda, Physical Review Letters 105, 257205 4pages (2010)」

 

**磁石の新しい配列秩序について

固体は、原子や分子が規則正しく並んでできています。原子や分子は、原子核とその周りを回る電子でできていますが、その電子ひとつひとつはN極とS極を持った磁石(物理学では「磁性体」と呼びます)と考えることができます。そしてその磁性体は様々な配列秩序(規則性)を持っています。
佐藤助教は、カイラル秩序(Nりあるいは左回りに配列する)や多極子秩序(N極とS極を結ぶ軸は揃うが向きは揃っていない)と呼ばれる、磁性体の新しい秩序について研究しており、これらを実験でいかにうまく観測するか、こうした秩序をもつ磁性体の特徴はどのような実験で観測されるかについて理論的な予言を与えました。また、新しい強誘電体秩序の理論もつくりあげています。

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