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2024.04.10

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【経済学研究科】西山有紀子さん(経済学専攻 博士後期課程3年)が第14回「鉄道史学会」の第一部門(論文の部)で「住田奨励賞」を受賞

西山有紀子さん(経済学研究科 経済学専攻 博士後期課程3年)の論文「高度成長期における箱根一貫周遊ルート構築と観光開発の展開―箱根ロープウェイの経営を事例に―」が第14回「鉄道史学会」の第一部門(論文の部)において、「住田奨励賞」を受賞しました。

論文概要

神奈川県西部に位置する箱根町は豊かな自然と温泉に恵まれ、日本では有数の観光地として成長しています。この箱根が急速に観光地化されたのは観光ブームが到来した高度成長期以降です。当時、箱根観光開発を手掛けていたのは西武鉄道株式会社と小田急電鉄株式会社の二大電鉄会社でしたが、両社は多くの問題で衝突し、度々訴訟にまで発展しました。

この一連の出来事は「箱根山戦争」としてマスコミによってクローズアップされ、新聞小説や映画にも描かれたことから、両社の対立関係はたちまち世に知れ渡ることになりました。以来、箱根山戦争の話は、単なる企業間対立を描いたフィクションとしてではなく、史実として取り上げられるようになりました。

本論はこの箱根山戦争を前提とした歴史的解釈から一旦離れ、小田急電鉄の子会社「箱根ロープウェイ株式会社」に着目し、その設立までのプロセスを通して高度成長期における電鉄会社による箱根観光開発の一端を明らかにしたものです。

受賞者からのコメント

西山有紀子さん(経済学研究科 経済学専攻 博士後期課程3年)

早雲山から大涌谷、芦ノ湖桃源台までの巨大なロープウェイ計画の史料からは電鉄会社が同業他社以外にも多くのものと対峙し、苦悩していたことが分かります。研究ではこうした史料を的確に読み解き、史実を淡々と論じることがとても難しかったですが、「鉄道史学会住田奨励賞」という栄誉ある賞をいただけたのは、 髙嶋修一教授、永山のどか教授の熱意あるご指導とご支援、そして研究を共にする学生の皆さまのお力添えの賜物です。心からお礼申し上げます。受賞を励みに今後もより一層研究に勤しんで参ります。

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