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EVENT(学外講座)
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2025.06.05 - 2025.07.03
TITLE
【青山キャンパスアカデメイア】江戸文化を知ることはこれからの世界で輝くための知恵 前編
蔦屋重三郎の「吉原細見」に、江戸を代表する音楽家の一人として都一中の名があります。当時音楽は、演奏を聴くだけでなく、自ら浄瑠璃を語ることで誰もが音楽を楽しんでいました。
劇場音楽であった浄瑠璃は、庶民に馴染み深い儒教や仏教、和歌、漢詩をふまえて、古代からの歴史上のさまざまな物語や、江戸時代の日本各地で起こった事件を題材に作られました。
つまり、三味線音楽には神話の時代から始まる日本文化の全てが集約されており、人々は音楽を通して日本文化の真髄を身につけることができたのです。
そしてそれが世界中が憧れる江戸文化となりました。
当講座は、江戸文化の浄瑠璃を自ら声を出して音の意味合いを深く味わいながら、世界で通用する日本文化の教養を身につける講座です。
目標、重点を置く学習内容
【当講座の目的】
当講座の目的は、日本の伝統芸能である浄瑠璃(じょうるり)の体験を通じて、現代社会の変化の中で、日本人としての在り方を見つめ直し、これからの世界を生きていくための新たな発想を得ることにあります。
【浄瑠璃とは】
浄瑠璃とは、三味線の調べにのせて物語を語る「語り芸」の一つであり、独特の抑揚や韻律を用いた表現によって、登場人物の心情や情景を立体的に描き出す芸能です。
江戸時代においては、人々は日常的に浄瑠璃を稽古していたとの記録があり、歌舞伎と並ぶ大衆文化として隆盛を極めました。
浄瑠璃は単なる娯楽にとどまらず、言葉の響きや節回しを通じて、聴く者の感性を刺激し、想像力を養う知的営みでもありました。
かつての日本人は、浄瑠璃を日常的に親しむことで、豊かな発想力と美意識を育み、それを思想や文学、さらには医学や数学といった自然科学の分野にまで昇華させていきました。その結果、日本文化は独自の洗練を遂げ世界からも憧憬の念をもって称えられる高度な文化に発展したと言っても過言ではありません。
【本講座の特色】
本講座では、一中節「猩々(しょうじょう)」と「泰平船尽(たいへいふなづくし)」の浄瑠璃を三味線の音色に合わせて皆さんと"語る"ことで学びを深めていきます。
江戸時代に、人々の心の隅々にまで浸透していた三味線音楽には、奈良時代から千年以上の時間をかけて積み重ねられた、日本の文化、日本人の教養のすべてが溶け込んでいます。
そしてこの実践的な学習を通じて、近代化の過程で失われつつある日本人本来の感性や創造力を呼び覚まし、未来を切り拓く知性と行動力を養うことを目指しております。
初心者の方にもわかりやすく、基礎から丁寧に指導することを目指します。
一緒に日本文化の奥深さを探求し、新たな視点を見出していきましょう。
一回毎に完結した内容で進めますので、途中お休みになられても理解に問題ありません。ゆるゆるとしたお気持ちでご参加ください。
受講対象者
日本音楽の経験が全くない方こそ大歓迎です。
三味線をとにかく直接聴いてみたいというご興味だけでも大歓迎です。学生の方々はもちろん、社会人の方もご高齢の方も、どなたでも楽しんで学んでいただける講座です。
受講料
24,000円
受講場所
青山学院大学 青山キャンパス
※教室が決定いたしましたら、マイページを通じて改めてお知らせいたします。
必須テキスト・参考図書
受講に際して稽古本と音源を購入していただきます。
合わせて3,000円〜4,000円程度です。
受講に関しての注意事項など
・最少催行人数を設けております。最少催行人数に達しなかった場合には、講座を中止させていただくことがございます。
・講座の録音・録画・写真撮影は、ご遠慮ください。
・講義中は、携帯電話の電源を切るかマナーモードに設定してください。教室内での通話はご遠慮ください。
講座スケジュール(各回の講義予定)
1 | 6月5日
19:00~20:30 |
