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2014.07.02

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横山瑛紀さん(理工・博士前期1年)の研究発表が、「火薬学会2014年度春季研究発表会 優秀講演賞」を受賞

横山瑛紀さん(理工学研究科機械創造コース1年・朝原誠助教・林光一教授研究室所属)の研究発表が、2014年5月22日(火)~ 23日(水) に慶応義塾大学で開催された「火薬学会2014年度春季研究発表会」において、「優秀講演賞」を受賞しました。
同賞は、火薬学会が、春季または秋季研究発表会において行われた研究発表の中で、審査員の評価が高く、「優秀」と認められた上位数名の若手研究者に対しておくるものです。
ちなみに、今回の研究発表会では55件の発表が行なわれ、7件に「優秀講演賞」がおくられました。
横山さんの研究発表題目は、「管内における圧縮水素噴流の自着火機構解明に関する数値解析」です。2015年から国内自動車メーカー等から販売開始が予定されている燃料電池自動車などには高圧水素ガスが使われますが、高圧水素ガスが高圧水素タンクから漏えいした場合、どのような条件で着火するのか、あるいは火炎がどの位の距離まで伝播するのかなど、解明しきれていない部分があるため、安全性を確認する必要があります。
そこで横山さんは、高圧タンクに繋がる長い管内を伝播する高圧水素が,どのように着火するのかという実験では十分かつ詳細に確認できない現象を、水素の詳細な化学反応機構(化学反応において反応物がどのような過程を経て最終生成物に変化していくか)をもとに、大型計算機を使った数値計算によって解き明かしました。
横山さんが大型計算機を使った数値計算に成功し、高圧水素の着火現象を可能にしたことにより、今後、高圧水素の安全性についての条件などが、数値解析から明らかにされることが期待されています。
横山さんの研究は、燃料電池自動車や水素自動車などに使われる高圧水素ガス(約800気圧の水素ガス)を取り扱う上で急務とされる安全性を明確にする実用的な研究であること、高圧のため実験では取扱いにくい現象を精度の高い計算数値解析によって示したこと、不安定な着火現象を新しく見つけたこと等が評価され「優秀講演賞」に値すると認められました。