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2025.06.26
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【理工学部】岩田遼助教(経営システム工学科)が「日本経営システム学会」で「論文奨励賞」を受賞
2025年5月31日(土)、岩田遼助教(理工学部 経営システム工学科、経営管理システム研究室(熊谷敏教授研究室))が、日本経営システム学会において、「競争環境を考慮したエージェント・ベースの最寄品普及モデル」と題した論文を投稿し、「論文奨励賞」を受賞しました。
岩田助教が投稿した論文「競争環境を考慮したエージェント・ベースの最寄品普及モデル」では、販売促進や口コミのマーケティングに関する事象が起きた時に、「消費者や企業はどう行動して、それが売上に影響するのか」など、実際には意図的に起こすことができない事象を特定の諸条件で発生させ、消費者や企業の動きをシミュレーションし、効果的なマーケティングの検討に役立つモデルについてまとめています。
研究背景
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどから発売される多くの新商品の販売期間が短縮化されていて、市場で持続する商品が少なくなっています。新商品を市場に投入するメーカーと、それを販売する流通は、特に寿命が短い商品の売上下落に歯止めをかけて、販売期間を長期化するマーケティング施策を検討することが課題です。そのようなマーケティング施策を検討するにあたって、企業は新商品普及とその過程で発生する売上下落現象の要因を理解する必要があります。そこで本研究では、消費者の購買行動、口コミ、企業の販売促進、企業間の競争など、意思決定主体をエージェントとして行動をモデル化することにより、エージェント間の作用と意思決定が新商品普及過程と売上下落現象へどのように影響するのかを分析しました。
研究概要
この研究では、消費者と企業をエージェントとしました。消費者エージェントが、企業エージェントと競合企業エージェント実施のプロモーションに接触して、購入確率やその他の条件で商品を購入したり購入しなかったりする、つまり商品購入有無の状態になる反応をモデリングしました。消費者エージェントは、口コミを介して他の消費者エージェントに情報の発信を行って、受信側の消費者エージェントに影響を及ぼします。これらのプロセスを多数のエージェントで同時に繰り返すことで、消費者エージェントごとの商品購入有無をシミュレートできます。それぞれのプロセスを調査・研究に基づくモデルで記述することで、商品の市場投入から商品購入までのシミュレーションを構築し、新商品普及過程と売上下落現象の要因を把握しました。

受賞者からのコメント
岩田遼助教(理工学部 経営システム工学科、経営管理システム研究室(熊谷敏教授研究室))
このたびは論文奨励賞を頂戴し、誠に光栄に思います。今回受賞した論文は、私が社会人ドクターの時に書いたもので、経営システムの実務的にも学術的にも貢献できるようなものを目指してきましたので、心よりうれしく思います。この賞は私一人の力ではなく、これまで多くのご指導・ご支援をくださった方々のおかげです。共同研究者の蔵本薫先生と熊谷敏先生に改めて心からお礼申し上げます。また、今回の研究を進める過程で多くの貴重なコメント・助言をいただきました査読者の先生方、学会発表でコメントいただきました先生方に感謝申し上げます。今後は、これまで以上に経営システムの研究に尽力してまいります。
