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2019年度9月 学部・大学院学位授与式を挙行しました

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2019.9.30

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2019年度9月 学部・大学院学位授与式を挙行しました

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2019年9月28日(土)、青山キャンパスのガウチャー記念礼拝堂にて、学位授与式が執り行われ、166人の卒業生・修了生(学部147人、大学院19人) が新しい門出を迎えました。さわやかな秋空のもと、色づき始めた銀杏並木は、新たな門出を祝う卒業生や保護者などで賑わいました。式では、三木義一学長より、学位記の授与とお祝いの告辞が述べられ、黒沼健 校友会大学部会部会長から祝辞が述べられました。

三木義一学長の告辞

皆さん、ご卒業及び学位取得おめでとうございます。 
皆さんの新たな門出に対し、青山学院大学を代表して、心からのお祝いを申し上げるとともに、卒業生を支えてこられたご家族・ご友人の皆さまに、心よりお慶びを申し上げます。
また、卒業生を指導してくださった先生方、その勉学や生活に必要な様々な支援を与えてくださった職員の方々にも、御礼を申し上げます。

皆さんは、日本の大学の一つである本学で学位を取得されました。ただ、通常の場合と比べると少し遅れました。海外留学その他の積極的な理由や事情のために、あえて9月にした方もいらっしゃるかと思いますが、予定通り行かずに9月にずれ込んでしまった人もいると思います。その人達にとっては、今日はめでたいと同時に自分が少し遅れた、あるいは、マイナスを背負った卒業のように感じているかも知れません。しかし、これからの長い人生の中で、皆さんは何度か躓きマイナスの体験をすると思います。そのとき単なる足し算をするとマイナスが深まりますが、そのときに今回のマイナスとかけ算をすると、プラスになるのです。マイナス10×マイナス10はプラス100であり、それは10と10をかけた100よりもはるかに深みのある100になるはずです。歌人の塚本邦雄さんが「プラス×プラスには、何の陰影もない」と新聞紙上で語っておられたことを思い出します。

考えてみると、私の人生もマイナスだらけでした。そもそも大学入試の時に、東大紛争で東大入試がない、という日本の歴史上一回しかない事態に遭遇しました。当時は、東大に入れない理由にできるからラッキーなどと考えていましたが、学歴社会日本でのマイナス効果が大きいことは、その後学者になってから実感させられました。
大学院では、国立にいながら私立大学の先生の説に魅了され、早めに私立の方に移り、その結果、大変苦労をしました。その後国立大学で教員をしているときに、後に高等裁判所の裁判官になられたある先生からその大学に移るよう説得されました。学者なら当然移るべきなのですが、その一週間前、私は別に私学から誘われ、そちらに移ることを約束してしまっていたのです。悩みましたが、約束を破ることはできないと考え、自分にとっては利益の少ない方を選択することにしました。私に学位を授与してくださった先生が「君が断ったのは評判になっているよ。でも、私は評価するよ」と馬鹿な私に語ってくれたことを思い出します。

要するに、私の人生にはマイナスの選択が非常に多かったのです。マイナスの連続であったかもしれません。それがたまたまうまく掛け合って、今日、ここに青山学院という我が国をリードする私学で、無事卒業された皆さんに話をさせてもらえるという栄誉に浴しているのですから、人生というのはわからないものです。
皆さんが、この卒業を今後の人生に生かされることを切に願っています。

最後に、皆さんは今日学位記を受け取ります。ここでは私だけが述べていますが、皆さんを祝したい気持ちはご列席の各学部長、研究科長は皆同じです。是非、後ほど言葉を交わしてください。また、この学位記は10年後、20年後あるいは50年後のみなさんに再び見られることがあるかもしれません。引っ越しなどの大事なときに、しまっておいたこの証書を発見して、この学位授与式を思い出してくれるかもしれません。50年後に「ゴールデン・ジュビリー」として本学同窓祭に皆さんがこられること、実は私もこの秋高校卒50年目で、高校に行くことにしていますが、その50年後の皆さんが、幸せな皆さんであることを心から祈念して、私の告辞といたします。本日はまことにおめでとうございました。