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EVENT(学外講座)

SCHEDULED

2025.11.08 - 2025.12.06

TITLE

【青山キャンパス公開講座】ジェンダーと社会

講座概要

対面またはオンライン配信
2025/11/08 ~ 12/06 毎土曜日 11:00~12:30(初回のみ12:40)

戦後から高度成長期そして現代と、学生たちをとりまく社会は大きく変わり、ジェンダーに対する認識も変化しています。現代の学生が直面する問題や大学における学びにもジェンダーは深くかかわっています。戦後の女子短期大学で学んだ女子学生たちの生き方と、現代の多様な学生たちの学び、それぞれに光を当てることで、社会におけるジェンダーの役割と課題を多角的な視点から考えます。

講座申し込み

第1回 2025/11/08(土)『生きる』ための教育とジェンダー:教室の呟きを拾い、社会と繋げる

法学部 准教授
森本 麻衣子[MORIMOTO Maiko]

<プロフィール>
青山学院大学法学部ヒューマンライツ学科 准教授
森本 麻衣子[MORIMOTO Maiko]

第2回 2025/11/15(土)フェミニズム思想の歴史を学ぶ

コミュニティ人間科学部 教授
梅垣 千尋[UMEGAKI Chihiro]

この20年ほどのあいだ、私は青山学院の女子短期大学や大学で「ジェンダー」について歴史的に考えることをねらいとした講義を担当してきました。今回はそのなかから、近代イギリスにおける「フェミニズム思想」の形成を扱った授業を紹介します。「フェミニズム」と聞くと、最近の学生のあいだでは、それに深く共感する人がいる一方で、インターネット上で炎上する過激な思想、あるいは理論に関わる小難しい主義主張と受けとめる人もいるようです。ですが、いったん「フェミニズム」という言葉が生まれてさえいなかった時代にまで遡って、この思想の始まりを探ってみると、もう少し柔軟な見方ができるようになるのではないでしょうか。今回の講座では、この思想を唱えた人物に焦点を絞りながら、フェミニズムの歴史のなかに「平等派」と「差異派」という2つの系譜があったことを跡づけ、それぞれの主張にたいする学生の反応にも触れたいと思います。

<プロフィール>
青山学院大学コミュニティ人間科学部コミュニティ人間科学科 教授
梅垣 千尋[UMEGAKI Chihiro]
一橋大学社会学部卒業、一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了、英国ヨーク大学大学院18世紀研究所MAコース修了、一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員(PD)、青山学院女子短期大学専任講師、准教授、教授をへて、2021年4月より現職。専門はイギリス思想史、女性史・ジェンダー史。この講座に関連する主な業績として、『女性の権利を擁護する──メアリ・ウルストンクラフトの挑戦』(単著、白澤社、2011年)、「女性思想家の〈マイナー性〉──「愛」をめぐるウルストンクラフトのバーク批判を事例として」『政治思想研究』21号(2021年)、「フェミニズム思想」(分担執筆、弓削尚子・兼子歩編『ジェンダーで学ぶ歴史学』世界思想社、2025年刊行予定)など。

第3回 2025/11/22(土)「しなやかに夢を生きる」生き方の継承-スクーンメーカーから女子短期大学卒業生へ

コミュニティ人間科学部 教授
河見 誠 [KAWAMI Makoto]

青山学院女子短期大学は、「覚醒した女性の育成」を目指した教育を展開してきました。この文言は聖書の「目を覚ましていなさい」(マルコ13章他)に基づきます。短大閉学を受けて、その教育の具体的な実りを確認するため、短大同窓会の協力を得て、元短大教員による卒業生聞き取り調査が始まりました。その中で、時代的社会的現実に凛として向き合いつつ、人に寄り添い社会に柔軟に働きかける多くの卒業生の歩みを伺いました。それは、151年前イリノイ州モリスから旅立ち、青山学院の源流を生み出したドーラ・E・スクーンメーカーの「しなやかに夢を生きる」(棚村惠子著ドーラ伝の題)生き方の継承と見てとれるでしょう。この講義では、短大初期の卒業生の歩みを紹介し、ドーラの生き方と照らし合わせながら、「覚醒した自立的な心」(短大学則1条)とその形成、「しなやかに夢を生きる」生き方について考え、私たちが継承していくべき教育のあり方を探ります。

