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NEWS(ジェンダー研究センター)

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2023.01.12

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イベント「褒め言葉が実は差別?!〜マイクロアグレッションについて学ぼう〜」開催報告

2022年12月21日(水)の3限の時間(13:20〜14:50)、ジェンダー研究センターは本学の学生団体である「ジェンダー研究・ボランティア愛好会Tetote」(以下「Tetote」)と共同でイベント「褒め言葉が実は差別?!〜マイクロアグレッションについて学ぼう〜」を開催しました。
マイクロアグレッションとは、明らかな差別に見えなくとも、先入観や偏見を基にマイノリティ属性を持つ人を傷つける行為のことを指します。例えば、会議で「やっぱり女性は共感性がありますね」と発言する、”外国人風”の見た目の人に対して「日本語上手ですね」とほめる…などが当たります。
今回は、在日コリアンカウンセリング&コミュニティセンター(ZAC)でセンター長を務めながらマイクロアグレッションについての翻訳出版や調査活動も行なっている丸一俊介さんにイベントの前半部分でレクチャーをしていただき、後半ではTetoteの用意した資料を基に参加者同士でディスカッションをしてもらうことによって、学びを実践につなげる練習をしてもらいました。
メインの開催は青山キャンパスでしたが、当日は相模原キャンパスにもオンラインでつなぎ、相模原の学生さんにもレクチャーパートのみではありますがイベントにご参加いただきました。

丸一さんのレクチャーパートでは、マイクロアグレッションの特徴、マイクロアグレッションがもたらす影響、そしてマイクロアグレッションを見かけた場合の対処法と被害者のサポート方法などを説明していただきました。
また、どのような人がマイクロアグレッションを起こしやすいかについての説明もありました。マイクロアグレッションは、マジョリティからマイノリティに行われることがその特徴の一つなのですが、私たちは誰しもマジョリティの面とマイノリティの面を持っています。つまり、誰しもが加害者にも被害者にもなり得るのです。丸一さんの用意した「自分のマジョリティ性、マイノリティ性に気づくワーク」を通して、自分たちの中にある両面性に気づきを得て、当事者意識を持つことができたのではないかと思います。

ディスカッションパートは、Tetoteが用意したさまざまなマイクロアグレッションの事例を基に、「どんな偏見がそこにあるのか?」「第三者として居合わせた場合、何ができるか?」と参加者同士で考えました。例えば相手の性的指向を考慮せず「彼女はいるの?」と限定的な質問をする事例、中国の方と知り合った際に「日本語が上手だし、日本人にしか見えませんね!」と褒める事例・・・などなど、日常的なキャンパスライフでも起こり得るシチュエーションを例として検討することによって、マイクロアグレッションをより身近に捉えることができ、また、共にキャンパスで学ぶ青学生たちの多様性に気づくことができたのではないでしょうか。

イベント後に実施したアンケートでは「自分自身のマジョリティとしての加害性について知ることができた」、「自身が気づけていなかったマイクロアグレッションに気がつくことができた」など、自身の言動について見つめ直すきっかけになったとの声を多くいただきました。また、ディスカッションが有意義だったとの感想もありました。

今回のイベントについては、センター内部でも「大変有意義だった」、「また是非開催したい」との声が上がるなど好評だったこともあり、2023年度以降も引き続き実施していきたいと考えています。