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尾形周平さん(理工・博士前期1年)が「第4回 CSJ化学フェスタ2014」で「優秀ポスター発表賞」を受賞

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2014.12.2

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尾形周平さん(理工・博士前期1年)が「第4回 CSJ化学フェスタ2014」で「優秀ポスター発表賞」を受賞

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尾形周平さん(理工学研究科化学コース博士前期課程1年・長谷川美貴教授研究室所属)が、2014年10月14日(火) ~ 16日(木) 、タワーホール船堀(於:東京都江戸川区)で開催された「日本化学会秋季事業 第4回CSJ化学フェスタ2014」の「学生ポスター発表」において「優秀ポスター発表賞」を受賞しました。
同賞は、年1回開催されている同フェスタの学生によるポスター発表の中で、複数の審査員による採点の結果、高得点を獲得した発表に対しておくられるものです。
今回のフェスタでは、1,006件の発表が行われ、9件に「最優秀ポスター発表賞」、189件に「優秀ポスター発表賞」がおくられました。

尾形さんの研究発表題目は、「親水性のヘリカルなユウロピウム錯体のウニトゲ表面における発光スペクトル」です。
ユウロピウムなどのレアアース(希土類元素)は、有機物と結合すると錯体* を形成し、紫外線をあてると可視から近赤外領域まで色純度の高い発光を示します。長谷川研究室では、特徴的な発光を示す複数のレアアース錯体** を開発しており、ランタニド錯体*** のひとつであるユーロピウム錯体の開発も手がけていますが、尾形さんは本研究において、長谷川研究室で開発されたユーロピウム錯体をバイオミネラル(骨や歯や貝の殻と同じように、生体の中で合成される無機物)の天然ウニトゲに吸着させ、新しい発光性物質**** をつくることに成功しました。
尾形さんの研究発表は、ランタニド錯体とバイオミネラルを融合するというこれまでにない斬新な組み合わせの新規発光性複合材料を開発したことに加え、プレゼンテーションの内容や質疑応答の態度が高く評価され「第4 回CSJ 化学フェスタ2014「優秀ポスター発表賞」」にふさわしいと認められました。

* 錯体・・・分子またはイオンに、他の原子・分子・イオンが配位結合して生じた物質。たとえば、有機分子と金属イオンが配位結合した錯体の例に、血液中に存在する鉄錯体(ヘム鉄)があり、この鉄錯体は酸素を体内に運搬する役割を担っている。

 

** レアアース錯体・・・レアアース錯体は、有機分子とレアアース(希土類)イオンを結合させた物質。レアアースの定義は様々なカテゴリーがあるが、地球上の存在量が希少である金属や、社会的な需要が多く供給が追いつかないような金属などもレアアースとして扱われる。

 

*** ランタニド錯体・・・ランタニドは、原子番号58から71の14種の元素群を総称しているレアアースである。たとえば、ネオジムやサマリウムは医療機関にあるMRIの永久磁石に、ジスプロシウムはハイブリッドカーに用いられているランタニドである。有機分子と配位結合したユウロピウム錯体およびテルビウム錯体は、紫外線をあてるとそれぞれ赤色および緑色の発光を示す。

 

**** 受賞研究は、長谷川研究室と慶応義塾大学理工学部応用化学科 今井宏明研究室との共同研究です。尾形さんは、本研究への寄与が非常に大きく同フェスタで発表を行いました。本研究成果にいたるまでには、大型放射光施設SPring-8を利用した構造解析を行い、種々の分光学的手法(発光スペクトル、発光寿命、量子収率など)を試すなど、ウニトゲを媒体としたユウロピウム錯体の構造と発光について、精密な解析と度重なる議論が行われました。
長谷川研究室ではウニトゲは、主として黒板で使われているチョークと同じ成分(炭酸カルシウム)でできているため、環境にやさしい材料として注目しています。