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2015.09.25

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渕 真悟准教授(理工・電気電子工)が共同研究で「情報処理学会 2014年度 論文賞」を受賞

渕 真悟准教授(理工・電気電子工学科)が、綜合警備保障株式会社、ウシオ電気株式会社および名古屋大学との共同研究で「情報処理学会 2014年度 論文賞」を受賞しました。
同賞は、表彰時期(例年6月)の前々年の10月から前年の9月までに同学会論文誌に発表された論文の中で、同学会が優秀と認めた論文に対しておくられます。今回(2014年度)は、対象となった論文が585編あり、うち11件に同賞がおくられました。

受賞論文のタイトルは「有価陶磁器製品に対する人工物メトリクス適用のための研究」で、有価陶磁器が真正なブランドメーカーによって製造されたことを検証できる新しい人工物メトリクス*を提案し、実験によって有効性を示したものです。
有名ブランドや窯元が製造した陶磁器製品は高値で売買されるため、偽造品が製造されています。渕准教授らの研究グループは、陶磁器製品の製造過程で用いる釉薬の中に、新たに開発した赤外線を発光する無色のガラス蛍光体粉末を混ぜて新しい釉薬を作製。その釉薬を塗った箇所に赤外線を照射すると固有のランダムパターンを生成することを実験によって証明し、陶磁器が正規品であるか否かを見分けることに成功しました。
渕准教授は、ガラス蛍光体を陶磁器に溶着させるアイデアの発案、これまで培ってきた技術をもとに赤外線を発光する無色のガラス蛍光体粉末の作製、作製した粉末を混ぜた釉薬を陶磁器に塗って赤外線を照射する実験等に貢献しました。
同研究は、ガラス蛍光体を有価陶磁器に溶着させるというアイデアが斬新であり、新規性が高いこと、また実験によって有効性と実用性を示したこと等が評価され、同賞に値すると認められました。

*人工物メトリクス・・・加工されたものが持つ⼈⼯的な特性を利⽤して、個体を識別する技術。偽装品対策に人工物メトリクスを応用することで、従来不可能といわれていた根本的な偽装品対策の実現が可能になると期待されている。