課題曲「猩々」 猩々は、一人の青年がたまたまみた夢をすぐに実行にうつし、時の経つうちに実際に夢に見た通りになり、さらにその夢を大きく超える成功を手にするという物語です。音楽を演奏するということは、心の中に理想的な音を思い浮かべて、それをすぐに楽器の音や声にすることです。つまり思い浮かべたことを現実化することなのです。日本音楽には練習曲というものはありません。まず歴史的名曲の理想的な音を直接聞いて、少しずつ真似て声を出しながら、その体験を通して日本語の伝統的な発声の仕方、言葉の音としてまた、響きとしての意味を感性で身につけていきます。それによって文献や資料を裏付けする、それが書かれた時代の人々の想いや考えへの理解が、身体に染み渡るように深まっていきます。これは体験しなければ決して理解できないことですが、一度でも体験すればどなたでもすぐに必ず腑に落ちることなのです。この回では、夢が叶うか叶わないかの心のあり方の違いが、言葉の響きと音の動きの意味によって簡単にしかもハッキリと理解できるはずです。そして真に人生に成功する心の持ちようを身につけます。 |
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2 | 6月12日
19:00~20:30 |
課題曲「猩々」 猩々の物語の中で青年が見た夢は、富貴の身となるというものでした。言葉の意味は発声の仕方により正反対の内容にもなります。心で思っていることと違うことを言ってしまう、または立場上言わなければならない、あるいは言わされてしまう場合でも、言葉の響きには心で思っていることが現れてしまうものなのです。つまり言葉の真実の意味は響きとして伝わります。言葉の真実の意味の響きを聞き分けるには、それなりの訓練が必要です。浄瑠璃の稽古はそのことの訓練そのものなので、浄瑠璃を稽古すれば自然に言葉の真実の意味を明確に聞き分けられるようになります。この回では、言葉の響きとしての意味(心で思っていること)を聞き分ける方法を浄瑠璃の語り方の稽古で身につけ、富貴という、真の豊かな日々を過ごす実感を感じとり、実生活を喜びに満ちたものにします。 |
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3 | 6月19日
19:00~20:30 |
課題曲「猩々」 夢を信じて少しも疑わなかった青年は、富貴の身となった後、猩々という不思議な存在に出会い、夢を信じた素直な心を愛でられて無限の富を与えられます。富はある一定のところまでは幸せを招きますが、度を越した富は間違いなく人生を不幸なものにします。青年が猩々から与えられた無限の富は、人生を不幸にしない「中庸の徳」でした。中庸とはちょうど良いこと。この回は、中庸の徳を浄瑠璃で感じとり、実生活において、真に高い志を持って生きることの大切さを身につけます。 |
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4 | 6月26日
19:00~20:30 |
課題曲「泰平船尽(たいへいふなづくし) この曲の主人公は、中国の歴史を学ぶ時まず知らなければならない古代の名君「黄帝(こうてい)」です。黄帝がいかにして国を平和にし民を幸せにしたかの物語を浄瑠璃を語りながら学びます。国が栄えるも滅びるも、リーダーの精神のあり方一つだということを目の当たりにしている現代において、国を栄えさせるリーダーとはスタッフとはを、この曲から実感として学ぶことができます。これは国家だけでなく企業などのあらゆる組織に共通のリーダーの精神で、時代を超えて普遍的な精神のあり方です。この回は、リーダーの精神のあり方を浄瑠璃から実感して、これから世界の様々な組織でリーダーとなって、日本人としての誇りを持って範を示す方法を身につけます。 |
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5 | 7月3日
19:00~20:30 |
課題曲「泰平船尽(たいへいふなづくし)」 前回第4回で学んだ、理想的なリーダーの精神を実際に行うためには、実務に優れたスタッフが必要です。あらゆる組織において言えることですが、リーダーがいくら高邁な精神を持っていても、スタッフがリーダーの精神を我がこととして深く理解していなければ、良い結果を出すことはできないと思います。この回では、黄帝の優れた臣下が黄帝の心を我が心として黄帝の理想を見事に実現する過程を浄瑠璃で体験し、組織運営にとって欠かせない、理想的スタッフの精神のあり方を身につけます。 |
