TOP

NEWS

POSTED

2016.09.28

TITLE

大村 真樹さん(当時、理工・博士前期2年)が、電気学会「平成27年 電子・情報・システム部門大会 奨励賞」、大岩 孝輔助教(理工・電気電子工)が同学会「同部門誌 論文奨励賞」を受賞

大村 真樹さん(理工学研究科博士前期課程 電気電子工学コース2年(学年は当時)・米山淳教授研究室)の研究発表が、電気学会「平成27年 電子・情報・システム部門大会 奨励賞」、大岩 孝輔助教(理工学部・電気電子工学科)の論文が同学会「同部門誌 論文奨励賞」を受賞しました。

大村さんが受賞した同賞は、同学会平成27年同部門大会(2015年8月26日~28日開催)で今後の研究に期待が持てる優秀な研究発表を行った若手研究者(平成27年1月1日時点で35歳以下の者)に対しておくられるものです。同部門大会では450件の発表があり、うち7件に同賞がおくられました。
一方、大岩助教が受賞した同賞は、平成27年に発刊された同学会同部門発刊の論文誌(電気学会電子・情報システム部門誌)に掲載された若手研究者による論文の中で、同学会同部門が今後の研究に発展性が期待でき奨励に値すると認めた研究に対して授与しているものです。平成27年発刊の論文誌には全部で198本の論文が掲載され、うち7件に同賞がおくられました。


大村さんの研究発表は「不確かさを考慮したコスト保証Non-Fragile出力フィードバック制御則の設計」です。実際のシステムを制御する際には、少なからず制御装置の誤動作や制御ゲイン*1の計算誤差などの不具合が起きることがありますが、そのような不具合が起きても制御系を安定にする設計が求められます。これをnon-fragile制御系設計と言います。大村さんは、本研究で制御装置のみならず、センサー誤差、経年劣化や周囲の環境変化などによるシステム内部の変動に対するnon-fragile制御系設計を行い、さらに、数値解法が容易な制御系設計条件を提案し、提案した手法の有効性をシミュレーションにより確認しました。

大岩助教の論文は「微細加工を用いた副交感神経細胞-心筋細胞共培養系の構築」で、副交感神経細胞と心筋細胞を一緒に培養して、2つの細胞間の関係を明らかにしたものです。
細胞培養は、生体外環境で細胞を培養することで、生体内システムを可視化することができるために注目されている技術です。大岩助教は、自律神経(自分の意思ではコントロールが不可能な神経)の中でも体がゆったりとしている時に強く働く副交感神経細胞と心筋細胞を同時に培養して「副交感神経細胞-心筋細胞共培養系」を構築することで、副交感神経と心臓の間のシステムを可視化し、その仕組みを明らかにしました。大岩助教の研究は、今後、自律神経系の活動異常による疾患(心房細動など)の発生メカニズムの解明や治療手法の開発などに応用できると期待されます。

2015年9月1日(木)、神戸大学で開催された「平成28年電気学会 電子・情報・システム部門大会」において、表彰式が行われました。

なお、同部門大会では、塙俊樹さん(2014年度理工・博士前期課程修了生 大原剛三情報テクノロジー学科准教授研究室)も、「条件付き確率場を用いた発話テキストに対するジェスチャの自動生成」の研究発表で「優秀論文発表賞」を受賞しています。

 *1 制御ゲイン・・・制御系の電圧・電流・電力の入力に対する出力の比。