TOP

NEWS

POSTED

2025.05.22

TITLE

【国際政治経済学部】日本初、抱井尚子教授(国際コミュニケーション学科)らの研究グループが看護学研究者のための包括的「混合研究法eラーニング」を開発・公開 ~混合研究法を誰でも・どこでも学べる時代へ~

抱井尚子教授(国際政治経済学部 国際コミュニケーション学科)らの研究グループが、本学「総合プロジェクト研究所」の2020年度~2024年度プロジェクトとして「混合研究法教育開発センター」(基盤研究(B)(一般) 課題番号:23K20342)を立ち上げ、日本初の本格的な看護学研究者のための「混合研究法*(Mixed Methods Research)」eラーニングを開発し、一般公開を開始しました。

2015年に発足した「日本混合研究法学会(JSMMR)」において、会員の約40%は看護学研究者(看護系大学院生を含む)であり、混合研究法は、世界的に看護学領域において高い関心を集めています。その背景には、看護という専門職が、人の「こころ」(質的側面)と「からだ」(量的側面)の両方に関わるケアを担っているという特性があります。こうした点を踏まえ、本研究では看護学研究者の学習を支援するeラーニング教材を開発しました。今後は、教育、心理、ビジネスなど、他分野への応用も視野に入れています。


*混合研究法:質的データと量的データの両方を活用し、複雑な現象を多角的に解明する第3の研究アプローチです。 研究計画の段階で、質と量のデータをいつ収集し、どの時点で統合するのかを決める必要があります。量と質のデータの間を研究者が行き来することによって、はじめて「その事象が何であるのか」、あるいは「そこで何が生じているのか」を深く、立体的に理解・解釈できるようになります。質と量2種の異なるデータを混ぜ合わせて、新しい発見を行うことができるのが混合研究法です。

研究(教材)概要

本プロジェクトで使用する教材は、看護学分野の研究者・大学院生を主な対象として構想され、「混合研究法」を独学で学ぶことが難しいという現場の声を受けて開発されました。教材設計にあたっては、日本の看護研究者および海外の専門家への調査を実施し、学習者が直面する主な課題である、研究デザイン、質量データの統合、論文執筆を踏まえた内容となっています。
特徴は、日本の伝統的な学習モデル「守・破・離」を応用した構成にあります。初学者が基礎から学び、次第に応用・創造的なアプローチへと進めるよう段階的に設計しました。10〜20分程度の動画40本超を収録し、クイズやまとめ動画も含まれています。さらに、John Creswell, Ph.D.(University of Michigan Medical School)やPat Bazeley, Ph.D.(Western Sydney University)など、世界的な混合研究法の第一人者による特別講義も収録(日本語字幕付き)されており、国内外の知見を融合した実践的な教材になっています。

関連情報