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2020.03.23

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山本大輔助教(物理・数理学科)らが負の絶対温度を利用したフラストレート量子磁性体の解析方法を提唱

山本大輔助教(理工学部 物理・数理学科)らが、負の絶対温度をもつ気体を量子シミュレータとして利用して、フラストレートした量子磁性体を解析する方法を提唱した論文が、2020年3月20日にNature Researchの発行する学術雑誌“Communications Physics”に掲載されました。

掲載論文題目:Frustrated quantum magnetism with Bose gases in triangular optical lattices at negative absolute temperatures
掲載誌:Communications Physics 3, Article number: 56 (2020)
 著者:山本大輔助教(青山学院大学)、福原武ユニットリーダー(理化学研究所)、段下一平准教授(近畿大学)
 DOI:10.1038/s42005-020-0323-5

私たちの身の回りにある通常の物質はケルビンを単位とする絶対温度で測ると正の温度をとります。超高真空中に作られた希薄な原子気体という人工物質では、原子間相互作用などのパラメータを適切に制御することで負の絶対温度を実現することができます。本研究では、この負温度の原子気体が、量子磁性体におけるフラストレーションの効果を解明するための量子シミュレータとして機能することを示しました。この成果は、負の絶対温度という基礎物理学的な概念が、量子デバイスにおける技術要素として大きな応用の可能性を持っていることを示唆します。この論文は物理学の特定分野において、科学者にとって重要な論文であることが認められ、学術雑誌”Communications Physics”に掲載されるに至りました。

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