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2021.07.30

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森山夏帆さん(理工学研究科)が「30th International Conference on Photochemistry(ICP2021Virtual)」で「BEST POSTER PRESENTATION」賞を受賞

森山夏帆さん(理工学研究科理工学専攻化学コース博士前期課程1年・阿部二朗教授研究室)が、2021年7月19日(月)~ 23日(金・祝)、オンラインで開催された「30th International Conference on Photochemistry(ICP2021 Virtual)」におけるポスター発表で、「BEST POSTER PRESENTATION」賞を受賞しました。

同会議は、光化学にかかわる研究者が最新の研究成果を発表し、情報交換をする目的で、2年に一度開催される著名な国際会議です。今回はコロナ禍の影響で、残念ながらオンラインで開催されました。7月20日(火)に開催されたポスター発表では、若手研究者および学生が行った97件の発表の中から、特に優れた発表を行った6名に同賞が授与されました。

森山さんの研究発表題目は、「NIR-Light-Induced Photochromic Reaction of Perylene-Based-Biaryl-Bridged Imidazole Dimer(ペリレンを架橋部位に導入した架橋型イミダゾール二量体の近赤外光誘起フォトクロミック反応)」で、逆フォトクロミズムを示す分子骨格に近赤外光応答性を持たせるためにペリレンを架橋部位に導入した新規化合物を合成し、そのフォトクロミック挙動について評価したものです。逆フォトクロミズムとは可視光照射により着色状態から無色状態へと変化し、照射を止めると熱的に元の着色状態へと戻る現象です。可視光応答を示すことから様々な応用が期待されていますが、生体への応用には近赤外領域の光応答性をもつ必要があります。森山さんは近赤外光に応答する逆フォトクロミック分子の開発に成功しました。さらに強い蛍光特性をもつ予想外の異性体の生成を確認し、その異性体の特性について詳細に調べて明らかにしました。

森山さんの発表は、近赤外光に応答する新しいフォトクロミック分子の開発に関する秀逸な研究成果に加え、英語によるプレゼンテーションと質疑応答が優秀であると評価され、同賞に相応しいと認められました。

*フォトクロミック分子とは・・・光によって可逆的に分子構造が変化し、色や分子の性質を変える分子のことをいいます。阿部研究室で開発された高速フォトクロミック分子は、色や分子の性質が高速に変化するといった従来のフォトクロミック分子にはない性質を持っており、外に出た時のみ着色するサングラスやリアルタイムホログラムなどへの応用が期待されています。

BEST POSTER PRESENTATION AWARD賞状

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