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2022.03.26
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2021年度大学・大学院学位授与式を挙行
2022年3月26日(土)、2021年度卒業礼拝、大学・大学院学位授与式を青山キャンパスにて執り行いました。
体調確認やマスク着用を徹底し、新型コロナウイルス感染症対策を万全を期した上で挙行しました。
本式典は学生のみの参列となりましたが、インターネット動画にてライブ配信し、保証人やご家族の方などにもご覧いただきました。
阪本浩学長の式辞 大学を卒業する皆さんへ
ご卒業おめでとうございます。
桜も間もなく満開となろうとするこのよき日に、皆さんに学位記を手渡しできることを何より嬉しく思います。
ここまでの道のりは、決して平坦ではありませんでした。辛い思いをしたこともあったでしょう。入学当初に思い描いていたキャンパスライフが、突然奪われてしまったと感じられたかもしれません。新型コロナウイルスによるパンデミックのために、一時キャンパス閉鎖、全ての授業の遠隔授業への切り替え、いくらか落ち着いてからも、これまで経験したことのないハイブリッド型授業、課外活動の大幅な制限などが続きました。就職活動についても、聞いていたのとは全く違った苦労があったことと思います。こうしたさまざまな措置を講じなければならなかったことは、大学としても心苦しく、残念に思っていました。
しかし、これらは、過ぎ去れば元に戻り、苦しかった思い出となるべきものではないと思います。全く想定外で、皆さんと共に苦心しながら取り組んできた遠隔授業の試みは、予想しなかったような効果ももたらしました。この経験を活かして、大学教育のデジタル化が進むと思います。さらなる技術の進化がオンライン授業の質の向上と新たな教育のあり方をもたらすかもしれません。留学できなくとも、オンラインによる海外の大学、学生との交流も可能になるかと思います。皆さんは、いわば歴史の転換点にいたのかもしれません。皆さんの苦しかった経験が大学を変えていくかもしれません。辛くとも最初の一歩を踏み出し、新たな歴史を創った世代として記憶されることになるでしょう。
変わるのは大学だけではありません。DX(デジタルトランスフォーメーション)の文字をいたるところで目にするようになっています。テレワークが普及し、AIを活用したビジネスも珍しくなくなりつつあります。これからの時代には、どのような仕事でも、どの分野の研究においてもデジタル化は避けて通れないでしょう。この苦しかった経験は、これからの時代に、むしろ強みに変えられるかもしれません。ICT化が進行するポストコロナ時代の担い手として皆さんが活躍することを期待しています。
しかし、それに加えて、改めてお願いします。「地の塩、世の光」をスクール・モットーとする大学で学んだことを決して忘れないでください。いかに社会が変化し、世界が変わろうとも、皆さんには「青山学院教育方針」にある通り、「神の前に真実に生き、真理を謙虚に追求し、愛と奉仕の精神をもって、すべての人と社会とに対する責任を、進んで果たす人間」であってほしいと願っています。
これからの皆さんの活躍に期待しています。
ご卒業おめでとうございます。
阪本浩学長の式辞 大学院を修了する皆さんへ
ご卒業おめでとうございます。
本日ここに、皆さんに学位記を手渡せることを何よりうれしく思います。ここまで皆さんは、誰も予想できなかったような、新型コロナウイルスによるパンデミックで世界が混乱する中でも学びを止めず、各自の目標に向かって努力を続け、自分のテーマについて研究を続けてこられました。一時的にキャンパスを閉鎖し、すべての授業を遠隔授業に切り替える措置を講じなければならなかった時期もありました。しかし、論文作成に取り組む皆さんには、図書館利用のための入構を許可しました。最初に対面授業を再開したのは大学院の授業でした。それでも、十分なサポートができているのだろうか、と不安に思うこともありました。今日ここにお集まりの皆さんは、その不安をある程度払拭してくれたように思います。皆さんの努力に敬意を表します。
研究に専念する大学院生を見るたびに思い出すのが、有名な、マックス・ヴェーバー『職業としての学問』の一節です。
「実際に価値ありかつ完璧の域に達しているような業績は、こんにちではみな専門家的になしとげられたものばかりである。それゆえ、いわばみずから遮眼革(めかくし)をつけることのできない人や、また自己の全心を打ち込んで、たとえばある写本のある箇所の正しい解釈を得ることに夢中になるといったようなことのできない人は、まず学問には縁遠い人々である・・・・第三者にはおよそ馬鹿げて見える三昧境、こうした情熱・・・なにごとも忘れてその解釈を得ることに熱中するといった心構え、これのない人は学問に向いていない。」
今、何事かを成し遂げた皆さんには、この言葉を聞いて感じるところがあると思います。学位記を授与されたことで、皆さんは次のステージへと進むことになります。ここで一旦目隠しを取って、思い切り視野を広げてみるのも有益、あるいは楽しいかもしれません。これからそれぞれの道を歩み始める皆さんが、それぞれの分野でご活躍されますことに期待しています。ご卒業おめでとうございます。
(引用は、マックス・ウェーバー著、尾高邦雄訳『職業としての学問』、岩波文庫、による)