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2014.09.24

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松川宏教授(理工 物理・数理学科)らの研究グループが「新しい摩擦の法則」を実証

松川宏教授(理工学部物理・数理学科)が、片野祐さん(青山学院大学大学院理工学研究科2013年度卒、現ネットワンシステムズ)、横浜国立大学中野健准教授、島根大学大槻道夫講師との共同研究で、摩擦に関する「新しい法則」を実験的に証明しました。
「摩擦力」とは、ある固体の上に別の固体が載っている場合に、上の固体を滑らそうと外から力を加えたとき、その運動を妨げようと二つの固体の接触面間に働く力を指します。上の固体に滑り運動を起こさせるには「最大静摩擦力」以上の力を外からかける必要があります。 
この最大静摩擦力は、ダ・ヴィンチが最初に発見しフランスのアモントンが17世紀に再発見したため今日では「アモントンの法則」と呼ばれる法則に従い、上の物体の荷重に比例し,二つの固体の見掛けの接触面積に依存しない、とこれまで考えられてきました。最大静摩擦力を荷重で割った量を「静摩擦係数」と呼びます。このアモントンの法則が成り立てば静摩擦係数は荷重にも見掛けの接触面積にも依らない一定の値となります。大槻講師と松川教授は、昨年、計算機シミュレーションと解析計算によって、静摩擦係数は一定ではなく荷重とともに減少する場合があることを予言し、そのときの摩擦係数の従うアモントンの法則に代わる新しい法則を導きました。
今回は実験によって、「摩擦係数は荷重とともに減少し、見掛けの接触面積にも依存する」、つまり「アモントンの法則」は成り立たない場合があることを示し、アモントンの法則に代わる新しい法則を実験的に証明しました。
なお、本研究成果の詳細は、(9月10日付け:日本時間9月11日)に掲載の『Scientific Reports』および以下の解説をご覧ください。

-「新しい摩擦の法則」を実証した原論文-

Yu Katano,Ken Nakano,Michio Otsuki & Hiroshi Matsukawa Novel Friction Law for the Static Friction Force based on Local Precursor Slipping

http://www.nature.com/srep/2014/140910/srep06324/full/srep06324.html

-解説-

松川研究室ウェブサイト