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2015.11.05

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鈴木 岳人 助教(理工 物理・数理)が行ったポスター発表が、International Tribology Conference, Tokyo 2015 「Poster Award for Young Tribologists」を受賞

鈴木 岳人 助教(理工学部 物理・数理学科)が行ったポスター発表(代表研究者:川瀬雄哉さん(理工学研究科博士前期課程2015.3修了 松川宏教授研究室))が、2015年9月16日(水)~20日(日) に東京理科大学 葛飾キャンパスで開催されたInternational Tribology Conference, Tokyo 2015において、「Poster Award for Young Tribologists」を受賞しました。

同賞は、日本トライボロジー学会が5年に1回開催する国際会議(International Tribology Conference)で、優れた発表を行った35歳以下の若手研究者に対しておくられます。

鈴木助教の行った発表は、川瀬さんが主として行った研究の成果であり、タイトルは「Numerical Study of Avalanche Size Distribution of Sheared Granular Particles(日本語タイトル:剪断変形された粉体粒子塊の雪崩的崩壊のサイズ分布に関する数値的研究)」です。

マグニチュードの小さい地震ほど発生回数は多く、大きい地震ほど発生回数は少なくなります。実際の観測からも、地震の大きさと発生回数の間にはある種の簡単な関係があることが知られており、Gutenberg-Richter則(GR則)と呼ばれています。本研究では、滑り面に多数の粒子を挟んだバネ・ブロックモデル* を考え、まずGR則が再現されることを確かめました。また、GR則に現れる重要な定数も、ブロックを上から押さえつける力やバネを引っ張るスピードに依存して複雑に変わることを解明し、粉体摩擦の理解を深めました。

鈴木助教が行った発表は、各国から集った50名程度の著名な研究者による審査で、多くの審査員からの推薦を受け、同賞に相応しいと認められました。

* バネ・ブロックモデル・・・ブロックにバネをつけて一定速度で引っ張るという簡単なモデル。ブロックにバネをつけて引っ張ると、はじめブロックは動かないが、ある程度バネが伸びるとドンと動く。そしてまた停止しバネが伸び、ブロックが動く・・・を繰り返す。この一連の動きは、地震サイクルの最も簡単なモデルとして良く用いられる。