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2017.02.16

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森本崇志さん(理工・博士前期2年)が、IFHT2016(The Fourth International Forum on Heat Transfer)で「Best Presentation Award」を受賞

森本崇志さん(理工学研究科理工学専攻機械創造コース博士前期課程2年・熊野寛之教授研究室)が、2016年11月2日(水)~4日(金)、仙台国際センターで開催された「The Fourth International Forum on Heat Transfer(略称:IFHT2016、和訳:国際伝熱フォーラム)」(主催:日本伝熱学会)におけるポスター発表で「Best Presentation Award」を受賞しました。
今回で4回目となるIFHTは、世界各地の有力な科学者や技術者が集い、伝熱に関する最新研究・技術動向の情報交換と新たな知恵を模索することを目的として4年ごとに開催されている国際会議です。
森本さんが同フォーラムで行った研究発表は「Heat Transfer Characteristics of Phase Change Emulsion(相変化エマルションの熱伝達特性)」で、潜熱蓄熱システム*1内に独自で作製した「相変化エマルション*2」を流して相変化エマルションの速度を変化させ、それに与える熱量も変えて熱伝達係数(熱エネルギーの伝えやすさを表す値)の変動を調査し、相変化エマルションの潜熱蓄熱材としての有効性を明らかにしようと試みたものです。
森本さんは本研究で、今回使用した相変化エマルションが、熱交換を迅速に行う機能を有すると同時に多量の熱量を蓄えることができ、また水等の流体と比べて、最大で約2.2倍の熱伝達係数を示すことをつきとめ、この相変化エマルションが、潜熱蓄熱システムにおける蓄熱材として十分な性質を有する可能性があることを見出しました。
同フォーラムでは、185件のポスター発表があり、うち特に優れていると認められた12件の研究発表に対して同賞がおくられました。

  • *1 潜熱蓄熱システム・・・液体から固体に、あるいは固体から液体に相変化する際、熱を蓄えたり放出したりする性質を利用する蓄熱法を利用したシステム。
  • *2 相変化エマルション・・・水の中に油が、あるいは油の中に水が分散した状態を「乳化」といい、乳化した液のことを「エマルション」と呼ぶ。エマルションには、マヨネーズや生クリームのように、水の中に油が分散している水中油滴型(O/W型)と、バターやマーガリンなど、油の中に水が分散した油中水滴型(W/O型)がある。森本さんが本研究で用いたのは、水の中に相変化物質(固体から液体に変化する際に多量の潜熱を吸放熱する物質)を分散させた「O/W型相変化エマルション」。