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2025.11.26

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【理工学部】湊温媛さんが「The 22nd IEEE Transdisciplinary-Oriented Workshop for Emerging Researchers」で「IEEE TOWERS WIE Best Award」を受賞~顔面熱画像に基づく慢性ストレスに関するモデルの構築へ~

2025年11月15日(土)、「The 22nd IEEE Transdisciplinary-Oriented Workshop for Emerging Researchers(IEEE TOWERS)」が日本工学院専門学校 蒲田キャンパスで開催され、湊温媛さん(理工学部 電気電子工学科4年、生体計測・感性工学研究室(野澤昭雄教授)所属)らによる研究発表が、「IEEE TOWERS WIE Best Award」を受賞しました。IEEE TOWERSは、若手研究者の異分野交流を促進することを目的として、IEEE東京支部の後援のもと学生主体で運営されている団体です。「IEEE TOWERS WIE Best Award」は女性研究者を対象とし、その中で最も優れた発表を行った1名に授与される賞です。

研究概要

湊さんは、顔面サーモグラフィーにより計測した顔面皮膚温分布に基づき、慢性ストレスを推定する研究に取り組んでいます。慢性ストレスの客観的評価を目指し、非侵襲的に得られる皮膚温情報を活用する点に特徴があります。解析手法としては、皮膚温の形成メカニズムを考慮した空間的自己相関を指標として導入し、その特徴量を用いて回帰モデルを構築してきました。このモデルにより、皮膚温分布と慢性ストレス指標との関係性を明らかにすることを目指しています。

受賞者からのコメント

湊温媛さん(理工学部 電気電子工学科4年、生体計測・感性工学研究室(野澤昭雄教授)所属)

「IEEE TOWERS WIE Best Award」を受賞し、大変光栄に思います。私は、自身では気付きにくい慢性ストレスを客観的に評価するため、顔面熱画像を用いた慢性ストレス推定に関する研究に取り組んでいます。慢性ストレスは抽象的で、かつ緩やかに影響を及ぼすため、その推定は容易ではありません。しかし、解析を進める中で新たな知見が得られ、非常に興味深い研究であると感じています。また、本研究を進めるにあたり、日頃から温かくご指導くださった先生方や先輩方のお力添えがあったからこそ、このような成果につながったと深く感謝しております。今後も本研究を基盤として、慢性ストレス推定に関する研究を進展させていけるよう、努めてまいります。

指導教員からのコメント

野澤昭雄教授(理工学部 電気電子工学科)

湊さんは、非接触計測技術を用いた慢性ストレス評価という非常に難しいテーマに果敢に取り組み、実験の設計からデータの計測、解析手法の構築まで、毎日コツコツと粘り強く研究を進めてきました。慢性ストレスの定量的計測には、唾液や髪の毛から採取したストレスホルモンを用いた研究等が有名ですが、いずれも応用に際しては課題があり、実用化は困難です。本研究で提案している手法は、誰でも日常的に手軽に計測できる点が画期的であり、今後の健康科学や生理心理学分野において大きなインパクトを与えることが期待されます。今回の受賞は、彼女の継続的な努力と探究心が高く評価された結果であり、本研究のさらなる発展を期待しています。

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