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NEWS(リエゾンセンター)

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2025.12.23

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研究発信イベント「AGU Re:Search Forum 2025~未来を拓く問い~」を開催

研究発信イベント「AGU Re:Search Forum 2025~未来を拓く問い~」

2025年12月3日(水)に、研究発信イベント『AGU Re:Search Forum 2025~未来を拓く問い~』を青山キャンパスにて開催しました。

本フォーラムは、人文・社会科学から理工学まで、青山学院大学における多様な研究活動を広く社会へ発信するとともに、内外の研究者、産業界、自治体や社会との間での分野横断的な交流・連携を促進することを目的として開催するフォーラムの第一回目となります。当日は、多くの企業関係者、出版関係者、一般の方々にご来場いただきました。


開催日:2025年12月3日(水)14:00-
プログラム:
[プレナリーセッション]
 講演:総合文化政策学部 教授 福岡 伸一
 開会挨拶:副学長 中里宗敬
 主催者挨拶:統合研究機構リエゾンセンター長 戸辺義人
 司会進行:経営学部 教授 横山 暁

[ポスターセッション](研究発表)
 参加ポスター数 56件

[交流会]

プレナリーセッション 『分野の垣根を超えて発信すること〜世界は「分けてもわからない」からこそ伝えたいこと』

プレナリーセッションでは、本学総合文化政策学部 福岡伸一教授による講演『分野の垣根を超えて発信すること〜世界は「分けてもわからない」からこそ伝えたいこと』を行いました。

福岡教授は自らの研究活動を、自身の興味の赴くまま狭く小さな穴を深く掘り進めたところ、図らずもいろいろな水脈と出会い、それらが縦糸に横糸を通すような活動となって広がったと表現。幼少期に生物学に興味を持つに至ったきっかけ、両親から買い与えられた顕微鏡に始まり、好きなものの源流を追求する中で展開した商人アントニ・ファン・レーウェンフックと画家ヨハネス・フェルメールの物語、また長年の研究活動の中でたどり着いた生命論のキーワードであり、従来の機械論的な考え方に対してパラダイムシフトをもたらす「動的平衡」について、その考えに至った経緯が語られました。

「動的平衡」とは、生命を流れとして捉え、つくることよりも壊すことが優先、変わらないために変わり続ける、分解と合成の絶えまない均衡であり、これが2025年開催の大阪・関西万博(EXPO2025)テーマ事業「いのちを知る」のシグネチャーパビリオン〈いのち動的平衡館〉へと繋がったこと、またパビリオンへの思いを語りました。また、今回のパビリオンで、生命的なバランスの上に成り立つ建築物と展示を作り出すことができたのは、大学で行った研究などの知的活動を社会に還元・発信する責任の一つの表現法と考えていると述べました。

最後に、一つの小さな穴を掘り進めるのが自身の研究のプロセスであり、それが図らずも、色々な水脈に繋がり、多様な形で、社会のさまざまな方々にリーチすることができることとなった一つのケーススタディとして受け止めてほしいと締め括りました。

ポスターセッション

ポスターセッションには、文学、考古学、教育科学から政治、経済、経営といった人文社会科学をはじめ、物理学、化学、電気工学、機械工学、情報工学などの理工学分野まで、多様な学術領域を専門とする研究者が集いました。また今回、学術関連の出版社、調査会社のブースも設けられ、6社が出展し、研究者や来場者の関心を集めていました。

来場者からは、「直接研究者との意見交換ができる貴重な機会だった」「多様な発表内容に触れることは自身の刺激になった」「産学連携や分野融合の研究を知ることで、自身の生き方に影響を受ける可能性がある」など、好意的な反響がありました。最後に場所を移して、アイビーホール茶珈堂で行われた交流会では、研究者と多くの企業・出版関係者、一般の方々との間でさらなる情報交換がなされ、交流を深める機会となりました。