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森山夏帆さん(理工学研究科)、西島萌恵さん(理工学研究科)が「2021年光化学討論会」で「優秀学生発表賞」を受賞

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2021.10.28

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森山夏帆さん(理工学研究科)、西島萌恵さん(理工学研究科)が「2021年光化学討論会」で「優秀学生発表賞」を受賞

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2021年9月14日(火)~ 16日(木)、オンラインで開催された「2021年光化学討論会」において、阿部二朗教授(理工学部 化学・生命科学科 機能物質化学研究室)の研究室に所属する森山夏帆さん(理工学研究科理工学専攻博士前期課程 化学コース1年)が「優秀学生発表賞(口頭)」を、西島萌恵さん(理工学研究科理工学専攻博士前期課程化学コース2年)が「優秀学生発表賞(ポスター)」をそれぞれ受賞しました。

この賞は、光化学協会が年1回開催する「光化学討論会」において、学生による研究発表の中から選出され、特に優れていると認められた研究発表に贈られるものです。今年の討論会では10件の口頭発表が審査対象となり、そのうち2人の学生に同賞が贈られました。また、ポスター発表では68件の審査対象のうち、10人の学生に同賞が贈られました。

森山さんの研究発表題目は、「Unexpected Highly Fluorescent Isomer Generated by NIR-Light-Driven Negative Photochromism of Bridged Imidazole Dimers(架橋型イミダゾール二量体の近赤外光誘起逆フォトクロミズムで生成する予想外の高蛍光性異性体)」です。逆フォトクロミズムとは、着色状態に可視光を照射すると無色になり、照射を止めると元の着色状態へと戻る、珍しい色変化を示す現象です。可視光よりも物質や細胞へのダメージが少ない近赤外光を用いることが、逆フォトクロミック分子のさらなる応用に求められています。森山さんは、逆フォトクロミズムを示す分子骨格に近赤外光応答性を持たせるために、ペリレンを架橋部位に導入した新規化合物を合成し、結果として近赤外光に応答する逆フォトクロミック分子の開発に成功しました。さらに、強い蛍光特性を持つ予想外の異性体の生成を確認し、そのメカニズムを詳細に調べ明らかにしました。

森山さんは2021年7月に行われた光化学に関する国際会議「30th International Conference on Photochemistry(ICP2021 Virtual)」におけるポスター発表で、「BEST POSTER PRESENTATION」賞を受賞しました。

西島さんの研究発表題目は、「Experimental Evaluation of Biradical Character from Reactivity of Radical Recombination Reaction(ラジカル再結合反応の反応性によるビラジカル性の実験的評価)」で、二つの不対電子を有するビラジカルについて実験的に評価したものです。ビラジカルは特徴的な電子構造を有することから非常に高い関心が持たれていますが、その高い反応性と不安定性から、ビラジカルの評価方法は間接的手法に限定されていました。西島さんは、紫外光照射によってビラジカル種を生成するフォトクロミック分子に着目し、着色体から消色体へと戻るまでの過程を観測することで、ラジカル再結合反応速度という実験な指標を用いてビラジカル性を見積もることに成功しました。

西島さんは2020年10月に行われたナノ光機能性材料に関する国際会議「5th Nanosynergetics Workshop」において、「Excellent Presentation Prize」を受賞しました。

森山さんと西島さんの各研究発表は、秀逸な研究成果に加え、英語による優秀なプレゼンテーションや質疑応答の態度が評価され、同賞に相応しいと認められました。


*フォトクロミック分子とは・・・光によって可逆的に分子構造が変化し、色や分子の性質を変える分子のことをいいます。阿部研究室で開発された高速フォトクロミック分子は、色や分子の性質が高速に変化するといった従来のフォトクロミック分子にはない性質を持っており、外に出た時のみ着色するサングラスやリアルタイムホログラムなどへの応用が期待されています。

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