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2015.07.21

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須古彩香さん(理工・博士前期2年)が13th ISSP(The 13th International Symposium on Sputtering & Plasma Processes)で「Best Poster Award」を受賞

須古彩香さん(理工学研究科機能物質創成コース博士前期課程2年・重里有三研究室)が、2015年7月8日(水)~10日(金)、京都リサーチパークで開催された「The 13th International Symposium on Sputtering & Plasma Processes(スパッタリングおよびプラズマプロセスに関する第13回国際シンポジウム)」におけるポスター発表(使用言語:英語)で「Best Poster Award」を受賞しました。
同会議は、半導体デバイス、物質科学、無機化学、薄膜工学、環境技術、ナノテクノロジーをはじめとした幅広い学術分野の研究者が集い、様々な機能性薄膜を合成するスパッタリング法とプラズマプロセスについて議論をかわす国際会議で(今回は19ヶ国から約250名が参加)、同賞は、同会議内で行われた115件のポスター発表のうち、特に優秀であると認められた3件におくられました。

須古さんの研究発表は「Study on the crystallization of amorphous IGZO thin films deposited by dc magnetron sputtering(直流マグネトロンスパッタ法で合成したアモルファスIGZO薄膜の結晶化に関する研究)」* です。
須古さんは、近年発明され、透明アモルファス酸化物半導体(性能が優れていることから最近、スマートフォンから高精細の大型液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等に応用されている半導体)として利用されている酸化インジウム・ガリウム・亜鉛(a-IGZO)薄膜のホモロガス構造と呼ばれる層状の結晶成長過程を原子レベルで解明し、薄膜の電気特性や薄膜トランジスタ(TFT)のデバイス特性に与える影響を明らかにしました。この研究成果は、より高機能で耐久性のある様々な光エレクトロニクスデバイスの開発に役立つと期待されています。
なお、本研究は、重里研究室と出光興産株式会社が5年以上にわたって共同で研究を行ってきた産学共同研究成果のひとつです。

 * 同研究は、須古さんの他、以下の研究者が共同研究者として研究にかかわっています。
賈軍軍(青山学院大学理工学部化学・生命科学科助教(重里研究室所属))
中村新一(青山学院大学理工学部附置機器分析センター職員)
宇都野太(出光興産株式会社)
川嶋絵美(青山学院大学理工学研究科機能物質創成コース博士前期課程修了(秋光研究室)、現 出光興産株式会社)
矢野公規(出光興産株式会社)
重里有三(青山学院大学理工学部化学・生命科学科教授) 

また本研究では、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)という複数の原子の配列による酸化物の結晶構造の解析が重要な要素となっていますが、ナノ(原子)レベルの解析を行うにあたって、本学理工学部附置機器分析センターに装備されている透過型電子顕微鏡(400kV-TEM, JEM-4010)を使用しています。

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