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2024.03.25

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2023年度大学・大学院学位授与式を挙行

2024年3月25日(月)、2023年度卒業礼拝、大学・大学院学位授与式を青山キャンパスにて執り行いました。

今年度は式典への出席について、卒業生1名につき、ご家族2名までの入場で挙行をしました。
また、インターネット動画にてライブ配信し、保護者等、ご家族の方などにもご覧いただきました。

稲積宏誠学長の式辞 大学・大学院を卒業する皆さんへ

「新型コロナウイルス感染症は、日本国内でも感染者が認められるなど、感染が拡大している状況が見られます。」で始まるメッセージを本学で発信したのが、皆さんの多くが入学した2020年1月でした。
その後、2月には宿泊・飲食を伴うイベント等の中止、学位授与式の中止を発表。
3月には、授業開始日を5月1日に変更することを発表。
4月には、入構禁止を5月末日まで延期することを発表。
5月にはみなさんへのオンライン授業の環境整備支援、いわゆる5万円給付。奨学金の拡充や学費延納措置を発表。「入構禁止措置の段階的な緩和について」を発表しました。
6月には、「課外活動中止の段階的な緩和について」を発表。
7月には、後期授業もオンラインを原則としつつ、一部演習科目について対面授業実施、ただし、地方や海外から首都圏に移動する必要はない旨アナウンスしました。
これが、新型コロナとの長きにわたるつきあい、皆さんの青山学院大学での大学生活の始まりでした。

大学での学びは「課題を発見し、解決する力を身につける」とか「答えのない問題に対してどのように取り組むか」ということなのだと言われます。
期せずして、あの瞬間、私たちは皆このことに取り組むことになります。
本学では、学生ポータルを使わなければ授業の履修手続きそのものができません。いま当然のように利用しているCoursePowerは、当時ほとんどの学部で使われていませんでしたので、ほぼ全員が初心者でした。もちろん、ZoomやWebexといったオンラインミーティングの環境など聞いたこともなかった人が大半だったでしょう。
みなさんは1か月の自学習で、新しい学習環境を身に付けました。いや、そのことを前提にすべてのキャンパスライフをスタートしてもらいました。
ただ、答えのない問題への取組みかたを最も強く問われたのは皆さんよりも大学に携わる私たち、いや社会を動かしている気になっていたオトナたちだったように思います。
あいまいな情報の流布に右往左往する姿、医療やITを含むインフラの脆弱さ。これらからの日本社会の停滞が露呈されました。
また、キャンパスの、いや、大学そのものの存在意義を問われアタフタしてしまう大学人がそこにありました。これが、社会の、また大学の実態でもあります。
一方、皆さんは、たくましく、したたかに、不十分な、また不本意だったであろう大学での取り組みであってもそれを全うしました。
もちろん、私たちにとって新たな発見もありました。学内においても、この間地道に学びの継続を支えてくれた大学スタッフ、また独自の工夫。オンラインでの実験や実習の実現、コミュニケーションツールとしてのオンライン環境の工夫など、教育効果を高める取組も多くなされました。そして今まで教室に来れずに学びが途絶えてしまうような学生が学習機会を得ることができましたし、オンライン環境を活用してより高度な学びを進めていく学生を見ることもできました。
このようなこともまた現実です。

そして何より人と人とのコミュニケーションの大切さを実感しました。面会のできない入院患者が極度に衰弱し、認知能力が急激に低下する姿を見せつけられました。入学後たった1か月でも対面実施ができた皆さんの1年後輩は、皆さんを横目に多くがキャンパスライフにすんなり溶け込んでいったことに驚かされました。悔しい気持ちもありますが、リアルな出会い、コミュニケーションをとることで成長できることも再確認できました。
この間、これら瞬間瞬間に感じたこと、考えたこと、行動してきたこと、特に、どのような場合でも多様な情報に目を向けることの大切さを、是非皆さんの引き出しにしまっておいてください。これは何物にも代えがたい皆さんだけが持つことのできた経験知です。
情報の氾濫の中、その選択と活用が求められ、AIの波が押し寄せる中でも、答えのない問題に取り組み続けなければならないみなさんにとっては、この4年間は貴重なウォーミングアップだったのかもしれません。

あらためて、この間それぞれのやり方で乗り越えてきた勇気ある皆さんに敬意を表するとともに、これからも学び続ける仲間として、ここにエールを送ります。
ご卒業、またご修了おめでとうございます。

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