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6 | 7月10日
19:00~20:30 |
1回から5回まで学んだ浄瑠璃の体験をもとに、日本人とは何か、日本文化とは何かをさらに奥深く考察します。日本だけでなく世界全体を未来に向かって理想的なものにするためには、日本人の伝統的な考え方がいかに重要であるかを、浄瑠璃の中に含まれている歴史的蓄積から学びます。
日本は、有史以来同一地域同一国家であり続けている、世界唯一の国です。なぜそのようなことができたかの秘密は、日本人のものの感じ方考え方にあります。その日本人の独特の感じ方考え方は、浄瑠璃の中にすべて溶け込んでいます。浄瑠璃を身につけることは、世界を全ての人にとって平和で豊かなものににするために、必要不可欠なものということを再認識してこの講義の前編を終えます。 |
1 | 6月5日
19:00~20:30 |
課題曲「猩々」 猩々は、一人の青年がたまたまみた夢をすぐに実行にうつし、時の経つうちに実際に夢に見た通りになり、さらにその夢を大きく超える成功を手にするという物語です。音楽を演奏するということは、心の中に理想的な音を思い浮かべて、それをすぐに楽器の音や声にすることです。つまり思い浮かべたことを現実化することなのです。日本音楽には練習曲というものはありません。まず歴史的名曲の理想的な音を直接聞いて、少しずつ真似て声を出しながら、その体験を通して日本語の伝統的な発声の仕方、言葉の音としてまた、響きとしての意味を感性で身につけていきます。それによって文献や資料を裏付けする、それが書かれた時代の人々の想いや考えへの理解が、身体に染み渡るように深まっていきます。これは体験しなければ決して理解できないことですが、一度でも体験すればどなたでもすぐに必ず腑に落ちることなのです。この回では、夢が叶うか叶わないかの心のあり方の違いが、言葉の響きと音の動きの意味によって簡単にしかもハッキリと理解できるはずです。そして真に人生に成功する心の持ちようを身につけます。 |
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2 | 6月12日
19:00~20:30 |
課題曲「猩々」 猩々の物語の中で青年が見た夢は、富貴の身となるというものでした。言葉の意味は発声の仕方により正反対の内容にもなります。心で思っていることと違うことを言ってしまう、または立場上言わなければならない、あるいは言わされてしまう場合でも、言葉の響きには心で思っていることが現れてしまうものなのです。つまり言葉の真実の意味は響きとして伝わります。言葉の真実の意味の響きを聞き分けるには、それなりの訓練が必要です。浄瑠璃の稽古はそのことの訓練そのものなので、浄瑠璃を稽古すれば自然に言葉の真実の意味を明確に聞き分けられるようになります。この回では、言葉の響きとしての意味(心で思っていること)を聞き分ける方法を浄瑠璃の語り方の稽古で身につけ、富貴という、真の豊かな日々を過ごす実感を感じとり、実生活を喜びに満ちたものにします。 |
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3 | 6月19日
19:00~20:30 |
課題曲「猩々」 夢を信じて少しも疑わなかった青年は、富貴の身となった後、猩々という不思議な存在に出会い、夢を信じた素直な心を愛でられて無限の富を与えられます。富はある一定のところまでは幸せを招きますが、度を越した富は間違いなく人生を不幸なものにします。青年が猩々から与えられた無限の富は、人生を不幸にしない「中庸の徳」でした。中庸とはちょうど良いこと。この回は、中庸の徳を浄瑠璃で感じとり、実生活において、真に高い志を持って生きることの大切さを身につけます。 |
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4 | 6月26日
19:00~20:30 |
