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長谷川美貴教授(理工学部化学・生命科学科)らの研究グループが北海道大学のキムユナ准教授らと共同で、高導電性酸化還元型レアアースデバイスの開発に成功

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2020.10.21

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長谷川美貴教授(理工学部化学・生命科学科)らの研究グループが北海道大学のキムユナ准教授らと共同で、高導電性酸化還元型レアアースデバイスの開発に成功

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長谷川美貴教授(理工学部化学・生命科学科)らの研究グループは、北海道大学電子科学研究所のキムユナ准教授らの研究グループと共同で、光エネルギー変換特性を示すレアアース*1 (RE)錯体―イオン液体*2 の複合化に成功。これを用いた酸化還元*3 発光応答を示すデバイスを世界に先駆けて開発し、高導電性酸化還元型レアアースデバイスの開発に成功しました。1種の発光体が赤色と青色の発光を発現できる可能性を見出したことで、新たな応用展開が期待されます。なお、この研究成果は2020年9月15日(火)公開の『ACS Applied Materials & Interfaces』(アメリカ化学会発行)に掲載されました。

【ポイント】
○レアアース錯体―イオン液体複合発光体を用いたデバイスの開発に成功。
○酸化還元電位でレアアースの価数制御に伴う発光能を変調する仕組みを解明。
○省レアアース型発光性デバイスの進展に期待。

デバイスを作る時の素材は、電気を効率よく流すことが条件で、キム准教授らはこれまでもイオン液体を用いた分子性電子材料開発で実績を上げていました。
一方、今回用いた発光性RE錯体は、螺旋型の有機分子がREイオンに巻き付くような分子構造を持っており、有機分子が紫外線を吸収するとともにそのエネルギーを赤色の発光として変換する光機能を持っています。

また、長谷川教授らはこの錯体が一般的な有機溶媒だけでなく、特殊な有機溶媒であるイオン液体中でも分解しないことを証明しており、本共同研究により高流動性・高電気伝導性発光体として今回のデバイスに適用しました。
REには、価数が3価の時に赤色の、2価の時に青色の発光を示すユウロピウムを用いている。従来は困難であったユウロピウムの酸化還元応答をデバイスにかける電位の変調で誘導し、1種の発光体が赤色と青色の発光を発現できる可能性を見出したことで、新たな応用展開が期待されます。

なお、本研究は、文部科学省・科学研究費補助金 若手研究、新学術領域研究「ソフトクリスタル」及び基盤研究(C)、公益財団法人マツダ財団研究助成などのサポートを受けて実施されました。

本研究成果は、2020年9月15日(火)公開の『ACS Applied Materials & Interfaces』(アメリカ化学会発行)に掲載されました。


  • *1 レアアース...15種の元素(元素記号La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu)の総称。永久磁石や発光体あるいはコンデンサーなどに用いられる。

  • *2 イオン液体...芳香族のような性質を有する正の電荷を帯びた化学種と負の電荷を帯びた化学種により成り立つ。蒸気圧がほとんどない、難燃性で熱安定性や電気化学的安定性が高い、イオン電導性・電気伝導性が高い、幅広い温度領域で液体状態であるといった特徴を有する。

  • *3 酸化還元...電気的に原子の中の電子の数(原子価)を変えること。酸化は価数が正の方向に増大することで、還元は原子価が小さくなること。

【論文詳細】
・論文名 Electrofluorochromic Device Based on a Redox-Active Europium (III) Complex(レドックス応答性を有するユウロピウム複合体を適用した電場応答型発光色変調デバイスの開発)
・著者名 キムユナ1,大曲仁美2,佐相輝2,玉置信之1,長谷川美貴2(1北海道大学電子科学研究所,2青山学院大学理工学部化学・生命科学科)
・雑誌名 ACS Applied Materials & Interfaces(アメリカ化学会の専門誌)
・DOI 10.1021/acsami.0c13765
・公表日 2020年9月15日(火)

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