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2024.05.27

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2024年度も本学学生がセルビア共和国大使館を訪問し、女性の社会進出等の意見交換を実施

2024年5月15日(水)に、本学の学生11人と久保田進彦教授(経営学部 経営学科・経営学部長)ならびに中邨良樹教授(経営学部 経営学科)が、セルビア共和国のアレクサンドラ・コヴァチュ大使(以下、コヴァチュ大使)からご招待を受け、東京都港区高輪にある同国の大使館を訪問しました。本学学生と久保田進彦教授が招待を受けたのは、昨年に続き2回目となります。

当日は、ダイバーシティー・マネジメントを支援するNPO法人「J-Win」のメンバー、東京ガスiネット株式会社の鴫谷あゆみ取締役会長(以下、鴨谷氏)と有限責任監査法人トーマツ・パートナーの奥谷恭子パートナー(以下、奥谷氏)も参加され、3時間近くにわたり、女性の社会進出についてディスカッションを行いました。
ディスカッションは3部構成で、はじめにコヴァチュ大使がセルビア共和国における女性の活躍についてお話しされ、鴫谷氏と奥谷氏が、ご自身の働き方や日本企業の現状などについてご説明されました。最後に、本学の学生が一人ずつプレゼンテーションを行い、それらに対して全員で質疑応答を行いました。

参加者からのコメント

久保田進彦教授(経営学部 経営学科・経営学部長)

日本のジェンダーギャップ指数(Gender Gap Index)は世界的に大変低い水準で、2023年度は146カ国中125位でした。しかし多くの人たちは、日本の社会にどのような問題があるのか、そしてなぜそうした状況となっているのかについて、あまり意識的でないように思われます。また問題が指摘されても「そういうものだから」であるとか「それが日本の伝統だから」といった解釈がなされることも少なくありません。こうした背景のなか、日本社会におけるジェンダー問題について、意識的に考え、議論を行う機会を持てたことは、学生たちにとって非常に有意義でした。
昨年に引き続き、このような素晴らしい場を設けていただいたコヴァチュ大使と、鴫谷氏ならびに奥谷氏には心からお礼を申し上げます。

小野寺梓織さん(経営学部 経営学科3年)

今回のディスカッションに参加したことで、日本の女性の進出の現状を知るとともに、海外の現状も知ることが出来ました。また、普段意識せずに行ってしまうアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)に気付きました。さらに、初めから大きなことを成し遂げようとするのでなく、まずは日ごろから実践できることにひとつずつ取り組んで、それらを自分にとっての「あたりまえ」にしていく必要があるのだと実感しました。そしてその「あたりまえ」が、社会全体の常識へと変化していけば、自ずと男女平等の社会へと向かっていくのだと思いました。

田村真由さん(経営学部 経営学科3年)

本ディスカッションを通して、ジェンダー平等のために自分たちが何をすれば良いのか、凝り固まった意識をどう変えていけば良いのかを自問自答し、自分なりの答えを持つことができました。セルビア共和国は、法律という制度によってあらゆる分野における差別を禁止することで、男女平等を実現しています。皆さまのお話をお伺いして、政治を改善するとそれに伴って企業も変わっていくことを知り、制度として仕組みを整えていくことの有用性を強く実感しました。また、世の中に該当する法律がないとしても、自分が何をどうしたいのかを考え、自発的に動いていくことが必要であり、そのようなことができる人物こそが真のリーダーになれるのだと気付くことができました。私も世の中の情勢に合わせて自身の方向性を定めるのではなく、本心に向き合い、勇気を持って行動していける人間になりたいです。

松山和佳奈さん(経営学部 経営学科3年)

普段なかなかお会いすることのできない大使や、社会で活躍されている女性の先輩方の貴重なお話を伺うことができました。セルビアの男女平等の考え方や現状、日本の男女雇用機会均等法が成立した当初の様子と現状との差についてなどの理解が進みました。どのお話も興味深く勉強になりましたが、今の日本は、男女平等に向けての過渡期だというお話が特に印象的でした。また私自身の考えを表現し疑問が解決でき、同年代の参加者の皆さんの意見に触れ、非常に刺激を受けました。このたびは、このような機会を設けていただき、ありがとうございました。

小野寺祥乃さん(経営学部 マーケティング学科2年)

今まで考える機会が少なかった女性進出に関するディスカッションに参加し、コヴァチュ大使やJ-Winの皆さまから、それぞれの経験を踏まえたお話をお聞きすることができたことが、とても興味深かったです。セルビア共和国と日本における女性進出の違いや、日本企業の経営者であられる鴫谷様ならびに奥谷様のご意見をお聞きすることや、それらに対して自分の意見を述べるということが、大変良い経験となりました。
今回のディスカッション通して、私自身は「女性だから」と自分の性別にフォーカスするのではなく、自分そのものに自信をもって働いていきたいと思いました。しかし社会全体を見渡すと「女性だから」という理由でキャリアを諦めてしまう人も多いと感じます。もし私が経営者になることがあれば、従業員に出産や育児で仕事を諦めることがないような雰囲気づくりなどに努めていけるようになりたいと思いました。今回のディスカッションに参加して本当に良かったです。

清水瑚子さん(経済学部 現代経済デザイン学科1年)

私はこれまで性別の違いが大きな壁となっている場面に対面したことがありませんでしたが、今回のセルビア大使館訪問によって、身近にアンコンシャス・バイアス的な行動発言があると気付くことができました。次の世代を生きる私たちが、この世の中をどう変えていくべきなのか深く考えることができ、良い機会となりました。今回の体験を、ぜひ今後に生かしていきたいと思いました。

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