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2014.05.07

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小林洋一助教(理工学部化学・生命科学科)の研究発表が「日本化学会第94春季年会(2014)」で「優秀講演賞(学術)」を受賞

理工学部化学・生命科学科の小林洋一助教(阿部二朗教授研究室所属)の研究発表が、2014年3月27日(木) ~ 30日(日) 、名古屋大学(東山キャンパス)で開催された「日本化学会第94春季年会(2014)」において、「優秀講演賞(学術)(CSJ Presentation Award 2014)」を受賞しました。
この賞は、日本化学会が年1回開催する年会で、特に優れた研究発表を行った若手研究者におくるものです。

小林助教の研究発表題目は、「高速フォトクロミズムを用いた三次元物体の実時間ホログラム*」です。SF映画のスターウォーズに出てくるような三次元情報をリアルに再現するホログラフィー動画技術は、ホログラム材料に記録された三次元情報を物体の動きに追随して絶えず書き換えることが必要になりますが、そのような高速応答が可能な材料はこれまでにありませんでした。阿部研究室では、これまでに高速フォトクロミック分子**をホログラフィー技術に応用し、ホログラム材料の三次元情報の高速書き換えに成功してきました。その背景のもと、小林助教は高速フォトクロミック分子を用いて三次元物体の実時間ホログラムを世界で初めて実現しました。
小林助教の研究発表は、秀逸な研究成果に加え、プレゼンテーションや質疑応答の態度が秀でていたことも含めて「優秀講演賞(学術)(CSJ Presentation Award 2014)」に相応しいと認められました。
なお、小林助教は、これまでに「第6回分子科学討論会分子科学会 優秀講演賞(2012年9月)」、「第4回分子科学討論会分子科学会優秀 ポスター賞(2010年9月)」を受賞しています。

* ホログラム(ホログラフィー)とは・・・
一枚の画像に三次元情報を記録した画像(技術)のことをいいます。見る位置、方向によって見える画像が変わり、自然な立体像を作り出すことができることから、究極の立体映像方式と言われ、幅広い研究が行われています。** フォトクロミック分子とは・・・
光によって可逆的に分子構造が変化し、色や分子の性質を変える分子のことをいいます。阿部研究室で開発された高速フォトクロミック分子は、色や分子の性質が高速に変化するといった従来のフォトクロミック分子にはない性質を持っており、外に出た時のみ着色するサングラスやリアルタイムホログラムなどへの応用が期待されています。