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2019.02.28

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岩﨑慎平さん(理工・博士前期1年)が第28回日本MRS年次大会で奨励賞 受賞

岩﨑慎平さん(理工学研究科理工学専攻機能物質創成コース博士前期課程1年・重里有三教授研究室)が、2018年12月18日(火)~20日(木)、北九州国際会議場・西日本総合展示場で開催された第28回日本MRS年次大会で「奨励賞(Award for Encouragement of Research)」を受賞しました。

日本MRS年次大会とは、一般社団法人日本MRSが、日本における経済や産業の持続的な成長と、地球環境問題をグローバルな視点から両立させるため、多様な材料の専門家が領域・分野融合的な材料研究に関する情報・技術交換を行ない、日本発のマテリアルズイノベーション(物質・材料の革新技術の創出)につなげることを目指し討論する場です。

同賞は、本大会にて優秀な発表をした研究者個人にその功績を称えることを目的とし、厳正な審査の結果与えられるものです。
28回を迎える今大会で、岩﨑さんの研究成果は「幅広い光エレクトロニクス分野において新規半導体材料デバイス創成のための基盤技術に大きく貢献するものである」という評価を受け、受賞に至りました。

岩﨑さんの研究発表内容は、薄膜トランジスタや光エレクトロニクスデバイスの主要材料である酸化インジウム系透明半導体薄膜の結晶化過程を、リアルタイムでのX線結晶構造解析(in-situ XRD解析)や透過型電子顕微鏡(HREM)を用いて詳細に解析し、結晶化のための活性化エネルギーのカチオン組成依存性を定量的に明らかにした、というものです。

アモルファス(非晶質)の酸化インジウム系薄膜では、錫を添加した場合(ITO)はビックスバイトという立方晶に結晶化しますが、亜鉛とガリウムを添加した場合(IGZO)ホモロガス構造とよばれる六方晶に結晶化します。岩﨑さんは、そのときの活性化エネルギーが大きく異なり、原子の変異による結晶化のメカニズムが組成比によって大きく異なることを定量的に明らかにしました。これらの結晶化のメカニズムは、多様な光エレクトロニクスデバイスの性能を決定する主要な要因となることが知られています。

様々な組成比を持つ薄膜の合成は本学理工学部で、In-situ XRDの解析は九州シンクロトロン光研究センター(公益財団法人佐賀県地域産業支援センター)にて共同研究として行われました。HREMによる解析は、本学理工学部附置機器分析センターにて行われました。

本研究はJSPS科研費JP16K04966の助成を受けたものです。

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