TOP

EVENT(英米文学科)

SCHEDULED

2025.12.11

TITLE

【英米文学科】柳樂 光隆 氏 (Jazz the New Chapter)講演会

久野陽一教授が担当される「イギリス文化特講 II」において、ゲストスピーカーをお招きして講演会を実施します。受講生以外の学内・学外の方の参加も歓迎いたします。事前の予約や参加費は必要ありません。皆様のご参加をお待ちしております。

概要
講演タイトル ジャズ史と女性
講演者 柳樂 光隆 氏 (Jazz the New Chapter)
日時 2025年12月11日(木)5限(16:50〜18:20)
場所 青山キャンパス17号館3階17308教室

講演内容

⻘⼭学院⼤学英米⽂学科の久野先⽣の講義で、今年もお話をさせてもらうことになりました。
ここ2年の講義を振り返ると、2023年は「イギリスにおける移⺠の貢献」をイギリスのジャズ史を例にお話ししました。「カリブ海やアフリカからの移⺠が持ち込んだ⽂化の影響がどれだけイギリスのジャズに影響しているのか」を、2010 年代以降のイギリスのジャズの活況の理由と紐づける形でまとめました。これは、近年のイギリスのあらゆる領域で移⺠がもたらしたものの⼤きさをきちんと評価し、歴史として記そうとする動きがあることとも繋がっています。
2024 年はそこから視野を広げて、カリブ海やアフリカからの移⺠、もしくはその⼦どもであるイギリスのミュージシャンたちが、⾃⾝のルーツに紐づいた⾳楽をジャズに取り込んでいく過程を軽く踏まえたうえで、「今、世界中のアフリカ系のジャズ・ミュージシャンが⾃分たちのアイデンティティやルーツについてどう考えているか」をお話ししました。イギリスで起きていることは⼤きな流れのひとつであることを知ってもらうこと、そして「脱植⺠地主義」について知ってもらう意図もありました。
ここまではジャズにおける「⼈種」にフォーカスしてお話をしてきました。

今年 2025 年は、「ジャズ史における⼥性」の話をしようと思います。つまり、「ジェンダー」にフォーカスします。これは、私が昭和⾳楽⼤学のジャズ科で受け持っているジャズ史の講義でも毎年扱っているテーマです。 ジャズの歴史の本を読むと、⼥性ミュージシャンの名前が少ないことに気付きます。ジャズ史において⼥性器楽奏者に関する記述となると、⻑い間「少ない」というより「ほぼ存在しない」に近い状況が続いてきました。しかし、実際の貢献度がそんなはずはなく、⼥性ミュージシャンはジャズ史において確かな貢献をしてきました。現在は、その貢献に対する評価を適切なものにしようとする取り組みをさまざまな場所で⾒ることができますし、そのことが現代のジャズのあり⽅にも影響を与えていると思います。
そして、この「ジャズ史における⼥性ミュージシャンの貢献への評価を適切にしていく流れ」は、「アフリカ系のミュージシャンの貢献を正当に評価していく流れ」とパラレルに進んでいます。そして、⼥性のミュージシャンの歴史は植⺠地主義ともところどころで関わってきます。また、評価の在り⽅の変化は現在の⾳楽シーンの動向とも無関係ではありません。イギリスに話を戻すと、2010年代以降のイギリスのジャズの活況は、他の国と⽐べものにならないレベルで⼥性ミュージシャンが活躍している状況と無縁ではありません。 今回は、そうした意図で「ジャズ史と⼥性」についてお話しします。ぜひ、受講してください。

講演者プロフィール

1979 年、島根県・出雲生まれ。ジャズとその周辺の音楽を扱う音楽評論家。21世紀以降のジャズをまとめた世界初のジャズ本『Jazz The New Chapter』シリーズ、マイルス・デイヴィスを現在の視点から読み解いた『Miles Reimagined』の監修を務める。共著に後藤雅洋、村井康司との鼎談集『100年のジャズを聴く』などがある。これまでに、『WIRED』日本版、『i-D JAPAN』、『CDジャーナル』、『JAZZ JAPAN』、『ミュージック・マガジン』、『ユリイカ』、『BRUTUS』、『文學界』、『Rolling Stone Japan』などの雑誌に寄稿。ジャズに留まらず、ブラジル音楽などの広い射程から、様々な音楽を紹介しながら、数多くのインタビューやライナーノーツを手がけている。『Jazz The New Chapter』シリーズのコンピレーションCDなどの選曲家としての仕事も多数。現在、TBSラジオ「荻上チキ Session」に定期的に出演中。また、美学校、昭和音楽大学などでも教鞭を執る。

関連情報