<プロフィール>
青山学院大学コミュニティ人間科学部コミュニティ人間科学科 教授
河見 誠 [KAWAMI Makoto]
1994年から2021年まで青山学院女子短期大学に奉職(家政学科、2012年改組後は現代教養学科)、第9代女子短期大学学長。現在は青山学院大学コミュニティ人間科学部教授。専門は法哲学。主著として『自然法論の必要性と可能性』(成文堂)、『現代社会と法原理』(成文堂)、『いのちの法と倫理』(法律文化社、共著)。

第4回 2025/11/29(土)何を学び、どう生きるのか

コミュニティ人間科学部 准教授 
小林 瑞乃[KOBAYASHI Mizuno]

この講義では、本学短大同窓生の卒業後の歩みを調査する研究プロジェクトから明らかになった女性の多様な生き方の具体的事例を紹介しながら、ジェンダーと社会の問題について考察します。
戦後の教育改革で開始された女子高等教育は、1960年代の女子学生亡国論などの主張にみるようにジェンダー格差の強い時代もありました。しかし、当時の学生達は思う存分に学び、自己成長を実感し、人生を支える価値意識を得たと証言しており、教育理念とその受容をめぐり現代社会への示唆に富む事実が浮かび上がってきました。そうした歴史的・教育的資産の成果を踏まえつつ、ジェンダー学が問題提起している日本の現状と課題について考えていきます。
さらに、趣味や学習、ボランティア参加など様々に暮らしをエンジョイする世界の人々の在り方などワールドワイドな比較を通して学び方・働き方について考察し、人生を豊かに生きるための手がかりをみつけていきたいと思います。

<プロフィール>
青山学院大学コミュニティ人間科学部コミュニティ人間科学科 准教授 
小林 瑞乃[KOBAYASHI Mizuno]
博士(文学)。専門分野:日本近現代思想史、女性史。 博士課程在学中、歴史雑誌の編集や社会教育主事として保谷市(現西東京市)生涯学習推進計画を策定するほか多種多様な業務を経験してきた。2008年4月青山学院女子短期大学教養学科着任、2021年4月より本学コミュニティ人間科学部。「青山学院における女子教育の検証― オーラルヒストリー・プロジェクトⅠ・Ⅱ・Ⅲ ―」研究担当者の一人。明治から現代まで様々な人物の言説を追究している。2023年3月オックスフォード大学戦後日本研究カンファレンスに招待され、作家森崎和江についての研究成果を発表した。

第5回 2025/12/06(土)ジェンダー、セクシュアリティとアイデンティティ

明治大学文学部心理社会学科 准教授
佐々木 掌子[SASAKI Shoko]

本講座では、「多様な性」についてお話しする。この表現は、LGBTのように少数派(マイノリティ)を指し示すものではなく、多数派(マジョリティ)も含めたすべての人の性のありようをターゲットにした捉え方である。本講座では、特に混在しやすい性の概念を整理する。性別の認知的理解である「①性自認」、社会の中における自我の問題としての「②性同一性(gender identity)」、さらにこれらとは似て非なる概念である「③性役割(gender role)」、そして、対象の性別に対する概念である「④性的指向(sexual orientation)」などである。これらが全く異なる独立した概念であることを確認したい。そして、カテゴリではなくグラデーションとして、スペクトラムとして、連続体として捉え得ることについて紹介する。
その上で、「性」というものが、「どのような性的あり方を望んでいるのか、社会の中でどのように自己の性を位置付けていくのか」というアイデンティティの問いであり、人格と人権の問題であることを確認する。

<プロフィール>
明治大学文学部心理社会学科 准教授
佐々木 掌子[SASAKI Shoko]
青山学院大学文学部卒、同大学院文学研究科博士前期課程修了、慶應義塾大学大学院社会学研究科博士後期課程満期退学、博士(教育学)取得。医療機関等で性別違和のあるこどもとその家族の心理アセスメントやカウンセリングに関わりながら、性の多様性に対応できる臨床心理士・公認心理師養成も行う。
監修本に令和6年こども家庭庁児童福祉文化賞受賞作「LGBTだけじゃない!わたしの性(全4冊/ジェンダー・アイデンティティ、からだの性、好きのありかた、性役割/性別表現)」(国土社)。

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