課題曲「泰平船尽(たいへいふなづくし) この曲の主人公は、中国の歴史を学ぶ時まず知らなければならない古代の名君「黄帝(こうてい)」です。黄帝がいかにして国を平和にし民を幸せにしたかの物語を浄瑠璃を語りながら学びます。国が栄えるも滅びるも、リーダーの精神のあり方一つだということを目の当たりにしている現代において、国を栄えさせるリーダーとはスタッフとはを、この曲から実感として学ぶことができます。これは国家だけでなく企業などのあらゆる組織に共通のリーダーの精神で、時代を超えて普遍的な精神のあり方です。この回は、リーダーの精神のあり方を浄瑠璃から実感して、これから世界の様々な組織でリーダーとなって、日本人としての誇りを持って範を示す方法を身につけます。 |
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5 | 7月3日
19:00~20:30 |
課題曲「泰平船尽(たいへいふなづくし)」 前回第4回で学んだ、理想的なリーダーの精神を実際に行うためには、実務に優れたスタッフが必要です。あらゆる組織において言えることですが、リーダーがいくら高邁な精神を持っていても、スタッフがリーダーの精神を我がこととして深く理解していなければ、良い結果を出すことはできないと思います。この回では、黄帝の優れた臣下が黄帝の心を我が心として黄帝の理想を見事に実現する過程を浄瑠璃で体験し、組織運営にとって欠かせない、理想的スタッフの精神のあり方を身につけます。 |
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6 | 7月10日
19:00~20:30 |
1回から5回まで学んだ浄瑠璃の体験をもとに、日本人とは何か、日本文化とは何かをさらに奥深く考察します。日本だけでなく世界全体を未来に向かって理想的なものにするためには、日本人の伝統的な考え方がいかに重要であるかを、浄瑠璃の中に含まれている歴史的蓄積から学びます。
日本は、有史以来同一地域同一国家であり続けている、世界唯一の国です。なぜそのようなことができたかの秘密は、日本人のものの感じ方考え方にあります。その日本人の独特の感じ方考え方は、浄瑠璃の中にすべて溶け込んでいます。浄瑠璃を身につけることは、世界を全ての人にとって平和で豊かなものににするために、必要不可欠なものということを再認識してこの講義の前編を終えます。 |
講師紹介
都 一中
1952年 東京生まれ。本名・藤堂誠一郎。常磐津節を父初世常磐津文字蔵、四世常磐津文字兵衛、常磐津菊三郎に師事長唄三味線を田島佳子、長唄を皆川健に師事。
青山学院中等部・高等部卒業(19期)東京芸術大学音楽学部中退、音楽学を小泉文夫に師事、一中節を十一世都一中に師事。
1981年 二世常磐津文字蔵襲名
1985年 第一回文化庁芸術作品賞受賞
1986年 歌舞伎座の常磐津節立三味線(主席奏者)に昇格
1990年 公益財団法人清栄会 奨励賞受賞
1991年 十二世都一中を襲名し、一中節宗家継承
1999年 重要無形文化財 一中節(総合認定)保持者認定
2008年 重要無形文化財 常磐津節(総合認定)保持者認定
2014年度 日本芸術院賞受賞
2023年 重要無形文化財 日本舞踊 保持者認定
ドイツ、オーストリアなどの国際音楽祭に招聘され演奏会を行う。
ニューヨーク及びボストンのジャパンソサエティーに招聘され、米国東海岸各都市で演奏会を行う。そのほか、M.I.T.、イェール、ウェスリアン、コロラド、北京、などの各大学、バークリー音楽院にて講演と演奏を行う。
都一中音楽文化研究所理事長、一般財団法人古曲会評議員、常磐津協会理事、一中節都会主宰、常磐津百閃会主宰。
一中節宗家十二世都一中として、古典の中の古典といわれる一中節の高度に洗練された美意識を継承し、門弟の指導にあたりながら、現代の最先端の感性の要求に応える演奏活動を国内外で展開。未来へ向かっての日本の音楽芸術の進むべき道を追求している。二世常磐津文字蔵としては、常磐津節の所作事浄瑠璃としての特徴を生かし、舞踊とともに江戸の文化のゆかしさを現代に体現し、常磐津のみの演奏においても、新しい価値の創造に取り組んでいる。
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