TOP

NEWS(リエゾンセンター)

POSTED

2025.07.29

TITLE

【理工学研究科】野中 敬翔さんの研究テーマが国立研究開発法人 産業技術総合研究所のディープテック研究開発「令和7年度 覚醒プロジェクト」に採択されました

国立研究開発法人 産業技術総合研究所によるディープテック分野の若手研究人材の支援・育成事業研究開発「令和7年度 覚醒プロジェクト」に本学の野中 敬翔さん(大学院理工学研究科・理工学専攻・機能物質創成コース・春山研究室 博士前期課程2年)の申請テーマが採択されました。厳選された27名の一人として採択され、その成功が大いに期待されます。

野中さんの研究テーマは「英語論文のCJK翻訳における文書構造及び文脈保持技術の開発」です。これは、英語学術論文・洋書PDFを日本語・中国語・韓国語に翻訳する際に、図表・数式・段落構造・文脈を壊さず、「まるで最初から日本語(中国語・韓国語)で書かれていたかのようなPDF」を自動生成する翻訳技術開発を目指すものです。2025年7月2日にようやく最初の関連論文とそのオープンソースソフトウェア(OSS)が登場したばかりという、まさに誕生したての極めて新しい分野に基づくものです。

既存の翻訳ツールでは、レイアウトの崩れや数式の認識ミス、文脈の不自然さといった問題があることは周知の事実でしたが、レイアウト解析/認識モデル・命令列解析・大規模言語モデル(LLM)を組み合わせたアプローチにより、これらの課題克服に挑戦するものです。完成すれば、英語学術文献や洋書をアジア圏の母国語(日本語・中国語・韓国語)で容易に正確に自然に読み進められる道を大きく拓きます。英語に精通しない研究者の専門の研究効率向上はもちろん、専門外分野や研究者以外の方々にとっても学術文献が身近になり、更に、教育現場での洋書活用や、出版・編集業界における翻訳・要約作業の負担軽減など、将来幅広い分野での応用が大いに期待されます。

<関連情報>