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2025.07.25

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日本初*となる自動化書庫オートライブの新機能「セルフブース」を「マクレイ記念館」で運用開始 ~「知」へのアクセスの可能性に大きな広がり~

青山キャンパスの「マクレイ記念館」図書館フロアの4~6階では、日本ファイリング株式会社(東京都千代田区・代表取締役社長・田嶋譲太郎)協力のもと、80万冊の収蔵能力を持つ自動化書庫(製品名Auto Lib./オートライブ)を設置しました。利用者自身が自動化書庫を操作し、専用ブースより資料を取り出すという「セルフブース」システムを2025年4月から本学にて、運用を開始しました。

自動化書庫は資料をラックに高密度保管し、膨大な資料の中から取出し口である出納ステーションに自動で資料が搬送されるシステムです。従来、出納ステーションに届いた資料を利用者に手渡す業務は図書館スタッフが行っていましたが、ICタグを用いて情報を一元化し、利用者が「セルフブース」から直接資料を取り出せるシステムを整えることで、さらなる迅速化・省力化を実現しました。

*日本ファイリング調べ

▼マクレイ記念館
青山学院創立150周年記念事業の一環として位置付け、学院創立150周年を迎えた2024年に、青山キャンパスにオープンした総合的な学術情報施設です。 一つの建物の中に図書館、情報メディアセンター、さらにアカデミックライティングセンターが集約されており、地下1階・地上1階の情報学習フロアと、地上2~6階の図書館フロアで構成されています。情報学習フロアは「知との出会い」を実現する空間として、全学生に関連のあるPC教室、語学や最先端のICT(情報通信技術)を学べる設備環境となっています。    
     
また図書館フロアの2~4階は「知を拡げる」場所として、個人で文献を読むだけでなく、学生同士で学び合えるラーニングコモンズなどを設けています。5~6階は「知を深める」ための専門的な文献や研究個室のほか、学外とのオンライン会議にも対応できるプレゼンテーションルームを配置し、より専門性の高い学習や討論のできる環境を提供しています。マクレイ記念館は、青山学院大学における新たな「知の拠点」として教育研究の中核施設の一つとなり、さらには社会貢献へのつながりも期待されています。

▼日本ファイリング株式会社
1924年に日本で初めてスチール家具の生産に着手し、2025年2月に創業101年を迎えました。図書館や医療機関、物流全般の保管システムに一貫して取り組んできた専業メーカーで、とくに公共・学校図書館ともに自動化書庫だけでなく一般書架・家具なども含め多くの納入実績を持ちます。

日本国内の自動化書庫において、日本ファイリングがトップシェアを誇り、世界初の自動化書庫は1991年カルフォルニア大学ノースリッジ校で導入し、その後直ぐには普及せず、日米とも2000年以降に本格的に普及しました。日本では2000年9月に国際基督教大学図書館に初めて納入しました。今回の青山学院大学マクレイ記念館への納入は日本ファイリングにとって53館目の実績となり、現在までに54館の納入実績を有します。

導入メリット

<利用者のメリット>~指定時間に効率良く、スピーディーに資料を取り出せる~

利用者はキャンパス内のPC端末や学内無線LANに接続したスマートフォンで資料を検索し、時間を指定して予約できます。指定時間にセルフブースで図書館利用カードをかざすことで、第三者の手を介さず、スピーディーに資料を取り出し、閲覧することが可能となります。こうしたシステムを通じて、図書館の「知」へのアクセスの効率化を図り、図書館としての機能の「進化」に大きな役割を果たしています。

また、自動化書庫は「ダブルコンテナ方式(格納コンテナの表裏両面使用可能)」、「サイズ別フリーロケーション(資料の格納場所を決めず、空きコンテナであればどこにでも入庫可能)」という独自の特徴を持ち、高い収容能力を有します。

バーコードやICタグで管理された図書館検索システムと連動し、資料の利用状況や保管状況がリアルタイムで確認でき、出庫操作後1冊目は約2~3分、2冊目からは最短約30秒で搬出可能です。通常1冊の資料を取り出すために要する時間は概ね15~30分と言われており、大幅な時間短縮が可能となります。また返却資料も30分以内に約250冊再収蔵する能力があるなど、次の利用者に貸出可能な状態になるまでの作業を極めて短時間で行うことができ、利用者サービスの向上にも貢献できます。

<図書館のメリット>~業務の効率化と省力化を実現~

利用者自身による資料の貸し出しが可能となる「セルフブース」は、利用者サービスの向上とともに図書館スタッフの作業を軽減する自動化書庫の新しい形として、今後の大学図書館や公共図書館におけるスマート化・省人化のモデルケースとなることが期待されます。

図書館スタッフが不在の際も利用者が出庫操作できるため、業務の効率化につながると同時に、これまでは、スタッフの人手不足によりサービスの提供が難しかった夜間の時間帯についても、自動化書庫内の資料提供が可能となり、スタッフ・利用者の双方にメリットが生まれました。

さらに従来、定期的に実施していた蔵書点検には膨大な時間と人手が掛かっていましたが、蔵書点検機能が付与された本システムでは基本的に資料返却時に蔵書点検が行われるため、大幅な作業コストを削減できます。

利用者の声(学生、教職員)

・授業の合間など、時間が空いた時に出庫予約して利用しています。今までは出庫口のスタッフの方に本を取り出していただきましたが、自動化書庫は都合の良いタイミングや休み時間等の混雑時も待たずに本を取り出すことができるので便利です。(文学部 史学科3年)

・初めての利用でしたが、操作など戸惑うことなく使用でき、本がすぐ取り出せることは便利だと感じました。自動化書庫はガラス張りになっているため、コンテナに入った本が出てくるところが見えるのも興味深かったです。(経済学部 経済学科1年)

・授業で扱った資料や書籍が自動化書庫にある時など、スマートフォンから出庫予約をして、授業後等に本を取りに行っています。自分のタイミングに合わせ、本が取り出せることは便利ですし、予約した本以外でも、同じコンテナの中に読みたい本があった場合、同時に取り出せるところも便利です。(法学部 法学科3年)

・夜間でも事前予約のうえ平日は20時まで利用可能なので、便利で助かっています。(専門職大学院生)

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